http://karapaia.livedoor.biz/archives/52181117.html引用

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 過度な心配してしいまう不安障害は、実はれほど悪いことではないのかもしれない。この度発表されたアメリカの研究では、不安は人間の知能の発達とともに進化してきたことを示唆している。

 不安で不安でしかたない、物事を悪い方へと考えてしまう過度の不安障害は知能の高さの表れであることがわかったそうだ。

 この研究では、全般性不安障害と診断された人たちにおいては、IQが高いほどに心配性であるという結果が得られた。また、不安障害を患う人たちは健康な人よりも高いIQを持つことが多く、脳の部分間の連絡を助ける領域の活動レベルが高い傾向にあることも判明している。こうした領域は人間が上手く進化するうえで重要な役割を果たしたと考えられている。

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 本研究では不安障害の患者26人と健康な18人にIQテストと心配性の度合いを評価するアンケートに答えてもらった。すると不安障害の被験者は、心配レベルが高いほどに、IQも高いことが判明した。だが、面白いことに健康な被験者においては逆の相関が見られた。すなわちIQが高いほどに、心配レベルが低かったのだ。

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 研究を発表したニューヨーク州立大学ダウンステート・メディカル・センターのジェレミー・コプラン博士によれば、心配性はあまり好ましくないと見られがちであるが、これは知能と関連があり、状況に適応するためには重要な特質なのだそうだ。あまりに心配し過ぎた場合、身動きが取れなくなるうえ、しばしばただの杞憂に過ぎないことも多い。しかし、危険な不確定要素は常に存在するものであり、それゆえに心配性は柔軟に対処するうえで役に立つ。

 「こうした不確定要素としての危険のサインに基づいて行動した者は生存し、子孫を残す可能性が高くなります」とコプラン博士。

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 ほとんど心配しないような人は、社会生活を営むうえで問題を抱えることになるだろう。中には危険が差し迫っていたとしても、それを全く予見できない人すらいる。仮にこうした人たちが指導的な立場に就いたとすれば、部下や一般に向けて心配する必要などないと告げるだろう。しかし、例えば不動産バブルが崩壊したときのように、心配無用を通した結果、社会問題に繋がる状況もありえるのだ。

 なお、本研究はごく少人数を対象に実施したものであるため、今後も同様の調査を続ける必要があるそうだ。

via:livescience・原文翻訳:hiroching