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アザゼル999

※アザゼルかっぱの独自調査記事が少しございます。記事検索で「アザゼル」と入力すると読む事ができます。ジャーナリストでも物書きでもないので下手な文章ですが、どうぞ読んで行ってください。 各優良サイトのオカルト・政治・芸能・国内ニュース・海外ニュース・歴史・バラエティなどなど、ネット中の様々な情報を紹介していきます。

2014年08月

引用http://sk2ch.com/archives/3793


764:
 名無しさん@HOME 2009/09/13(日) 22:31:08 0
コトメ(旦那妹)に無料ベビーシッター扱いされてるっぽかったので、この春に息子が小学校入学したのもあって10月から仕事復帰することにした。 
今日義実家で会った時に報告したらファビョるファビョる。 
コトメ11月頭に4人目の出産を控えてるのに、上3人の面倒は私に丸投げするつもりでな~んにも用意してないんだろうなw今までもそうだったもんなw 

「困るんだけど!!」とキレられたので「私もコトメさんが(うちに子供を預けていく際に)コトメ子のおむつ代やごはん代を払わないから困ってます!その分働いてお金を稼がないといけないんです!!」とキレ返ししたら、トメが横からブチキレた。 
「あんた!嫁子ちゃんに自分の子供のお金を払わせとったんね!!」と。 
トメは亡くなったウトの代わりに働いて働いて子供を育てた苦労人なので、きっと私側についてくれると踏んで義実家で話をしましたともw 
全然足らないけど一応コトメから今までのお金を返してもらい、次の出産の時にはシッターや保育園に頼むことを約束させたので万々歳です。



767: 名無しさん@HOME 2009/09/13(日) 22:41:38 0
>>764 
GJ 
トメを味方につけて〆させる辺りとてもお見事。 
お仕事頑張ってね

766: 名無しさん@HOME 2009/09/13(日) 22:39:54 0
GJだがDQN成分が皆無

770: 名無しさん@HOME 2009/09/13(日) 22:58:04 0
GJありがとう~。 
DQN成分は、コトメが困るであろうと分かってて今復帰したことですかね。 
春から復帰していればもっと準備のしようもあるし…と自分で書いておきながらあのコトメなら何ヶ月前でも変わらないだろうなとか思ってしまうw 
出産祝いですが、うちの一人息子が産まれたときにポチ袋に入れた500円分のスーパーの商品券を貰ったので毎回同じモノを贈ってます。
最初にポチ袋を渡した時に「ハァ?…えっ…ああ…チッ」みたいな流れは面白かったです。

771: 名無しさん@HOME 2009/09/13(日) 23:01:13 0
500円分のスーパーの商品券をポチ袋で???? 

口きく気にもならないなw

774: 名無しさん@HOME 2009/09/13(日) 23:25:51 0
>ポチ袋に入れた500円分のスーパーの商品券 
mjd?! 
多少気に食わない相手だとしても、こういうことをやったらまず自分の卑しさを惨めに感じると思うんだが。 

>>770にはスカッっとしたがw

778: 名無しさん@HOME 2009/09/13(日) 23:38:34 0
>>500円をポチ袋で 
まじです。 
トメも旦那も知ってます。旦那に「祝いはポチでいい」と言われてそうしてます。 
当時まだ10代だったから仕方ないんじゃないかとは思いましたが、その後トメさんにどうしてもと言って進学した先でいきなり妊娠&自主退学して結婚という流れだったのでポチ以上渡す気はなくなりました。 
トメさんがどれだけ頑張って工面して入学させてくれたと思ってるんだ。

772: 名無しさん@HOME 2009/09/13(日) 23:01:48 0
コトメが不足がちなDQN分を補ってるな 
GJ!

みんなの反応 14 件

1: すかっと名無しさん 2014/8/25(月) 11:21:38 ID:NzY3NDc1M

ホントに某バンダナ大家族も然り、お前が親やるな!って奴程、子供ポコポコ大魔王でイラつく。両親共にアカンから離婚率も高いし、自己責任とれないなら避妊するべきなのに性欲と一緒に脳味噌まで吐き出しとんのかと思う。

2: すかっと名無しさん 2014/8/25(月) 12:18:40 ID:OTIzNjM3O

理性が働いてないって事だろ
生物としての本能のまま行動し、年中発情期だからぽこぽこ産む

3: すかっと名無しさん 2014/8/25(月) 13:58:21 ID:NzY3NDU4M

え〜自力じゃ育てられないのが分かってるのにポンポン産んでんの?そりゃまぁ多少は誰かに頼るのは分かるけど丸投げかよ、ペット感覚とも違うよなコレ…わけがわからん。

4: すかっと名無しさん 2014/8/25(月) 14:23:13 ID:MjQ0NjcxM

馬鹿の子沢山

5: すかっと名無しさん 2014/8/25(月) 15:12:42 ID:NjQ0NDEyN

最初から、自分で育てる気なんて無い。
だからポンポン産めるのさ。
責任持って育てようと思ったら、無計画に妊娠なんてしないよ。

そのうち、近所に託児しようとしてトラブル起こしそうだなぁ。

6: すかっと名無しさん 2014/8/25(月) 15:59:14 ID:NTMwNDEzO

計画妊娠でもなし、避妊も出来ない人間か。
猿はお山に帰りな

7: すかっと名無しさん 2014/8/25(月) 19:44:23 ID:NTI5MTgyM

うちの妹んとこも、なぁ。
六歳を筆頭に男三人なんだけど、なんせ旦那が59歳。
義弟が20も年上、って・・・・・・
いや、それよりも、来年定年なのに、これからどうするんだろ。
大して稼ぎも良くないのに。一番下はこの間一歳にまったばかりなんだよ・・・・・・

8: すかっと名無しさん 2014/8/25(月) 22:22:24 ID:MjUyMzYzM

屑に育てたトメも結局は悪いだろ

9: すかっと名無しさん 2014/8/25(月) 23:50:50 ID:MjQ0NzMyN

一生懸命育てても途中で悪い病気wやら害虫wに食われたりして勝手に腐っていく奴も多いんだよ

10: すかっと名無しさん 2014/8/26(火) 03:11:46 ID:NTAwMDQ4M

一瞬、昭和(前半)の話か?と思った

11: すかっと名無しさん 2014/8/26(火) 09:45:33 ID:NTE0ODM5N

コトメ・・・
はっきり言ってただの猿だね。
いや、猿の方が立派かw

12: すかっと名無しさん 2014/8/26(火) 11:25:08 ID:Nzg1ODgzO

※8
大学で親許離れて腐ったんだよ

13: すかっと名無しさん 2014/8/26(火) 14:38:39 ID:NDk5NzQ1N

すげぇ神経

14: すかっと名無しさん 2014/8/26(火) 15:25:10 ID:OTU0NzcyO

ちゃんと育てさえすれば、子供は全員まともに育つなら、子育ての苦労なんてないよな。

コトメ旦那の話が出てこないけど、まあ似たり寄ったりなんだろう。 

引用http://kosodatech.blog133.fc2.com/blog-entry-10922.html

703 :
名無しさん@おーぷん : 2014/08/26(火)11:50:01
良い意味での神経分からん話。

コトメ(旦那妹)は気が利いて面白いし美人なのに喪女。
結婚とかもうどうでも良いし男もそんなに好きじゃない。
実家(私にとっては義実家ね)も裕福で両親はコトメが大好き。
だからコトメは、私もうこのまま好きな仕事続けるから良いって。
勿体ないなあ?って思ってた。
モテるだろうと思うけど、ちょっと特殊な仕事で、
年頃の異性と出会わない&女友達たくさんで寂しくないのコンボ。


ところが、私が出産してから激変。
私一家は義実家の近くに住んでて、私自身は専業で
トメはスーパー主婦様なので色々お伺いに行く事が多い。
嫌みじゃなくて本当に助けてもらってる。
コトメは家にいる事が多い仕事なのでよく会う。

もう、すっごい赤ちゃん可愛がるのw
舐めんばかりと言うか、この人こんなとこあったんだ!
ってビックリするくらい。可愛い可愛い、って色々貢ぐw
夫も驚いていたけど、そういえばあいつよく野良犬猫拾ってきて
可愛がってたなあ…って。コトメ、意外と母性の強い人間だったw
可愛がられているから娘もコトメに懐く。
過干渉でもなく、程よい距離感なので私も心地よい。
んで私母が義実家に遊びにきた時に、何気なく
「年の近い親戚がいればねえ」みたいな事を言った。
別にコトメに向けていった言葉じゃないんだけど。
私自身がイトコたくさんの環境で育ってたからね。
その時にコトメの目が怪しく光った(マジで)。

それからのコトメの行動は早かった。
仕事がらみで尊敬していたと言う年上男性と電撃婚。
付き合って一週間で両家顔合わせ、一ヶ月で入籍、
同時に引っ越し、二ヶ月めに小さな結婚式、三ヶ月目におめでた。
住まいは義実家や私達と同じ町。便利で良いとこだから
旦那さんも反対せず。なんでも電光石火。出産も予定日より早かった。
産まれてからはそりゃあもう子供を可愛がる。
勿論うちの子(2歳違い)の為に産んだ訳ではなく、
赤ちゃんの可愛さに気付いてって事なんだけど、でも
同性で年の近い従姉妹が近所にいたら助かる事もあるよね。

周りも本人も、赤ちゃんや子供の可愛さで、コトメがあんなに急に
母性を目覚めさせるとは思わなかった、って言ってる。
そうだよねえあんなに「結婚なんかいらーん」って言ってたのに。
人間で凄い。
コトメの何が一番凄いって、出産したとき41才だった事だよ。
40才で初婚高収入のナイスおじさまを短期決戦でゲットとかすげえ
メシウマ美人が本気だすとすげえ。

704 :名無しさん@おーぷん : 2014/08/26(火)12:04:20
>>703
何故、衝撃スレじゃなくてこっちにレスしたんだw
急に開花した母性本能が凄い。って意味なんだろうけど…
高齢+予定日前でも無事に産まれて良かったのぅ。
顔は仲間由紀恵で勝間和代みたいな勢いのいい人を想像した

707 :703 : 2014/08/26(火)16:06:35
>>704
あ!そっか!
なんか丁度良いスレが思いつかなくて。
確かに衝撃スレに書けば良かった。
コトメは周りも独身女性ばっかりだから
赤ちゃんを間近に見た事が無かったんだって。
うちの子が初めて見る赤ちゃんで、ビックリしたそうだw
本当に本当に無事に産まれて良かった。

顔は、芸能人で言うとスッピンの井川遥に
小林聡美のエッセンスをりかけたような…
のんびりした独特な人です。でも凄く優しい。 

引用http://kijosoku.com/archives/39982796.html

721:
 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/21(月) 20:17:14.22
自分の子育てが正解だったのか失敗だったのか。
3連休の終わりに聞いていってください。 

俺は転勤の多い職。1,2年に1度はする。 
単身赴任はせず、家族みんなで引っ越ししてきた。 
子供は息子が一人 

転勤族にしてしまった息子には友達がほとんどできなかった。 
いじめられていたわけではなかったけど、
行く先々で友達ができては引っ越しの繰り返しで
交友関係がリセットされてきた。 
今でこそSNSで物理的に離れても繋がる関係はあるけど、当時はない。 
一度だけ、強く引っ越しに反対したことがあった。



小学3年のとき。
初めて親友と呼べるくらいに仲良くなって、
うちにも何度か遊びに来てくれた友達がいた時。
それでも引っ越しはした。 
その後、息子は自分から友達を作るのをやめた。 
息子は成長して高校、大学へ行ったが、友人関係はすべて淡白だった。 
部活もサークルもやらなかったし、
休日に友人と街中に遊びに行くこともなかった。 
俺の知ってる限りでは女の子との付き合いもない。 
学校以外では基本は家にいて本を読んでいた。 

大学を卒業して息子はニートになった。 
就活の際、大学は地元国立大なので、
毎回書類審査と筆記はパスしているけど、
面接に行くと毎回落とされてきた模様。 
それでも地道に努力はして、昨年25歳で、地方公務員の内定がでた。 

だけど就職と同時に息子は家を出た。 
俺と妻の知らない間にバイトして金を貯めていたらしい。 
引越し先は教えてくれなかった。

722: 721 2014/07/21(月) 20:19:12.06
引っ越しが終わって「あなた達との縁はこれまでです。」
と突然の敬語調に俺らオドオドしてた。 

息子は口下手なので、この日のために書いたであろう
手紙を朗読して渡してくれた。 
言い分をまとめると 

・ろくな人生じゃなかった、ろくな青春じゃなかった 

・友達はいない、彼女もいない、職もつくのに苦労した。
全ては人とまともに話せないせい 

・それはなぜ?転勤族で交友関係をうまく築けなかったから。
自分は人との話し方、人との距離のとり方、
友達同士のノリ、それら全てを知らない。知る機会さえあなた達に奪われた 

・高校、大学って一人でいて、あなた達にはそれが居心地良さそうに
写ったかもしれないけれど、そういった友達の存在を
思春期の子供が諦めていたと思う?
それでも友達を作る勇気がなかったんだよ?
長く友達がいなかったせいで、人とまともに話せなかったんだよ? 

・生きていたら理不尽なことはいくらでもやってくる、
自分より不遇な人だって世の中にはいる、それは理解できる。
それでも子供の気持ちを蔑ろにして引っ越すことが親のすること? 

・あなた達にも親の都合というものがあったんだろうし、
今自分が言っていることは(自分がこんな性格になってしまったことを)
あなた達のせいにして逃げているだけの責任転嫁にすぎない、
それもわかっている。 

・だからもう、誰とも関わりたくない、親であるあなた達とも。
これから先は仕事先の人間関係だけで十分。
就職先に公務員を選んだのも、人間関係が限定されるから。 

・今この瞬間から他人同士。さようなら。 

・なお、今日までに自分にかかった養育費・教育費は今すぐにとはいえませんが、
相当額が貯まり次第振り込みますので、お待ちください。 

こんな感じに多少要約したけど、ほぼ同じことを言いました。

723: 721 2014/07/21(月) 20:20:52.86
携帯も解約されていたし、残った息子の部屋もアルバムや
学校で使用したノートなど、生活感のあるものは全てなくなっていた。 
息子が持っていった可能性もあるけど、捨てたり燃やしたりしたんだと思う。
もうこの家で過ごした過去とかどうでもいいって感じだった。 
うちらの寝室にも家族アルバムがあるんだけど、
息子の写っている写真だけごっそり抜かれていた。 

息子が出て行って4ヶ月は過ぎたけど、
本当に息子がはじめから存在しなかったかのような虚無感に襲われている。
25年の子育ては間違っていたのかな 
住民票をたどったり、息子の職場に問い合わせれば会えるんだろうけど、
そっとしておいてあげるのが一番だと思うのでしない 

以上で私の話は終わりです。
酒の肴にでもしてください。 

結局息子と一緒に酒を飲むこともなかったな~と今は悲しく一人酒です。 
妻はあの日以降、抜け殻状態。
鬱になってるかもしれない。今度病院に連れて行く。

724: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/21(月) 20:32:57.48
仕方がない 
引っ越ししまくらなければ、生活を維持できなかったんだろ? 
妻子を喰わせるためにはそれしか方法がなかったんだろ? 

であれば、子供もいずれはわかってくれる。 
もし、お前の身勝手な都合で妻子を
振り回していたのであれば、復讐されても仕方がない。 

ちなみに俺も親の都合で小中学校6校通ったけどな 
それでも友人はできたし、人付き合いは幅広いと思っている 
というか、転校生というレッテルを剥がして、
早くみんなの仲間に入るためにはどうすればいいかを学んだ 
今は人前で話す仕事をしている

725: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/21(月) 20:35:09.77
息子の人生だから好きにさせればいいよ 
それより嫁さんのケアをキチンとしなよ 
これから先一緒に生きて行くのは嫁となんだからさ

726: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/21(月) 21:54:23.39
誰かを敵にすると生きやすい時期、環境はある。 
息子の敵になってやるしかないような気もするな。
組織に属して働いていれば親父のこともわかる日がくるだろう。
あと地方公務員はもろに人相手の職業 
だから早いうちにSOSがくるかもしれないんで、
心の準備はしておいたほうがいい。 

嫁さんのケアはどうすればいいか 
考えが及ばない。 
ヘタすると、息子を家族から疎外した敵と認定されかねない。 
どうすればいいんだろね。

732: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 00:09:34.57
自分達の事ばかりで、本当は子供のこと見ていなかったんだろ。 
子育てを間違えたんじゃなくて、子育てをしていなかったんだよ。

733: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 00:40:32.43
結果として子育ては失敗だったと思うよ、でも気にすんな 
俺も18歳で家を出てから、
父親とは20年以上会ってないし今後会うこともないと思う 
そういう話なんて山ほどあるよ。

734: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 00:47:02.42
親に失敗って言われる子供は可哀想だな

735: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 00:48:52.73
>>734 
確かに犯罪犯したわけでもないし立派に働いてるなら失敗ではないな

736: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 01:36:37.57
まー引越ししなかったとしてどうなったかはわからんよな

737: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 01:55:53.96
> 高校、大学って一人でいて、
>あなた達にはそれが居心地良さそうに写ったかもしれないけれど 
> そういった友達の存在を思春期の子供が諦めていたと思う? 


子供の寂しそうな顔を『無視』してきたから、
今度は親が無視される番だ、ってか 


親自身が、人に関わる「方法」を子供にやってなかったことは明白 
集団内で顔見知りの奴で、
浮かない顔をしてたら「どうした?」と声掛けすることで、 

「私はあなたを気にかけてますよ」というメッセージとして
初めて伝わるんだけど、 


「何にも言わなくったって、ただ自然と通じるモノがある、
それが親子、それが情愛」 

なーんて、両親が美辞麗句をお題目に、
思考停止状態で終わってたんだろ 

愛情を、子供に伝わる言語として表現してこなかったこと、
それが子供に捨てられた原因 


仕方ない

738: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 02:04:40.08
子供時代に、わき腹が痛くなるほど
仲間と笑い倒した体験がないんだろうな息子さん 
なんて寂しい

739: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 05:12:52.87
最大の過ちは子どもの内面に無関心だったことだと思う 
引っ越しの物理的な距離よりも親子の間の精神的な距離感が
彼の心を固く閉ざしてしまったんだろう 

まあなんだ、その、お疲れさま

740: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 07:38:43.36
知人に似たような転勤必至の職場の人間で、
常に家族全員で動いてる家族がいる 
だが、小学高学年になってくると受験や人間関係などの問題から、
単身赴任が増えてくるのは事実 

なぜ、単身赴任を選ばなかったのか 
子供や嫁側から転校は嫌だと訴えはなかったのか 

転校を繰り返す子の特徴としては、
誰とでも仲良く振る舞えるが、自己主張が薄い 
愛想はよいが何を考えているかわからないなどの傾向があるように思う。
子供への影響は大きい

743: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 07:50:48.12
同じように転勤族の子でも、ちゃんと友達ができる子もいるよ 
親を恨むタイプの子だったっていうだけ 

こういう子は引っ越ししてなくたってどうせ友達とうまくいかない

745: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 07:59:56.11
>>743 
だから子供のタイプによる 
転勤しても平気で次の学校にすぐ馴染み、
また次の転校きまってもあっさり適応できる子もいる 

しかしそうじゃない子もいる。傷つく子は傷つく 
大人が転職して次の職場に馴染むのに時間がかかり 
それを繰り返すことはストレスになる人間もいるように 
繰り返す転校に疲れ、傷つくことだけではなく、
その環境をしいられることはしんどいだろうと思う

744: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 07:52:59.13
母親は何してたんだろ 
ってサラッと読んだ俺でも思うから本人マジで病んでもしゃーないな 
父親も家族会議やら相談やら許可とるやらしなかったんかな 

愛してるなんていわなくても通じてるだろって
亭主関白気取って退職金入った途端妻から熟年離婚される感じだな 
まあこの場合は巣立った独立息子は置いといて
共犯(妻)がいるからまだ支え合えていいんじゃね?

748: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 11:38:18.09
人それぞれ、ってのは間違いないと思う。 
転勤族の子でも友人関係が多い子供はいないことはない。 
転勤の頻度とか時期とかにもよるしな。 

でもそれよりも何よりも全ての大きな原因は 
>>737の言うように両親の子供への接し方だと思う。

746: 名無しさん@お腹いっぱい。 2014/07/22(火) 08:10:28.08
もう人それぞれとしか言いようがないよな 
ずっと狭い人間関係の中にいてそれが原因で病む子供も居る 

引用http://kijosoku.com/archives/39556516.html

1:
 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:00:44.75 ID:ghWH+9hMI.net
別れたい 
まだ就職して3ヶ月目に突入した今年新卒の者です 
小遣い昼飯代込みで2万円 

毎日嫁に仕事で帰りが遅いだの稼ぎが悪いだの
罵倒されて心労が溜まります 
別れたいけど妊娠してるから出来ない現状 
嫁は働けなくなったら休職する予定なので
小遣いが1万円にすると言われてます 



結婚式や指輪や新居費用のため貯金はありません 
友人からの誘いも断っています 
結婚した人いましたら解決策ありませんか? 
もう小遣い2万円では厳しいです



8: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:04:10.19 ID:SmcP20e20.net
ざまあああああああああ 

結婚なんてするからだよ 
女なんて遊びの女としてキープするだけのもの

25: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:13:34.02 ID:ghWH+9hMI.net
>>8 
妊娠させたのが失敗だった 
過去に戻れるなら当時の俺を殴って止めたいわ

9: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:04:16.36 ID:wvVsydRR0.net
しっかし30稼いでも小遣い3万程度とかやってられんな

25: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:13:34.02 ID:ghWH+9hMI.net
>>9 
それでも3万とか辛すぎ

11: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:04:44.86 ID:ghWH+9hMI.net
もう生きてる事すら辛い 
酒も一日一本の安い発泡酒

13: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:06:00.63 ID:pjN159qO0.net
どうしようもないじゃん 
なぜ妊娠させたし

25: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:13:34.02 ID:ghWH+9hMI.net
>>13 
安全日だしピル飲んでるから大丈夫って言われて出しちまった 
アホでした

28: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:15:12.12 ID:SmcP20e20.net
>>25 
それが本当なら詐欺とかにはならんの?
ピルとか飲んでなかったわけだろ実際は

42: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:24:05.06 ID:ghWH+9hMI.net
>>28 
なるの? 
訴えたら離婚できる? 
出来るなら弁護士に相談します

15: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:06:15.37 ID:JqdiCVOb0.net
そんなに給料きついの?まだ産休入る前で

25: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:13:34.02 ID:ghWH+9hMI.net
>>15 
残業して25万円

19: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:08:14.44 ID:57MkZmxp0.net
新卒で妊娠させちゃってとまあ・・・・・ 
でも結婚できるってことはあれだよあれ 
人生の勝ち組ってことだよリア充

32: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:15:52.13 ID:ghWH+9hMI.net
>>19 
でもさ遊びにも行けないんだよ 
飲みにすら小遣いで参加とか辛い

21: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:09:27.43 ID:Po5OKvAA0.net
もっと稼げばいいのでは

32: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:15:52.13 ID:ghWH+9hMI.net
>>21 
そんな仕事あったら転職したいけど
まだブラックじゃないだけマシだと思う

22: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:11:00.94 ID:dIombD0w0.net
妊娠してても働かせればいい

23: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:11:10.22 ID:rQWJcm6e0.net
欲に負けてヤッて人生潰したのか 
悲惨だな

26: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:13:35.20 ID:KPDTadaM0.net
散々2chで結婚後悔するレス見てきてなんで結婚するのか…

42: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:24:05.06 ID:ghWH+9hMI.net
>>26 
結婚する気なんてなかった 
妊娠したから仕方なく結婚

29: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:15:15.86 ID:TNj91E820.net
おこずかいは父親が嫁や子供に手渡しするものだよ 
それによって父親の威厳が保たれる 
とか誰かが言ってた

42: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:24:05.06 ID:ghWH+9hMI.net
>>29 
嫁に全額没収されて2万円だけ渡されます

30: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:15:35.79 ID:B6gJ7g7s0.net
嫁は何に金使ってるの?

42: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:24:05.06 ID:ghWH+9hMI.net
>>30 
化粧品とかじゃないかな? 
後は貯金かな? 
嫁の金については本当に分からない

44: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:26:15.80 ID:B6gJ7g7s0.net
>>42 
金に関しては一回話し合えよ

52: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:32:47.30 ID:ghWH+9hMI.net
>>44 
話し合って5万円にしてくれと土下座したけど2万円で我慢しろって

33: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:16:01.46 ID:7zewGrly0.net
男なら結婚なんて30過ぎからで十分 
20から結婚するとかアホかよ

43: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:26:01.20 ID:ghWH+9hMI.net
>>33 
俺もそれくらいがよかったなー

35: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:17:11.68 ID:9D1RcfnI0.net
独身ニート最強伝説

36: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:18:30.64 ID:sIN+GSCf0.net
嫁ぶん殴って小遣い上げさせろ

48: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:29:05.26 ID:ghWH+9hMI.net
>>36 
DVですか? 
女に手を上げたことないので無理

39: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:20:42.26 ID:bfV2UG4i0.net
結婚なんてするもんじゃねーな本当

40: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:21:17.37 ID:v9zr8eCf0.net
遊びいけないのは我慢しろ 
金は話し合え 

結婚資金は少しずつでいいだろうが

48: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:29:05.26 ID:ghWH+9hMI.net
>>40 
将来家を買う為や子供のために
貯金するんだから我慢しろって言われる

41: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:23:35.56 ID:dvVpnTbm0.net
離婚したくなるぐらい嫌われる行動したらいいだけだろ 
浮気だの不利になるのは不可だが
言われたらいつでも強気に言い返せ 
毎日でも喧嘩しろ!弱気になって反論出来ないお前が悪い 

45: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:27:04.21 ID:qFjrK+rU0.net
嫁に全額渡すとかアホとしか

52: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:32:47.30 ID:ghWH+9hMI.net
>>45 
そうか 
俺もそう言ったけど結婚したら
お金は夫婦のものだから管理は私がするって聞き入れない

47: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:28:30.85 ID:a1UpVwgb0.net
おまえはおれか

49: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:30:26.49 ID:dvVpnTbm0.net
全額没収ってなんなの?馬鹿なの? 
渡さなければいいだけだろ 
馬鹿なの?

56: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:36:46.25 ID:ghWH+9hMI.net
>>49 
渡さないと喧嘩になるし家計の管理を
全て嫁にやってもらってるから難しい 
家計簿なんて俺は面倒くさくてやらないところを嫁がきっちりやってる

50: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:32:15.80 ID:j8tYDH4e0.net
自分の給料は好きに使ってるパターンじゃねぇの

56: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:36:46.25 ID:ghWH+9hMI.net
>>50 
そうだったらムカつくね

51: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:32:43.52 ID:v9zr8eCf0.net
本当に結婚資金とか新居費用貯めるんならまじで話し合え 
嫌だって言うなら家計簿つけさせるか
管理してる通帳を見えるところに置くように義務付けろ 
お前このままだとATM確実だろ

56: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:36:46.25 ID:ghWH+9hMI.net
>>51 
家計簿と通帳は嫁が管理してる 
鍵付きの金庫に入ってる 
俺は鍵持ってないけど

66: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:41:33.05 ID:v9zr8eCf0.net
>>56 
管理を全部任せるからこうなる 
ただ通帳は金庫で分かるがなんで家計簿まで金庫なんだよ 
付けてない雰囲気めっちゃするんだが

82: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:48:59.74 ID:ghWH+9hMI.net
>>66 
一度つけてたの見たから一応つけてると思う

53: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:33:14.01 ID:OJkHAONr0.net
2万プラスお昼ご飯、飲み会代にすればいいよ 
管理させてやんなよ

63: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:39:20.67 ID:ghWH+9hMI.net
>>53 
4万か 
それでも増えるなら嬉しい 
飲み会すら気軽に参加出来ないとか辛い

54: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:33:21.78 ID:1xnTMeKV0.net
若いんだから嫁も働けよ

63: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:39:20.67 ID:ghWH+9hMI.net
>>54 
嫁もまだ働いてます 
働けない状態になったら休職するみたいです

55: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:35:43.22 ID:qFjrK+rU0.net
結婚すればお金は夫婦のもの←うん 
だから私が管理する←は?

57: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:37:41.22 ID:Xrob2a3bO.net
バカめ、結婚なんてするからだろが 

嫁はお前をATMとしか見とらんのだろ

72: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:44:24.30 ID:ghWH+9hMI.net
>>57 
それってどうやったら分かるのかな?

58: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:37:52.65 ID:Po5OKvAA0.net
金の流れ見えないのはあかんなあ

72: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:44:24.30 ID:ghWH+9hMI.net
>>58 
確かに 
ちゃんと確かめた方がいいよな

59: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:38:00.85 ID:rQWJcm6e0.net
旦那の小遣いが2万なのに 
2千円のランチを友達と食べにいく嫁をどう思う?

72: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:44:24.30 ID:ghWH+9hMI.net
>>59 
嫁のお金ならいいよ

61: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:39:10.50 ID:6OOwxK1V0.net
2万で昼飯込みって一回飲み会行ったらなんもできないじゃん

72: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:44:24.30 ID:ghWH+9hMI.net
>>61 
それが現実ですよ

62: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:39:11.66 ID:j8tYDH4e0.net
家計簿と通帳見せろって言えばいいじゃん 
拒否したら黒だろ

73: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:44:53.31 ID:dvVpnTbm0.net
>>62 
ほんこれ 
小遣いよこせ→金ないでしょ→見せろでフルコンじゃん 
見せないとかなったらそれこそ離婚理由になるだろ 

67: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:41:36.83 ID:mQW/Wa1i0.net
自分で稼いだ金くらい自分で管理しろよ 
何に月いくらかかるかくらい請求書見れば分かるだろ

82: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:48:59.74 ID:ghWH+9hMI.net
>>67 
大学生1年の頃にギャンブルにハマったから信用されてないんだよ 
もう完全にやめたんだけど

69: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:42:01.38 ID:6OOwxK1V0.net
なぜ共働きでそんな徹底管理されてんの?

82: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:48:59.74 ID:ghWH+9hMI.net
>>69 
将来のためらしい

75: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:45:29.64 ID:nqgRdRAyO.net
我を通せないくせに無計画ってどうしようもないな 
嫁さん自体は悪い人じゃなさそうだしなんとか踏ん張れよ

92: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:57:47.89 ID:ghWH+9hMI.net
>>75 
いい奴だし 
甘えてくるところも可愛いんだけど金の節制がヤバイ

76: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:45:41.61 ID:J0WavfXY0.net
飲み会嫌いだから口実出来ていいなと思ってしまった 
小遣い少なくて行けないですって断れるじゃん

80: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:48:08.66 ID:6OOwxK1V0.net
>>76 
別に小遣いが倍になっても同じ言い訳して断ればいいんだぞ

92: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:57:47.89 ID:ghWH+9hMI.net
>>76 
お酒大好きです

77: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:46:17.06 ID:W3rhRa9P0.net
嫁も働いてて2万なら文句言うなよ

78: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:47:28.10 ID:EOKN5+3k0.net
>>1だけ働いてるならまだしも共働きで小遣い2万は有り得ん 

だけど 
>結婚式や指輪や新居費用のため貯金はありません 

これは式も新居移転もまだしてないって事なら仕方ない 
これさえ乗り切れば多少は増やしてもらえるだろ 
ってかお互いの稼ぎ公開して話し合うべきだけどな

92: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:57:47.89 ID:ghWH+9hMI.net
>>78 
すいません書き方悪かった 
既に結婚式も指輪も一人暮らしのアパートから
広いアパートに引越し済みです 

お金は二人が学生の時にバイトで貯めていた貯金と
二人の両親が小さい頃に積み立てられた貯金 
足りない分は二人の両親が払ってくれた 

ので既に俺たち夫婦は貯金はなくなったのです 
今は家を買う為と子供の為にと貯金してます

79: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:47:32.62 ID:J0WavfXY0.net
小遣い2万もきちんと理由があるかもしれんしな 
将来のこと考えて貯蓄するとなると
ほんとにその額しか出せないのかもしれないし 
仮にそうだとしたらそれに文句いうのは筋違いだろ、
お前の稼ぎが少ないんだから

83: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:49:52.23 ID:Go3YTjdP0.net
共働きで2万貰えてるだけマシというか 
せめて通帳や家計簿なんかはお前も見れるように話し合え 
嫁は母親になってるのにお前が父親の自覚もなく
学生気分が抜けてないだけだろ

93: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:03:04.38 ID:ghWH+9hMI.net
>>83 
話し合ってみる 
まだ父親になる自覚ないですね 
親ってどうすればいいか分からない

85: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:50:42.83 ID:J0WavfXY0.net
なんとなく>>1がダメな奴な気がしてきた 
奥さんがしっかりしてて計画性を持って管理してるんじゃないかと

93: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:03:04.38 ID:ghWH+9hMI.net
>>85 
ダメじゃないよ 
大学1年の頃にギャンブルにハマっただけ 
それがダメなやつなのか? 
もうやめたんだよ

89: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:53:27.55 ID:6OOwxK1V0.net
家計簿や通帳見せてもらってないのか 
そういうのは最初にしっかり話し合えよ

93: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:03:04.38 ID:ghWH+9hMI.net
>>89 
見せてもらってないな 
どうせ俺が管理させてくれる気がしないし

91: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:54:49.99 ID:PEeb60AQO.net
手取り25万か額面25万かによる 
前者ならまだ余地あるが後者なら諦メロン 
出産のための準備とか出費も多いはずだし

93: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:03:04.38 ID:ghWH+9hMI.net
>>91 
手取りです

94: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:04:08.05 ID:bSfHjP490.net
嫁と二人満足な生活出来る稼ぎも無いくせにガキ作るとか猿かよ

95: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:05:01.53 ID:ghWH+9hMI.net
>>94 
妊娠するとは思わなかったんだよ

96: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:06:31.15 ID:nSMEAkfa0.net
手取り25 
旦那お小遣い2 電気ガス水道2 食費5 
雑費4 アパート代9 計22万 
カツカツじゃねえか

99: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:11:26.20 ID:ghWH+9hMI.net
>>96 
アパート代は5万円です 
あとはよく分からない 
小遣い2万円で俺自身カツカツです

97: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:07:59.92 ID:teLdPUIx0.net
なぜ強く出ないのか

102: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:13:07.86 ID:ghWH+9hMI.net
>>97 
強くでてもいつも言い負かされる

98: 基地害人 ◆ubQ8rRGBRc 2014/06/11(水) 06:11:13.88 ID:sytYD6QH0.net
25万で二人暮らしならそんなもんだろ 
何言ってんの

102: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:13:07.86 ID:ghWH+9hMI.net
>>98 
嘘? 
大学の先輩は手取り23万円と少ないけど
5万円が小遣いだって言ってたし

100: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:12:33.87 ID:yoo2xaeZ0.net
できた嫁

104: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:16:37.26 ID:ghWH+9hMI.net
>>100 
家事は完璧だし容姿もスタイルも最高だけど 
節約がヤバイ 
無駄にお金を持つのを嫌う

101: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:12:56.18 ID:gyd7hyMr0.net
手取り25万って多いな 
完璧にATMとしてか見られてないよな 

好きとか嫌い、以前に金を管理されるっていうのが意味がわからないわ 
もし何かあった時に金を使えない訳だ 
嫁さんに金持って逃げられたら、終わる訳だ

104: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:16:37.26 ID:ghWH+9hMI.net
>>101 
ギャンブルにハマった経歴があるから
お金を預けるのが嫌みたいなんだよ 
やめたのにまだ根にもってる

106: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:16:54.72 ID:NN8NPRNa0.net
土下座するからいけない 
強く出ないから女は調子にのる 
2万にするならせめて昼飯作らせろ

113: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:23:24.44 ID:ghWH+9hMI.net
>>106 
昼飯は俺が断った 
俺は冷たい弁当が非常に嫌いなんだよ 
だからいつも昼飯は暖かいものを食べてる 
ジャーを勧められて試したけど時間が経つと弁当はダメだわ

107: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:18:02.09 ID:gyd7hyMr0.net
似たような人がいたんだが、
ローン払うために車も乗れずチャリで通勤 
飲み物は水、たまに買いだめしてあるイオンコーヒー 
飯は嫁の冷凍食品の偽手作り弁当 
ストレスと栄養不足でハゲ化 
小遣いは1万~2万 

これって幸せなん?俺にはわからないんだが 
刑務所に入ってるのとあんまり変わらないんじゃないの

109: 基地害人 ◆ubQ8rRGBRc 2014/06/11(水) 06:20:37.02 ID:sytYD6QH0.net
収支の内訳知らんからなんとも言えんけど
よっぽどなド田舎じゃない限り手取り25でいくらか貯金しながら
二人暮らしってんなら2万でギリギリだと思うけど

110: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:20:37.01 ID:Go3YTjdP0.net
まず出産に約50万いるのは知ってるのか 
子供の服やオムツやミルクにもお金はかかるし
仕事復帰するなら保育園代も貯めてないといけない 

嫁が何ヶ月か知らんけど妊娠中期から体調も悪くなるし
後期はドクターストップで寝たきりになったりする 
嫁が辛い時期は家事も手伝って誠意を見せたら
お小遣いも上げてくれるかもしれん(実体験)

119: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:27:46.10 ID:ghWH+9hMI.net
>>110 
参考になるわ 
やっぱ我慢した方がいいのかな 
お金かかるねやっぱり

131: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:40:26.91 ID:Go3YTjdP0.net
>>119 
まあ今は我慢するべきだよ  
あと一生恨まれるから精神が不安定になってる
妊娠中は嫁に噛み付かない方がいい 

「夫婦のこれからの事なんだから嫁だけを
頼ってないで俺も出来るだけ助けになりたい」 
とか柔らかく言って金の管理は夫婦間で話し合ってオープンにしとくべき

133: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:48:54.00 ID:ghWH+9hMI.net
>>131 
試してみる

114: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:24:14.45 ID:NN8NPRNa0.net
心理学的に見ると 
母親が金没収して管理してるような家庭ってのは
高確率でクソ家庭らしいよ 

まあ父親がクソギャンブラーなら仕方ないかも
知れんがとりあえず子供が産まれる前に 
没収って観念を変えて置いた方がいい 
嫁に金を渡して自分の代わりに管理して貰ってるみたいな

125: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:32:31.09 ID:5GZHHNf50.net
結婚して金を自由に使えなくなることくらい想像出来なかったのかね 
あと遊びってなんだよ 
社畜が遊べるわけないだろ 
ましてやガキこさえちゃったならもうダメ 
そのうち虐待で殺しそうだし今のうちに離婚が正解

132: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:40:38.37 ID:ghWH+9hMI.net
>>125 
遊びたいわ 
社畜でもお金があれば出掛けたい

127: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:36:44.10 ID:gyd7hyMr0.net
本当にその状態なら絶対家庭崩壊するよ 
子供生まれてから、もっと嫁さん面倒くさくなる 
何が不幸って、子供が不幸になってしまうこと

134: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:48:58.42 ID:T0lbRFLD0.net
授業料だと思って慰謝料払って別れろ

135: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:50:05.83 ID:tr3isPxj0.net
>>134 
慰謝料だけじゃすまないだろう 妊娠してるんだから

136: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 06:50:09.52 ID:YrgjCfF70.net
学生から付き合ってて大学卒業して
すぐに結婚したカップル3組いたけど旦那は皆くそ真面目系だった 
若いうちは遊びたいとか普通に思うような奴には
20そこそこで結婚は荷が重すぎだろ

145: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 07:15:48.71 ID:EOKN5+3k0.net
管理能力が高い方が管理するのが当然 
この場合、ギャンブル熱は再発しないとも
限らないし当面は嫁が管理するべき 
今は余り無いけど会社の付き合いでパチ寄るなんて事も有り得る

153: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 07:53:54.89 ID:8sXx1UgS0.net
小遣いあげてほしいならもっと給料もらってこいよw 
少ない給料で子供の為に金貯めてんだろ 
なのに遊びたいとかガキ作ってんじゃねえよゴミ 
子供が可哀想だ

157: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 08:00:39.54 ID:ghWH+9hMI.net
何でこんなに叩かれるんだよ

161: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 08:04:37.80 ID:HL4HhpLD0.net
レス見たけどギャンブル云々は財布に
ぎりたいから弱みついただけだろ 
相手が稼げるやつで妊娠すらしてなかったら
もうちょい活路あったけど八方塞がりだなあきらめろん

162: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 08:18:53.72 ID:wsW3CAnbi.net
来年にはDVパパデビューだなw 
スッキリしとけw

166: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 08:30:52.30 ID:ghWH+9hMI.net
>>162 
DVするくらいなら全てを捨てて家を出るわ

179: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 09:53:59.72 ID:mLKIQOsp0.net
>>166 
子供ができると嫁との関係は更にキツくなるから覚悟しとけ 
ATMって言われる由来が良く解る 

子供の為を優先して体壊さない事考えて仕事はするべき 
あっという間に大きくなって遊ぶ年齢じゃなくなっちゃうから

174: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 08:45:50.73 ID:v1yIcGiqO.net
お袋が
「飲み会も行けないような生活をさせたら旦那は出世しない」
と言ってたわ。 

確かに親父は某自動車社メーカーの部長
→系列自販の社長までいった。

178: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 09:48:34.78 ID:cZesr4ig0.net
残念ながら嫁が正しい 
新卒の癖にガキ作った>>1が悪いわ

181: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 09:54:26.13 ID:D2Zg9Aoc0.net
収入ないならガキ作るな 
相手も働いてるなら自分の稼ぎくらい自由に使えるだろ 

それがダメだっていうならこの先も
ずっと相手の言いなりATMですおめでとう、どうかお幸せに

71: 以下、VIPがお送りします 2014/06/11(水) 05:43:28.11 ID:J0WavfXY0.net
小遣い2万でも、この人となら一緒にいたい 
それだけで幸せって思えないような人と結婚するのが駄目だわ 
ホント頭悪いなって思う 

昔から知ってる友人が全然タイプじゃないだろうなって人と結婚したけど 
結婚前にすげー迷ってて、
迷うようなら結婚しなきゃいいのにって思ってたわ 

俺決めたわとか言っちゃってさ、
俺の人生じゃないから下手なこと言えないし黙ってたけど 
止めとけって言いたかったわ 
案の定幸せそうじゃない、離婚も時間の問題  

都知事になった舛添は、いきなり韓国とオリンピック相互共助の関係に出ました。 
これは新聞沙汰にもなりましたね。 

詳しく言いますと、報道されたのはいきなり「舛添が韓国に日本の地下鉄技術を提供する」という報道だったのですが、これには付随するものがいろいろあり。 

なんで韓国なんかに日本の大事な技術を、日本の職人さんたちが苦労して築き上げた技術を、なんで強烈な反日の韓国なんかに提供するんだ。と、都庁の該当部署に問合わせました。 

担当者の答えは、韓国はソウルオリンピックを成功させている(聖火でハトを何十匹も丸焼きにしてね)その成功のノウハウをソウルから提供してもらう、その見返りに、日本の地下鉄技術を韓国を提供するのだ。という事でした。 

はっきり言って、韓国なんかソウルオリンピックだけで、ノウハウを持てるほどオリンピックを経験してるわけじゃありません。 

ましてやオリンピック日本承知を散々妨害してきたのが韓国です。

地下鉄技術を提供したからといって、素直にそのノウハウとやらを提供してくれると思いますか?

一度しかオリンピック経験が無い国が、ノウハウを持っていると思いますか?


僕は聞きました、「なんで韓国なんですか?」 
担当者「東京と姉妹都市だから」 
僕「ソウル以外に東京と姉妹都市でオリンピック経験をしてる都市なんてあるんじゃないですか?」 
担当者「あります」 
僕「じゃあ何故オリンピックを経験した姉妹都市が他にもあるのにあえて韓国なんですか?」 
担当者「それはわかりません」 
僕「まさか、韓国とオリンピックを共催するなんて事はないでしょうね?」
担当者「そういった事は一切決まっておりません」


あぼーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんんんんんんんんん 




舛添は反日議員で確定でしょうな。 






というわけで、舛添下ろしが始まっております。 











    ======================================

       舛添東京都知事リコール活動、第二弾!
     【舛添(ますぞえ)都知事やめろ! デモin銀座】
    ======================================

~東京の財産を、勝手に韓国にばら撒く都知事は辞任しろ!~ 


8月24日(日)に、舛添要一(ますぞえよういち)東京都知事の辞任を訴えるデモを銀座で行います。
税金を使って韓国に行き、地下鉄の技術など、東京都の財産をムダにばら撒き、
都民の意志に反した韓国への土下座外交をしてくるような都知事はいりません! 

趣旨に賛同頂ける方は奮ってご参加ください。 
私達と一緒に情報の発信者となり、 
この国を食い物にする連中、舛添東京都知事のような不届き者共を打倒し、
日本の真の自立のために共に闘いましょう。 

※「まだデモに参加した事がない人」「デモに参加したいが、ためらってしまっていた人」のご参加も大歓迎です。 我々の街宣・デモ等の活動は、趣旨に賛同し、ルールを守ってくれる人なら、誰でも参加出来ます。 もちろん参加費などは一切かかりません! 

「必要なのは、あなたの勇気と往復の交通費だけ」 
勇気を出して、当会の活動に参加してみてください。一緒に声を上げましょう! 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【開催日時】8月24日(日)16時~ 17時30分 
(ボランティアスタッフ 15時45分集合)

【集合場所】坂本町公園 
東京メトロ日比谷線 東京メトロ東西線 茅場町駅 12番出口から徒歩3分
(東京都中央区日本橋兜町15-3)

【地図】こちらをクリック!⇒坂本町公園周辺

【公式ブログ】
http://ameblo.jp/sinryakusosi/entry-11902474788.html

舛添東京都知事リコール活動【8月11日、24日呼びかけ】
http://ameblo.jp/sinryakusosi/entry-11901812230.html 
【告知動画】
 (零号機様)
【生中継】未定 

【主催】日本侵略を許さない国民の会 

【現場責任者】菊川あけみ 

【協賛】 
せと弘幸BLOG『日本よ何処へ』
NPO法人 外国人犯罪追放運動
やまとこころ俳句の会
「ネット保守連合」事務局
八重桜の会
金魚亭

【このデモの目的】 
○沿道の日本国民に、税金を使って韓国に行き、地下鉄の技術など東京都の財産をムダにばら撒き、
都民の意志に反した韓国への土下座外交をする都知事の実態を周知・理解してもらい、辞職を求める行動を起こしてもらう事。

【このデモのターゲット】 
○舛添都知事が税金をムダに使い、都民の意志に反した韓国への土下座外交をしたことについての知識は今は無いが、
現実を知れば我々の思想に共感し行動してくれる日本国民。 

【協賛団体・個人募集】 
協賛して頂ける団体・個人共に募集中。

【8月19日(火)正午必着】までにメールでご連絡ください。 
協賛申込メール宛先:nissin.press001@gmail.com <日本侵略を許さない国民の会> 

【運営ボランティア募集】 
○デモのコールを担当してくれる方、経験、未経験問わず 大募集。 
○自主警備も大募集。 
【8月19日(火)正午必着】までにメールでご連絡ください。 
運営ボランティア申込メール宛先:nissin.press001@gmail.com <日本侵略を許さない国民の会> 

当日のご協力、大歓迎! 

【当会の活動の取材を希望される方へ】 
※取材を希望される方は、事前にメールでお申込下さい。 
申込の無い方の取材は、お断り致します。 
締め切りは【8月19日(火)正午必着】です。 
取材申込メール宛先:nissin.press001@gmail.com <日本侵略を許さない国民の会> 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【プラカードについて】 
今回、プラカードの文案やデザインの指定は特にございません。 
デモの主旨に沿ったプラカードを自由にご持参ください。 

【参加にあたっての諸注意】 
○デモコース途中からの参加はご遠慮ください。
(途中参加者が、デモにご賛同頂いている方か否か、判別がつかない事があります。 
警備負担軽減のためご理解をお願い致します。)

●デモ参加者へのインタビュー、取材はお断りしています。
デモ参加者の皆さんは、悪意のある報道に利用されないためにも、
集合場所、解散場所など デモに関係するインタビューは個人では絶対に受けないようお願い申し上げます。 

○当日警備、運営、撮影、生放送をする方々には、目印になるものを身につけて頂きますので、必ずお受取りください。 

○撮影が入りますので、顔を写されたく無い方は、各自 サングラス・マスク等で対応してください。 

○主旨に沿ったプラカード、日章旗、旭日旗、Z旗、大歓迎! 

○拡声器の持ち込みは自由です。 

○単なるストレス解消、ガス抜きと思われるようなデモに しないため、シュプレヒコールを潰す行為は『絶対』にやめてください。 

○韓国にゴマをすり、都民の税金をムダ遣いした都知事の辞職を求めるデモですので 
我々デモ隊に妨害を加える
《税金のムダ遣い大賛成》の都民の敵どもに対しては、その限りではありません。 

○動物同伴の参加はご遠慮願います。 

○気候の厳しい夏季・冬季の街頭宣伝活動・デモ行進に、小さなお子様連れでの参加はご遠慮願います。 

○お酒を飲んでの参加は厳禁と致します。 

○デモ終了後、デモ解散地界隈での飲食店利用もおやめください。

※主催、運営の指示には必ず従ってください。 
従って頂けない場合は、デモ途中で列を外れて頂く場合がございます。
ご了承ください。 

中国では東トルキスタンの人々が弾圧されています。 
人が住んでいるにも関わらず、中国は東トルキスタンで核実験を繰り返し、19万人が虐殺されました。 

その他、急性放射線障害など健康被害者は129万人にのぼり、そのうち、死産や奇形などの胎児への影響が3万5000人以上、白血病が3700人以上、甲状腺がんは1万3000人以上に達すると発表されました。 

また、中国政府は「政治犯」として50万人もの東トルキスタン人を処刑したといわれ、妊婦に対して「計画生育」と言う名目で胎児の中絶を強制し、犠牲になった胎児は850万に上ると推計されています。 

チベットよりひどいかもしれませんね。 

最近テレビなどで放送されるウルムチなどで起こるテロ活動は、独立活動なのです。 
僕は、チベット・東トルキスタン・内モンゴルの人たちに、是非独立を勝ち取って欲しいと願っています。その手段が、例えテロだとしても。彼らには、それ以外に生きる方法が無いのだから。 


漢民族が集団でウイグル人のこどもに暴行を加える映像です。 

どうか、これを読んで下さったみなさん、ご家族・ご友人・同僚、どなたでも結構です。
この現実を話してください。この現実を広めてください。この現状を打破するには、ひとりでも多くの方が事実を知る事が大事なのです。

アザゼル

引用http://hosyusokuhou.jp/archives/36528192.html84d687d656aca4c10b76cdaea2af9a88


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以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2014/02/21(金) 15:23:25.46 ID:Lvg6H/gL0
河野太郎議員の秘書は、在日ですらない韓国生まれの韓国人 

河野太郎議員の秘書は、在日ですらない韓国生まれの韓国人。 秘書の名前は李成権(イ・ソングォン) http://www.taro.org/old/mailmagazine/index.php?mode=day&log=200405&date=23  今やパク・クネ ハンナラ党代表の側近である。

http://www.taro.org/old/mailmagazine/index.php?mode=day&log=200405&date=23

660 :壷  1/6:03/05/06 23:26
これは俺の体験の中で最も恐ろしかった話だ。 

大学1年の秋頃、俺のオカルト道の師匠はスランプに陥っていた。 
やる気がないというか、勘が冴えないというか。 
俺が「心霊スポットでも連れて行ってくださいよ~」と言っても上の空で、
たまにポケットから1円玉を4枚ほど出したかとおもうと手の甲の上で振って、 
「駄目。ケが悪い」とかぶつぶつ言っては寝転がる始末だった。 
それがある時、急に「手相を見せろ」と手を掴んできた。 
「こりゃ悪い。悪すぎて僕にはわかんない。気になるよね?ね?」 
勝手なことを言えるものだ。
「じゃ、行こう行こう」
無理やりだったが、師匠のやる気が出るのは嬉しかった。 

どこに行くとは言ってくれなかったが、俺は師匠に付いて電車に乗った。
着いたのは隣の県の中核都市の駅だった。
駅を出て、駅前のアーケード街をずんずん歩いて行った。 


661 :壷  2/6:03/05/06 23:27
商店街の一画に、『手相』という手書きの紙を台の上に乗せて座っているおじさんがいた。 
師匠は親しげに話しかけ、「僕の親戚」だという。
宗芳と名乗った手相見師は、「あれを見に来たな」と言うと不機嫌そうな顔をしていた。 
宗芳さんは地元では名の売れた人で、浅野八郎の系列ということだった。 
俺はよくわからないままとりあえず手相を見てもらったが、女難の相が出てること以外は特に悪いことも言われなかった。
金星環という人差し指と中指の間から小指まで伸びる半円が、強く出ていると言われたのが嬉しかった。
芸術家の相だそうな。
「先輩は見てもらわないんですか?」と言うと、宗芳さんは師匠を睨んで「見んでもわかる。死相がでとる」。
師匠はへへへと笑うだけだった。

夜の店じまいまできっかり待たされて、宗芳さんの家に連れて行ってもらった。大きな日本家屋だった。
手相見師は道楽らしかった。 


664 :壷  3/6:03/05/06 23:27
晩御飯のご相伴にあずかり、泊まって行けと言うので俺は風呂を借りた。 
風呂から出ると、師匠がやってきて「一緒に来い」と言う。 
敷地の裏手にあった土蔵に向かうと、宗芳さんが待っていた。 
「確かにお前には見る権利があるが、感心せんな」 
師匠は「硬いことを言うなよ」と、土蔵の中へ入って行った。 
土蔵の奥に下へ続く梯子のような階段があり、俺たちはそれを降りた。今回の師匠の目的らしい。 
俺はドキドキした。師匠の目が輝いているからだ。
こういう時はヤバイものに必ず出会う。 

思ったより長く、まるまる地下二階くらいまで降りた先には、畳敷きの地下室があった。 
黄色いランプ灯が天井に掛かっている。 
六畳ぐらいの広さに壁は土が剥き出しで、畳もすぐ下は土のようだった。 
もともとは自家製の防空壕だったとあとで教わった。 


665 :壷  4/6:03/05/06 23:28
部屋の隅に異様なものがあった。 
それは巨大な壷だった。俺の胸ほどの高さに抱えきれない横幅。 
しかも見なれた磁器や陶器でなく、縄目がついた素焼きの壷だ。 
「これって、縄文土器じゃないんスか?」 
宗芳さんが首を振った。
「いや、弥生式だな。穀物を貯蔵するための器だ」 
そんなものが何でここにあるんだ?と当然思った。 
師匠は壷に近づくと、まじまじと眺めはじめた。 
「これはあれの祖父がな、戦時中のどさくさでくすねてきたものだ」 
宗芳さんは俺でも知っている遺跡の名前をあげた。 
その時、師匠が口を開いた。 
「これが穀物を貯蔵してたって?」 
笑ってるようだ。 
黄色い灯りの下でさえ、壷は生気がないような暗い色をしていた。 
宗芳さんが唸った。 
「あれの祖父はな、この壷は人骨を納めていたという」 


666 :壷  5/6:03/05/06 23:28
「見えると言うんだ。壷の口から覗くと、死者の顔が」 
俺は震えた。
秋とはいえまだ初秋だ。肌寒さには遠いはずが、寒気に襲われた。 
「ときに壷から死者が這い上がって来るという。
 死者は部屋に満ち、土蔵に満ち、外から閂をかけると、町中に響く声で泣くのだという」 
俺は頭を殴られたような衝撃を受けた。
くらくらする。頭の中を蝿の群れが飛び回っているようだ。 
鼻をつく饐えた匂いが漂い始めた。
まずい。この壷はまずい。霊体験はこれでもかなりしてきた。その経験がいう。 
師匠は壷の口を覗き込んでいた。
「来たよ。這いあがって来てる。這いあがれ。這いあがれ」 
目が爛々と輝いている。
耳鳴りだ。蝿の群れのような。
今までにないほどの凄まじい耳鳴りがしている。 


667 :壷  6/6:03/05/06 23:30
バチンと音がして灯りが消えた。消える瞬間に、青白い燐が壷から立つのが確かに見えた。 
「いかん、外に出るぞ」
宗芳さんが慌てて言った。 
「見ろよ!こいつらは2千年経ってもまだこの中にいるんだよ!」 
宗芳さんは喚く師匠を抱えた。 
「こいつら人を食ってやがったんだ!これが僕らの原罪だ!」 
俺は腰が抜けたようだった。
「ここに来い。僕の弟子なら見ろ。覗き込め。この闇を見ろ。
 此岸の闇は底無しだ。あの世なんて救いはないのさ。
 食人の、共食いの業だ!僕はこれを見るたびに確信する! 
 人間はその本質から、生きる資格のないクソだと!」 

俺はめったやたらに梯子を上り逃げた。 
宗芳さんは師匠を引っ張り出し土蔵を締めると、「今日はもう寝て明日帰れ」と言った。 
その夜、一晩中強い風が吹き俺は耳を塞いで眠った。
その事件のあと、師匠は元気とやる気を取り戻したが、俺は複雑な気持ちになった。

567 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/22(日) 00:20:25.99 ID:Gxhfsr1T0
師匠の言葉にみんな耳を疑うように唖然としている。
ただ当の和雄だけは、自分の回りを取り囲む幽霊の群れに怯えてそれどころではないようだった。 
「お取り込み中みたいだから、かわりに言ってやろうか。おまえが次男だからだよ。
 伝統ある若宮神社は、皇學館の院生である長男の修が継ぐことが事実上決まっている。
 おまえがいずれ家から追い出されることは、自分で言っていたことだ。それまでに手に職をつけなければならない。
 そんな中、幼馴染だった楓が高校を卒業して短大に入り、随分と垢抜けて可愛くなった。 
 おいおい。いいんじゃないか。実家は旅館を経営している。なのに、跡継ぎはいない。
 婿に入れば、旅館はいずれ自分の手に入ったも同然だ。将来は安泰、嫁は可愛い。 
 母親の女将とも今まで上手く折り合いがついている。最高じゃないか。
 本命は別の女だとしても、ばれなきゃいい。外に女の一人や二人持つのも男の甲斐性だぜ。なあ、そうだろう」 
楓は目を剥いて師匠と和雄を交互に見ている。 
「おまえがこの家に頻繁に出入りするようになったのは、楓が短大生になってからだと聞いている。
 さっきわたしが覚えておいて欲しいといった期間は、九ヵ月から十ヶ月だ。 
 なんの数字だった?幽霊騒動が始まってから今までの期間だよ。
 それはおまえが邪(よこしま)な野望を抱いて、
 この『とかの』にやってくるようになった期間とぴったり重なるんだ。
 もう分かっただろう。
 オカミ神社、つまり栂野神社の宮司の霊が旅館に現れるようになったのは、
 邪心を隠して持って侵入してきた、石坂和雄という異物のことを警告するためだ。 
 これが今夜この場に彼らが現れると、わたしが確信していた第二の要因。
 その張本人が、いわば釣り餌としてここにいたことだ」 
と、いうわけで。そう言いながら師匠は大袈裟な動作で和雄を指さした。 
「複雑怪奇なこの事件、神職ならぬこのわたしに、祓えというなら祓ってやるさ。追い払うっていう手段で」 
で・て・け
ゆっくりと一音節ずつ区切って師匠はそう宣告した。
その短い言葉には、一種抗えないような響きを伴っているような気がした。 
和雄は自分に触れようとする霊体たちの手を、狭い円の中で必死で避けながら、
「助けてくれ、助けてくれ」と繰り返していたかと思うと、
「わかった。わかったから。出て行くから」と叫んだ。


569 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/22(日) 00:23:08.90 ID:Gxhfsr1T0
「たがえるなよ」 
師匠はそう口にしたかと思うと、針の結界を踏み越え、黒い影たちの手を掻い潜り、
懐からハサミを取り出して瞬時に注連縄の一部を切った。 
その切られた部分の端が垂れて地面についた瞬間、神主姿の霊たちの姿が掻き消えた。
あれほど濃密だった気配も消滅した。
そのとき、わっ、という耳鳴りが駆け抜けたような気がした。 
「円が途切れれば、閉じられた世界は終わる。
 神域を失い、一度散り散りになった霊体が別のアルゴリズムで再び凝集し、現れるまでは時間がかかるだろう。
 出て行くなら今のうちだ」 
うずくまって荒い息を吐いていた和雄が、師匠のその言葉を聞いて跳ね起きた。 
そして言葉にならない喚き声を上げながら、広間から飛び出していった。 
僕らはみんなそれを見ていることしかできなかった。ただ呆然と。悪夢から目覚めたばかりのように。
その中で師匠だけが涼しい顔をして、「一件落着だな」と笑っている。 
天井から糸で吊られ、そして一部が切られた注連縄と、針だらけの畳。その針が作り出す円に閉じ込められた人間たち。
そんな異様な大広間の光景が目の前にはある。
しかし、さっきまでそこに存在した異界は、同じ形をした少し奇妙なただの日常へと変貌していた。 
そのすべてを操った張本人は、腹が空いたのか右手で胃のあたりを押さえながら、
後ろ手をついて腰を抜かしたままの勘介さんを見つめている。
なにか訴えたげな眼差しで。 

「あ、雪だ」 
僕は窓の外を見ながらそう呟いた。 
夕方から降り続く小雨は、いつの間にか雪に変わっていた。すでに時刻は夜の十二時近くになっている。 
僕は改めて師匠にあてがわれた、一階の一番高そうな部屋にお邪魔していた。
そしてそれから、二人でとりとめもない話をしながら酒を酌み交わしている。 
とんでもない幕切れとなったこの事件も、一応の解決をみたことになった。この部屋はその褒美というわけだ。
女将は何度も師匠に頭を下げた。「本当にありがとうございます」と。 
和雄のことだけではない、様々な憑き物がとれたような表情だった。
代を重ねてもこの地域のよそ者として扱われ、そのことに慣れてしまっていた自分に、今日決別したという顔だった。
最後に「これからも誇りを持ってここで暮らしていきます」とだけ言って、女将は部屋を出て行った。 


570 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/22(日) 00:25:16.59 ID:Gxhfsr1T0
勘介さんもやってきた。
遅い夕食はあまり準備ができていなかったので、初日の昨日ほど豪勢とはいかなかったが、
その後で酒を飲み始めた僕らに、何度も手の込んだ酒の肴を作ってきては黙って置いていった。
不器用な彼なりの感謝と、あるいはお詫びの気持ちなのだろう。 
楓は姿を見せなかった。俯いたまま大広間から逃げるように出て行ったきりだ。
彼女が負った心の傷は想像するに難くない。それもいつかは時間が癒してくれるのだろうか。
ただ、あの無垢な少女が幸せになって欲しいと、それだけを僕は願った。 
一番最後に広子さんが僕らの部屋にやって来た。 
バツの悪そうな顔をしてモジモジしている。 
「和雄の女癖、知ってたんだろ」 
師匠にそう言われて、救われたような顔をした。 
「あんな街なかの喫茶店で、やましい関係の女と会ってるなんて、脇が甘すぎだっての。お坊ちゃんだね。
 どうせ知ってる人にはバレバレだったんだろ」 
どうやら和雄の女癖の悪さは密かに有名だったらしい。少なくとも広子さんのような情報通の女性たちには。
広子さんも楓にそのことを伝えようか迷っていたようだ。 
だけど、和雄もいつかは楓の良さに気づいて、心を入れ替えて真剣に付き合うようになるかも知れない。
そう思うと、若いその芽を摘んでしまうのに気が引けてしまっていたのだそうだ。 
「でもまさか、それがこんな騒動になるなんてね」 
広子さんは心なしかしゅんとショゲながらも、最後は顔のパーツを中央に寄せてニッコリ笑って見せた。 
「絶対また来てね」 
そうして手を振って部屋を出て行った。 
『こんな田舎、絶対出て行ってやる』と言っていたその口でそう言うのだ。案外ここの暮らしが好きなのかも知れない。
そして今回も、僕はほとんどなんの役にも立たなかった。
助手とは、もっと事件に飛び込んでいって綻びが見えてくるまでかき回す役目ではないのか。
なにからなにまで師匠がやってしまっている。
興信所のなけなしのバイト代では泊まれないような宿に二晩も宿泊して、なかば観光ばかりしていた気がする。
申し訳ない気持ちだ。ましてこんなクリスマスなんかに、師匠と二人でなんて。 
ハッとした。そうだ。今日は二十五日だった。忘れかけていた。 


571 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/22(日) 00:28:05.67 ID:Gxhfsr1T0
そう思って見ると、窓の外に降る雪にも、ジングルベルの響きが聞こえてくるような風情があるではないか。 
「ホワイトクリスマスですね」 
ぼそっとそう言ったが、師匠はお猪口を片手にほんのり赤い顔をしてカーテンを開け放した窓の外を見ながら、
ふん、と鼻で笑った。 
「クリスマスってのは、二十四日の日没から始まって二十五日の日没で終わるんだ。言わなかったか?」 
そうだっただろうか。じゃあ今はもうクリスマスという特別な時間ではないということか。 
なんだか妙な符合を感じた。
今夜の暮れ六つで、現世(うつしよ)と幽世(かくりよ)の境界を越えたように、
ちょうどその同じころ、クリスマスとそうでない時間との狭間を越えていたのか。 
不思議な気持ちだった。 
「そういえばあの時、カナヘビだって言ってましたよね」 
女将の子どものころの体験談を聞いた後のことだ。
あれは足があるかないかの違いだけで、蛇は別の生き物になるということを言いたかったのだろう。 
「言ったっけなあ」 
師匠はとろんとした目で窓の外に目をやっている。酔いも回り、気分が良さそうだった。 
「言いましたよ」 
僕も自分の言葉などに大した執着もなく、ただぼんやりとそう返して窓の外を見つめていた。 
静かだった。田舎の夜だ。都会ではこうはいかないだろう。 
ただ音もなく窓一面の深い闇の中に淡い雪だけが舞っている。 
しんしんと。 
しんしんと。 
遠く、近く。ただ窓を向いた顔だけが冷たい。 
僕らは窓辺のテーブルに座り、その名前のない夜の風景をいつまでも眺め続けていた。 


572 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/22(日) 00:30:08.88 ID:Gxhfsr1T0
匂いの記憶というものは不思議なものだ。 
すっかり忘れていた過去が、ふとした時に嗅いだ懐かしい匂いにいざなわれて、鮮やかに蘇ることがある。 
僕はその人のいなくなった部屋で一人台所に立ち、爽やかな匂いを放つ石鹸をただ握っている。 
すべてが輝いていたあのころの記憶が滔々と流れ、そして消えていった。
手の届かない過去のどこかの引き出しの中に仕舞われていったのだろう。 
蛇口からは水が流れ続けている。それが手の甲を滑るように流れ落ちていく。 
追憶の残滓が僕の目頭をくすぐる。しかしそこから水は流れなかった。 
『おまえ、強くなったな』 
いつか、その人はそう言った。 
病室のシーツがやけに白かった。 
『もう目が見えないんだ。時計を、見てくれないか』 
記憶の再生を、止めた。 
強くなんかなっていないですよ。 
そう答えたのだったか。 
もう忘れてしまった。 
蛇口を閉じる。水が出るまでは時間がかかるのに、止まるのは一瞬だ。 
しばらく佇んだ後、僕はもう一度石鹸を握った。蛇口を捻り、石鹸を両手で挟み直す。
水が流れ出てくるまでの間、僕は両手を擦り合わせる。その人がそうしていたように。 
そのわずかな時間。 
そっと横目でその光景を見つめていた僕には、祈りのように見えた。 
この日本に限らず、世界中のあらゆる民族に雨乞いの風習があった。その作法は様々だ。
しかしたった一つ共通していることがある。それは祈りだ。祈りがいつか大地に雨を降らせる。 
その間、人は神と、あるいは自然そのものと一体となり、通うはずのない想いを通わせる。 
雨乞いの風習があれば、そこには雨乞いを生業とする人々もいる。オカミを祀る神社の守り手たちのように。
そうした雨乞い師のことを、英語ではレインメーカーと言うそうだ。
そしてその言葉には同時に、弁舌以外なにも持たずに大金を稼ぐ弁護士を指し示す、裏の意味もある。 
僕は石鹸を擦る。 
様々なペテンと、ほんの少しの隠されたな真実を操って、短い生涯を駆けてきたその人のことを思いながら。 


573 :未 本編5  ラスト  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/22(日) 00:32:03.50 ID:Gxhfsr1T0
『雨乞いなんて、降りそうなときにするもんだ』 
帰りの電車の中で窓に頬づえをつきながら、少し笑ってそう言った。その人らしい、と思った。 
ささやかな壁に区切られた部屋の外を、車が通る音がする。カラカラと、穴のあいたようなマフラーの音を響かせて。
目を落とし、僕は石鹸を擦る。 
祈るように。 
爽やかな匂いが鼻腔に広がる。 
やがて蛇口からは…… 

559 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 23:39:52.05 ID:sWc1D+bL0
りん…… 

鳴り響く鈴の音を聞きながら、僕は思い出していた。師匠の言葉を。
長野教授との電話の後、『女将がどうしたんですか』と問い掛けた僕に師匠は言った。『犯人だよ』と。
違っていたのは字の方なのだ。
『女将』ではなく『オカミ』。
神の名前。あるいは、神社の名前。師匠が告げたのはそちらの真相なのだ。 
つまり……
「キャーッ」 
いきなり悲鳴が上がった。楓が口元を押さえて叫んでいる。 
その視線の先には、薄っすらとした人影がある。
じわじわと、その希薄な身体が輪郭を持ち始める。狩衣に烏帽子、袴。神主の姿をしている。顔はない。 
ぼやけているというよりも、青白いのっぺりとした肉がそこにあるだけのようだった。
それがなにもない空間から湧き出てくる。
その影は一つではなかった。二つ。三つ。四つ。まだいる。まだ。 
「うわぁ」と和雄も叫ぶ。女将も広子さんも叫んでいる。
勘介さんも腰を抜かしたようにへたり込んで、泡を吹きそうな顔をしている。 
僕もその異常な光景にまともに息ができないでいる。心臓がバクバクと鳴っている。
それがこの世のものではないという直感と、なによりその現れ出る姿に異様な恐ろしさを感じだのだ。 
影は注連縄の内側に現れていた。邪(よこしま)なものを退けるはずの境界の、その内側に。 
近い。たった五メートル四方に切り取られた空間の中に、僕ら六人と不気味な人影たちがひしめき合っている。
逃げ場などない。 


560 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 23:42:33.52 ID:sWc1D+bL0
朝、玄関で得体の知れない存在に触られたときの感覚が蘇る。
すべての生気を吸い取られるような、二度と味わいたくない感触だった。 
悲鳴が交錯する中で、師匠が吼えた。 
「うろたえるなっ」 
その気迫にかき消されるように悲鳴が止む。 
「その場を動くな。その針は結界だ。それも即物的な。踏めば痛い、と知っている者ならば、越えることができない」
凛した声が広間に響き渡る。言葉づかいが変わっている。 
神主姿の影は注連縄の中をさまよいながら、しかし僕らの身体には触れることはなかった。
すべて針の円の外側を、音もなく揺らめくように歩いている。 
「逆に言えば、注連縄は彼らにとって結界ではない。いや、自分たちが棲まうべき『内側』なんだ。
 彼らは俗な表現で言う、悪霊なんかじゃない。ある真実を告げるために現れた、祖霊なんだ。 
 かつて神職であったものたちだ。むしろその存在は神に近いと言っていい。
 だから直接に人間に接触できないほど希薄な霊体である彼らは、神域である注連縄の内側でこそ力を得て出現する」
これが、今夜この場に彼らが現れるとわたしが確信していた第一の要因っ!師匠が叫ぶその前を、神主の霊が行き交う。
寒い。頬に風を感じる。冷え切った空気が、その動きにかき回されるように対流を起こしている。 
「さすがにこの状況が長く続くとまずい。手短に話す。彼らはオカミ神社の代々の宮司たちだ。四百年以上の昔の。
 若宮神社の当代の宮司である石坂章一氏が、いくら御祓いをしてもだめだったのは、
 流派が違うなどという生易しい理由じゃない。
 オカミ神社の宮司たちにとって、若宮神社は侵略者だ。自分たちの存在を歴史の中に消し去った張本人たちなんだ。
 怒りを増しこそすれ、祓われることなどない。
 なにより、彼らは悪意を持って現世(うつしよ)に現れているんじゃない。 
 『とかの』の宿泊客や従業員には、全く手を出していないことからもそれが分かる。
 したかったことは唯一つ、警告だ。
 悪しきもの、邪(よこしま)なものが、『とかの』に入り込んでいることに対する警告なんだ」 
僕の目の前に顔があった。
目鼻もなにもない顔が、わずか二十センチの距離で僕の顔を覗き込んでいる。ぎゅっと心臓が縮み上がる。 


561 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 23:46:13.14 ID:sWc1D+bL0
「この地方の古い地誌に、松ノ木郷にあるオカミを祀る神社の記述があった。
 名前は木編に母と書く『栂野神社』。この地のオカミ神社の正式名は栂野神社というんだ。 
 わかるか。トガノだ。この符合は偶然じゃない。
 この温泉旅館『とかの』を開いた戸叶家は、よそ者なんかじゃない。
 由緒ある栂野神社の宮司一族につながる、れっきとした家柄なんだ。
 ただ、新興の若宮神社に氏子を奪われた宮司一族は没落してしまった。やがて他の地方へと落ち延びていった。 
 そしてどういう変遷を経てか、名を変え、大阪で材木問屋を営むようになり財を成した。
 それが女将の祖父である亀吉氏の代で、凱旋を果たしたんだ。 
 もちろん旅館を開く場所に選んだのは、先祖伝来の土地であるこの山の麓。かつて栂野神社があった山だ。
 今この旅館の駐車場には、この土地を買い取り造成工事をしたときに場所を移された祠がある。 
 その御神体である石には、消えかけた文字でこう書いてあった。
 とかのの名において、神にかわり、この地を守ると。
 神社が消え、宮司一族が去った後、ずっと主人の帰りを待っていた石だ。今は役割を終えて眠っている。 
 そしてその役割は、新しい『戸叶家』に受け継がれた。
 祖父の亀吉氏は、その消された歴史を密かに伝え聞いていた。
 しかし次の代には引き継がなかった。あるいは自分の息子である二代目には伝えたのかも知れない。 
 だが三代目である千代子さんには伝承されなかった。
 それはこの地で新しい暮らしを始めた新しい世代に、そのくびきを見せたくなかったのかも知れない。 
 時は明治の神社整理を越え、若宮神社は安泰であり、
 もはや栂野神社の復興も適わないという現実がそこにはあった。
 ただその山の麓で生きていくことが先祖の霊を慰め、そしてまた先祖の霊に守られることになるのだと。
 それだけを思ったのかも知れない。
 女将、あなたが子どものころ、大雨の夜に見た大蛇は蛇じゃない。龍だ。 
 オカミ神社には、守護者たる龍を象ったものが置かれることが多い。茅で作られたものなどだ。
 そして栂野神社には木彫りの龍があった。 
 そして宮司一族が放逐され、荒廃した神社の遺構が幾度かの土砂崩れで埋まり、
 御神体の龍があの山のどこかに眠っていた。
 それがあの夜の大雨で、ついに土砂ごと枝川まで滑落し、濁流の中を流されていったんだ。 
 あなたが見たのは、手足を泥水の中に秘めた巨大な龍の胴体だった」 


563 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 23:52:42.14 ID:sWc1D+bL0
はぁっ。 
命が抜けるような深い息が吐き出された。
女将だ。顔面は蒼白になり、両手はその頬に触れるか触れないかという場所でガタガタと震えている。 
「ひょっとすると、あなたの祖父はそのとき栂野神社の復権を諦め、
 あなたの代ではこの地に溶け込んで、これからずっと暮らしていけるよう、
 真実をその胸に仕舞う覚悟をしたのかも知れない」 
師匠のその言葉に、女将は顔を覆って嗚咽を漏らし始めた。どのような感情がそこにあるのかは分からない。
しかし見ているだけの僕にも、胸を締め付けられるような感覚があった。 
「そして、その地に帰ってきた子孫たちを、守り続けてきた宮司の祖霊は、
 悪しきものの侵入に気づき、警告を発する。
 それが春先から始まる幽霊事件だ。 
 思い出して欲しい。わたしはこの場にいる全員に、それぞれの幽霊との遭遇譚を訊いた。
 その中で一人、たった一人だけ、他の人と異なる遭遇の仕方をしていた。誰だか分かるか」
気がつくと、ざわざわとした気配が僕の周囲からは離れていた。その神主の霊たちはある一箇所に集まり始めている。
「襲われているんだ。その人物だけが」 
ハッとした。 
僕……?なんだか分からないが、目の前が真っ暗になりそうだった。 
師匠が僕の表情に気づいたかのように苦笑する。 
「おまえのは、ただ通り道だったというだけだ。明け六つが始まるから、出て行こうとしたんだよ。
 その進行方向に座っていたというただの不運だ」 
そうか。そう言えば、なんというか、害意のようなものは感じなかった。
では、その人物とはもう一人しかいないじゃないか。 
「ひぃぃ」 
泣き声のような悲鳴が上がる。和雄だ。和雄が呻きながら目の前の空間を手で払う仕草をしている。 
その周囲には無数の影が蠢いている。まるで群がるように。 
「おまえだけだよ。追いかけられているのは」 
和雄の姿を見ながら、冷たい声で師匠はそう言った。 


565 :未 本編5  最後消えたので再掲  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/22(日) 00:07:58.14 ID:Gxhfsr1T0
「露天風呂で遭遇したとき、おまえは近寄ってくる幽霊からなんとか逃げ切った、と言ったな。
 なぜおまえだけそんな目に会うんだ?答えてやろうか。ええ?若宮神社のお坊ちゃん。 
 わたしも最初は、ただお前がこの栂野神社の末裔の地にとっては仇敵の子孫であり、
 招かれざる客だからだろうと思ったさ。 
 だが、新しい戸叶家は若宮神社の氏子になり、そんなくびきから解き放たれた生活を始めているんだ。
 快くは思わないだろうが、祖霊にしてもそれをぶち壊そうとまでするだろうかと考えると、
 しっくり来ないものがあった。 
 その謎が解けたのは喫茶店だよ。今日の昼に西川町での喫茶店で会ったろ。おまえはそのとき、女連れだった。
 そして困った顔で妹だと紹介をした。ここで自分たちを見たことを誰にも言わないでくれ、とも言ったな。 
 その後で、妹との喧嘩をダシに楓をデートに誘ったことを知ったわたしたちには、
 ちょうどいい目くらましになるところだった。
 だけどあの喫茶店には、バイクは一台しか止まっていなかった。 
 おまえ言ったよな。バス停が遠いから、うちの家族はみんなバイクに乗ってるって。
 喫茶店のバイクには見覚えがあった。おまえのバイクだ。じゃあ妹はどうやって来たんだ。 
 二人乗り?しかしヘルメットは、片方のハンドルに一つだけしか掛けられていなかった。
 もう一つは座席下のヘルメットホルダーか?だがおまえのバイクは、ヘルメットが二つ同時に収納できるタイプだ。
 なぜバイクを降りた後、二人がヘルメットを脱いだのに、片方だけをわざわざ座席下に仕舞うようなことをするんだ。
 どちらかはノーヘルか?いや、顔見知りの多い田舎の街なかを走るのに、そんな無駄な危険を冒すもんか。 
 ヘルメットなんて始めから一つしかなかったんだよ。
 ただおまえはあそこで待ち合わせていただけなんだ。西川町に住む女と。あの女は妹の翠じゃない。 
 顔を知らないわたしたちなら咄嗟に騙せると思ったのか。随分と楽天的だな。
 さっき、旅館に電話があったよ。楓ちゃんいますかってさ。名前を聞いたら翠と名乗ったぜ。 
 おかしいな。デートの約束の時間から二時間くらいしか経ってない。
 喫茶店でアニキと口裏合わせをしてたのが本当に翠なら、
 楓がいないだろうってことくらい知っているはずじゃないのか。 
 ありがちな話だ。シンプルに考えればいい。
 やましい関係にある女と密会しているときに、知り合いに見られた場合の言い訳、その一。
 『妹なんだ』……な?バッカみたいだろ。
 おまえ、楓にゾッコンな振りをして、なにを企んでんだ」 

535 :未 本編4   ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 00:07:04.57 ID:sWc1D+bL0
壁……
壁に死体を塗り込める話があったな。 
いやな想像が浮かんでくる。僕は頭を振って冷静さを取り戻そうとした。 
そうしていると、僕らの目の前で、閉ざされていた大広間の襖がゆっくりと開いた。 
「お待たせしました。どうぞ」 
師匠が神妙な顔をして左手を広げ、みんなを奥へと誘う。全員が広間に入ったところで師匠が襖を閉めた。 
ざわめきが起こる。 
畳敷きの大広間の真ん中には注連縄が張られていた。
およそ五メートル四方を囲む縄が、天井から糸で吊られて宙に浮いている。 
ちょうど胸元くらいの高さで、さっき二人で手分けして半紙から作った紙垂も等間隔につけられている。 
言うまでもなく、注連縄は結界の役割を果たすものだ。神域を表し、悪しきものの侵入を拒む境界。 
それを今ここで用意する意味とは一体なんだ。わざわざ若宮神社から借りてきてまで。 
「なにをしようというのです」
女将が師匠に歩み寄る。
「神式のお祓いならば、これまでもまったく効き目がございませんでしたのに」 
「黙って見ていれば、いい気になりおって」 
勘介さんが顔を赤くしながら腕組みを解く。
とうとう噴火が始まりそうだった。依頼をした女将の手前、抑えてきた癇癪がついに。 
思わず僕はしり込みをした。 
「ちょっと、お父さん」
広子さんがその前に立ちふさがる。相当に危険な雰囲気だった。 
「お静かに」 
そんなことにはお構いなく師匠は短くそう言い放つと、頭を下げて注連縄をくぐった。 
「暮れ六つが始まるまで、時間がありません。みなさん、速やかにこの中に入ってください」 
振り返りながらそう告げる。 
「まあまあ。とりあえず言うとおりにしてみようよ」 
楓が師匠と同じように頭を下げながら注連縄の内側に入り込む。
それにつられるように、他の人たちも次々と腰を屈めて中に入っていった。もちろんこの僕も。 
最後に残った勘介さんが、鼻息も荒く元の場所に仁王立ちしている。 
「クソガキが、なにをふざけたこと言ってやがる」
それを見た和雄が冗談めかして声をかけた。
「勘介さん。注連縄の中に入らないと、危険ですよ。たぶん」 


536 :未 本編4   ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 00:09:44.51 ID:sWc1D+bL0
広子さんもそれに同調して、同じことを言いながら「お父さんってば」と手招きをしている。 
「危険?」
師匠が薄ら笑いを浮かべながら口を開く。 
「危険なのは、この内側の方ですよ」 
そうして畳の上を指さした。全員が息を飲んだ気配がする。 
針だ。 
畳の上に針がつき立てられている。それも膨大な量だ。
女将に用意してもらった針をこんな形で使うとは。僕も今知って驚いた。 
「この針で囲われた空間に入ってください。跨いでもかまいません」 
よく見ると、針は円を描くように並べられている。人一人が十分に座れる大きさだ。
数えると、その円が注連縄の内側に全部で七つあった。人数分というわけか。 
「井口さんはこのまま外にいてもいいですよ。
 ただし、これから先なにが起こっても、この注連縄の中には入ってこないでください」 
師匠は針の上を跨いで円の内側に入り込んだ。
その緊張したような声色に引っ張られるように、他のみんなもそれぞれ畳に刺さった針の円に入る。
勘介さんだけは「ふん」と鼻で笑い、その場でそっぽを向いてしまった。 
六人が注連縄の中、一人が外。 
大広間の中は、これからなにが起こるのか固唾を飲んで見守る雰囲気になっている。 

「さあ、そろそろですね」 
師匠が時計を見ながらそう言う。 
それからほどなくして、遠くから鐘の音が聞こえ始めた。
澄んだ冬の空気を震わせて、遠い若宮神社から聞こえてくる時の鐘が。 
十秒ほどの間を空けて、鐘の音は休まず続く。二回目。三回目…… 
最初の三回は捨て鐘。そして次からが暮れ六つだ。 
四回目。五回目。六回目…… 
室内にいる誰もが押し黙っている。ただ微かに聞こえる鐘の音に耳を澄まして息を飲んでいた。 
七回目。八回目。九回目…… 
最後の鐘が鳴り止んで、その余韻が耳の奥にわずかに残り、幻のように反響している。 
「さて」 
師匠が口を開く。一番奥の円にいて、ただ一人こちらを向いている。他の僕たちと向かい合う格好だ。 


538 :未 本編4   ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 00:13:34.12 ID:sWc1D+bL0
「暮れ六つが鳴り終わりました。ここからは幽世(かくりよ)のうちにある時間帯です。
 そこでは人はとてもか弱い存在です。
 現世(うつしよ)のものならぬモノたちが、ほんのひと撫でするだけで、命の灯火が消えてしまうような…… 
 くれぐれもお気をつけください。
 これからなにが起こっても、決して我を無くし、この針の結界から出るようなことをしてはいけません」 
いいですね?師匠は囁くような声でそう言った。
みんな静かに聞き入っていて、素直に頷いている。
なんだか僕もぞくぞくしてきた。もったいぶるのは師匠の常だったが、今日は特に念が入っている。 
「わたしは、この温泉旅館に出るという、神主姿の幽霊の問題を解決するために呼ばれました。
 依頼を受けた時点では半信半疑でしたが、
 実際にこちらにやってきて、幽霊を見たという人の話を直に聴き取り、現地を見て回った後の印象は違いました。
 ここにはなにかがいます。確実に、この世のものではないなにかが。
 それがなんであるのかを確かめ、どうすれば出なくなるのか、その方法を探る。
 それを成し遂げるために、この二日間がありました。 
 まず第一のヒントは、神主姿であるということ。ここからすべてが始まります。
 しかし、この地域唯一の神社である若宮神社では、そんな幽霊に全く心当たりはなかった。 
 それどころか、宮司が出向いてきて御祓いを行っても、その出現が止むことはなかった。
 お寺に頼んでもそれは同様でした。
 よほど強い怨念を抱いている霊だったのでしょうか。いいえ。なにか違う気がします。 
 その神主姿の幽霊は、これまで人に危害を加えるような実害を成していません。
 訴えたいことがあるのかも判然としない状態です。
 どちらかというと、そのへんのどこにでもいる、弱々しい浮遊霊のような現れ方です。 
 しかし一年近くにわたって、同じ建物で頻繁に目撃されているというところには、
 なにか執着心というか、執念のようなものを感じます。
 ちぐはぐです。実にちぐはぐなのです」 
師匠は首を左右に振る。
そしてその場に腰を落とし、他のみんなにも座るようにとジェスチャーをした。長くなると言いたいのだろう。 
それぞれ思い思いの格好で、針の円の中に座り込む。 


539 :未 本編4   ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 00:15:09.19 ID:sWc1D+bL0
「わたしは神職や僧侶のように、霊を祓い、魔を打ち破るようなことはできません。
 しかし、あらゆる存在には因果というものがあります。
 その目に見えない因果の糸を解けば、自ずと解決への道が見えてくるものです。みなさん」 
師匠は静かな声でこちらに呼びかけてくる。 
「みなさんの中に、この『とかの』で神主の霊を見た、あるいはどんな形でも遭遇した、
 という方がいたら手を挙げてください」 
自分も手を挙げながら周囲を見ると、みんな手を挙げていた。師匠を除いて。 
おかしかったのは、注連縄の外の勘介さんまで、
畳の上に胡坐をかいたまま仏頂面で、右手をぴょこんと挙げていたことだ。
見ているだけで思わず笑ってしまいそうになる。 
「いいでしょう。広子さんと勘介さんは、どんな風に遭遇したのか、詳しくお聞きしていませんでしたね。
 ここでお話しいただけませんか」
そう言えば昨日みんなの話を聞いて回った時に、広子さんは『見てない』と言っていたことを思い出した。
なぜか嘘をついていて、本当は見たことがあったのだろうか。 
「いやあ。私のはたぶん見間違えって言うか。
 まあ、その、炊事場で一人で洗い物している時に、スーッて後ろを誰かが通った気がしたんですよね。
 あれっ、と思ってそっち見たら、出入り口のトコに一瞬だけ後ろ姿が見えたんですよ」 
それが神主が着るような服装だった気がする、と言うのだ。 
後で旅館のみんなに聞いても、誰も炊事場には近づかなかったという。
それで気味が悪くなって、しばらくはおっかなびっくり仕事をしていた。
怖いものだから、自分でもなにか見間違いだと思い込むようにしていたそうだ。 
勘介さんの方は、不機嫌さを隠そうともしないボソボソとした声だったが、
どうやら数回見ているらしいということが分かった。 
一人でいる時に、目の前を半透明の人間が通ったというケースが多かったが、
他の仲居と一緒に片付け物をしている時に、二人で同時に目撃したという話もあった。 
すぐ目の前で、誰もいないはずの柱の影から音もなく人影が現れて、廊下の奥へ消えていったというのだ。 
二人以上の人間に目撃される例は、又聞きの噂としてはあったが、
実際に体験した本人が喋ると、それとは違った臨場感があった。 
女将も何度か見たとは言っていたが、すべての体験談を聞いたわけではなかったので、続けて話してもらう。 


540 :未 本編4   ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 00:17:08.99 ID:sWc1D+bL0
「私が最初に見ましたのは、春先だったと思いますが、
 夜中に事務所で一人書き物をしておりましたところ、なにかの気配を感じまして、ふと顔を上げますと、
 目の前の壁の中に、その、人の姿を見たのです。ええ。壁の中でした」
その人影は神主のような格好をしていたと言う。
悲鳴を上げ、椅子から転げ落ちそうになって慌てて机の縁につかまると、
いつの間にかその壁の中の霊は見えなくなっていたのだそうだ。 
その後も女将は何度か神主姿の霊を目撃していた。
現れ方は様々で一様ではなかったが、共通しているのは、
なにか訴えかけられるようなものを全く感じなかった、ということだけだった。 
楓と和雄の体験談は昨日聞いたとおりだ。
楓は客室の膳を下げている時に、廊下の外に神主の霊が佇んでいるのを見ている。
和雄の方は、露天風呂に入っている時に遭遇していた。 
そしてこの僕も、今朝恐ろしい目にあったばかりだった。その時のことを思い出してしまい身震いする。 
「なるほど。みなさん、それぞれになんらかの体験をしている。
 しかし、女将と勘介さんは複数回見ていますが、他の方はみんな一度だけの遭遇です。
 少なくとも知覚しているものは。 
 一年ほど前から現れるようになった幽霊が、
 ここでずっと働いている広子さんに対して、一度だけしか姿を見せていない。
 これはかなり低い頻度です。
 出るようになったのは一年ほど前から、と聞きましたが、正確にはいつごろか分かりますか。
 これは推測ですが、女将が最初に見たという、春先ごろが最初ではないですか」 
話を振られた女将は怪訝な顔で首を傾げる。 
「あー、でもそのころかも。噂が出始めたの」と広子さんが言った。 
「ということは、いちにいさん……九ヵ月か十ヵ月というところですか。まあ一年弱という表現でもいいでしょう。
 この期間、覚えておいてください。
 さて、その個人単位で考えると遭遇頻度の低い幽霊ですが、今日、これから、この場に現れます」 
ええ? 
そんな声が上がった。僕も少し驚いた。そんなことをあっさり断言するなんて。 
しかし師匠は平然と続ける。 


541 :未 本編4   ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 00:18:13.51 ID:sWc1D+bL0
「様々な要因が重なり、その確率は極めて高いと言えます。
 そうでなくては、こうしてみなさんに集まっていただいた意味もありません。
 その出現要因はいくつもありますが、例えばまず、暮れ六つを過ぎた時間帯であるということ。 
 これは大きな問題です。それよりも早く現れたケースはこれまでありません。
 そしてそれは、暮れ六つの意味を理解した存在であるということを、同時に指し示しています。 
 次に、『噂をすれば影』という言葉があるように、
 わたしの経験上、霊体は己に興味を示し、その存在を肯定する者の前に現れやすい、という傾向があります。 
 その噂の内容は、怯えであったり、からかいであったりと様々ですが、
 今わたしたちがこうして話をしていることが、その出現を誘発しうるというということです。 
 そしてなにより、この場にわたしがいるということ。
 また、この場でわたしの次に霊感の強い、助手のこいつがいるということも要因の一つです」 
師匠の広げた手で紹介される形になり、思わず「どうも」と照れ隠しにみんなに頭を下げた。なにか変な気持ちだ。
しかし師匠は、暗に自分の霊感の強力さを自負するような言い回しをしているのに気づいた。
これだけ言ってなにも出なければ大恥を晒すことになるが、それを承知で自分を追い込んでいるのだろうか。 
「それら多くの要因の中で、非常に重要度の高いものが二つあります。
 それは今この場に揃っている、ある特別な条件です。そのために、これから間違いなく神主姿の霊は出ます。 
 約束してください。もし出現しても、けっして動かないで下さい。その針の結界の外には出ないように」 
僕は改めて針を見た。どれもかなり長い。
良く見ると、畳に刺さっているのは穴のある側だ。尖った方が上を向いている。
もしバランスを崩して針の列の上に転んだら、と思うとゾッとする。 
「では、これを見てください」 
師匠はズボンのポケットから、折り畳んだ半紙を取り出した。
広げると、そこには漢字が一文字だけ大きく書かれている。 
雨冠。その下に口が三つ横に並び、さらにその下に『龍』の文字。 
「これは昨日、裏山の谷底で見つけた石に彫られていた文字です。
 裏山には若宮神社の分社などなんらかの社の類はない、とみなさん口を揃えておっしゃいましたが、
 これはいったいなんだと思いますか」


543 :未 本編4 ラスト  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 00:24:52.02 ID:sWc1D+bL0
「あ」という声が上がった。和雄だ。なにか気づいたようだ。
「祭祀的な役割のものではなくても、山道の路傍にこうした文字を彫った石を置くことはあります。
 一里塚のような道標がそうですね。
 しかし、この見慣れない文字はどうでしょう。一体なにを表しているものなのか……」 
師匠は針の円の中に胡坐をかいたまま、半紙をひらひらと揺らす。 
そのとき、一瞬なにか聞こえた気がした。なんだろう。気のせいだろうか。 
「その謎を解くには、まず亀ヶ淵という溜め池の話をしなくてはなりません。
 みなさんご存知のように、戦国武将である高橋永熾がこの地に侵攻してきたときに、
 領土としての価値を高めるため、水瓶として造ったものです。 
 元々その場所には沼地があり、その地名が溜め池の名前になったものです。
 ところが、ここには実はもう一つの名前があります。 
 ショウガブチという名前をお聞きになったことがありますか。
 今や地元の人間ですら知らない、文献にだけ現れる古い古い読み方です。
 しかし、いつからそう呼ばれなくなったのか、推測することができます。
 もちろん、溜め池の完成というエポックメーキングのときからですよ。新しい用水路。新しい農法。
 この周辺で暮らす人々の生活を変えてしまったとき、古いものがひっそりと消えていったのです。 
 そしてそれは、高橋永熾がもたらしたもう一つのものにも当てはまります」 

りん…… 

ふいに耳にそんな音が入った。なんだ。いまの音は。
僕にだけ聞えたのだろうか。思わず周囲を見たが、特に異変めいたものは見当たらない。 
しかし、ざわざわと胸のあたりにざわめくものがあった。 
師匠は平然として説明を続け、みんなその一言ひとことに自然と耳がそらせなくなっていった。

551 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 23:13:27.86 ID:sWc1D+bL0
「高橋永熾は軍事的侵攻のさいに、以前の領土で信仰していた八幡神社をこの地にも勧請してきます。
 これは他の戦国武将にも往々にしてあったことです。 
 そうして勧請された若宮を祀る社、『若宮神社』と名づけられたそれは、この地の人々を氏子として取り込み、
 高橋永熾の野望が破れた後も残り続け、現在まで脈々と信仰が受け継がれています。 
 今日境内も拝見してきましたが、大変に立派なものだと思います。
 しかし、庇護者であった高橋家の援助が断たれたにも関わらず、これだけの社格の神社を維持できたのも、
 氏子衆の寄進、そして力添えがあってこそです。 
 今でこそ、この松ノ木郷は西川町の外れにあり、寂れた印象を持ってしまうような景観です。
 しかし当時はかなりの人口を抱えていたであろうことが、この神社の大きさからも推測できるのです。 
 だからこそ、高橋永熾は巨額を投じて、この地に溜め池を建設しようともしたのです。
 すると、ここに奇妙なことが現れてきます。
 それだけの数の氏子衆は、若宮神社がやってくるまでは、いったい何を信仰していたのでしょう」 
はっ、としたような空気が広間に満ちた。
これから事件の本題に入ることが分かったからだ。 
「その情報は、これまでまったく耳にしませんでした。
 明治初期の神社整理政策の渦中で、
 祭神も分からないような無社格の小さな社は、次々と若宮神社に統合されていきました。 
 その名前のないカミたちは、今では若宮神社の境内にある末社で眠っています。
 しかし、のちにその若宮神社を支えた氏子衆は、
 そんな取るに足りないカミたちを、こぞって信仰していたのでしょうか。 
 いいえ。違います。違うのです。
 溜め池がどうして造られたのか、もう一度その意味を考えてください。
 高橋永熾の領土的野心?百年の大計?そうした側面の前に、もっとも即物的な理由があります。 
 水です。水がなかったのです。
 日本中の村々で幾度となく起こってきた飢饉。その原因は水不足です。
 雨が降らなければ田は、畑は干上がり、作物は枯れていきます。
 水を引いていた水路も、川などのその源泉が干上がれば用を成しません。 
 今でこそ近代技術であるボーリングで、温泉が湧くような土地柄ですが、
 この松ノ木郷を懐に抱く山々は低く、
 おそらく降り注いだ雨を、ゆっくりと安定的に地表に流していく地質ではないのです。 
 土地を流れる枝川の水量は安定せず、干天が続くと水はなくなり、度々飢饉が発生したことでしょう。
 だからこそ溜め池が造られたのです。
 それほど水に困っていた人々が、神に祈らなかったはずはありません。
 そうした切実な祈りを受け止める神が、この地にいなかったはずはないのです」 


552 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 23:17:23.76 ID:sWc1D+bL0
りん…… 

また聞こえた。なんだこの音は。 
師匠はその音にまったく反応もせず、漢字が書かれた半紙をもう一度高く掲げながら声を張った。 
「雨の下に口を三つと龍を書くこの字は、『オカミ』と読みます。古いやまと言葉です。
 過去を紐解くと、万葉集にこんな歌があります」 

わが岡のオカミに言ひて落(ふ)らしめし 
雪の摧(くだ)けし其処に散りけむ

「このオカミとは水の神です。
 罔象女神(ミヅハノメ)などと並び、各地で人々の信仰を集め、重要な役割を果たしてきた水神です。 
 高(たか)オカミと呼ぶ場合は山の水を司り、闇(くら)オカミと呼ぶ場合は暗渠、
 つまり地の底や谷を流れる水を司ります。
 このオカミを祀った神社は、日本中に分布しています。
 日照りが続くときには、この神に雨を乞うのです。その際には雨を祈る、つまり祈雨の儀式が行われました。
 例えば相撲を奉じたり、神楽を舞ったりして神を喜ばせ、
 あるいは盛大に祭りを催して、村中を練り歩いたり、山に登って大きな火を焚いたり、といった様々な行事です。
 もちろん古来よりの風習である祈雨の対象は、オカミだけではありません。様々な神社が雨乞いの儀式を司りました。
 『丹貴』、つまり雨師と称され、吉野川の上流に鎮座した丹生川上社や、
 賀茂川の上流に鎮座した貴船神社を代表とする、祈雨に効ありとされた神社群が、
 朝廷の奉幣を受けてきた歴史があります。 
 平安期に編纂された『延喜式』の神名帳にも、祈雨八十五座と呼ばれる神社が記載されています。
 また、神道に限らず、密教を代表とする仏教儀礼においても、雨を請う、請雨法の秘術が長らく行われてきました。
 密教の『四筒の大法』のうち、『請雨経法』と『孔雀明王経法』は、請雨法として知られています。
 そして密教といえば、なんといっても竜王です。
 空海の招いた善女竜王などの八大竜王やその眷属たちは、雷の神であり、水の神であり、そして雨の神でもあります。
 竜王の名前を冠した山は、日本中には数え切れないほど多くあり、
 竜王が守護するそうした山は、庶民の間でも祈雨の儀式を行うための、重要な信仰対象ともなってきました。 
 そうです。山です。山は降り注いだ雨をその懐深くに溜め込み、絶え間なく平地に水をもたらすための装置です。
 竜王山に限らず、あらゆる山は、祈雨の行事における重要拠点なのです。 
 もちろん、慢性的な水不足に悩む松ノ木郷に鎮座する、この旅館の裏手の山も」


555 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 23:21:48.80 ID:sWc1D+bL0
りん…… 

その音に師匠の声が重なり、不思議な余韻となってたなびいていく。 
「かつてこの裏山には、オカミを祀る神社があったのです。わたしが谷底で見つけた石は、その遺構でしょう。 
 炎のごとく農地を焼く太陽が、曇ることなく光を降り注ぎ続ける『炎旱』の間、人々はオカミに祈りました。
 一心に、雨を懇願したのです。
 現代社会の、結婚と家の新築、そして葬式の際ぐらいしか関わりのない、
 とってつけたような神式の行事とはわけが違います。
 雨の降るや降らざるやに、その村で生きるすべての人間の命がかかっている、
 正真正銘の全身全霊をもって臨んだ『信仰』です。 
 そうであるがゆえに、その信仰の向かうところであった神社の権勢たるや、大変なものだったと推測できます。
 しかし、その雨乞儀式を司ってきたオカミ神社にも、いつしか転機が訪れます。 
 もうお分かりでしょう。高橋永熾がもたらした二つの変革の一つ。若宮神社の勧請です」 

りん…… 
りん…… 

音が大きくなっていく。静けさの中に、その音がなんとも言いようのないざわめきを運んでくるようだ。 


556 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 23:24:58.92 ID:sWc1D+bL0
「高橋永熾のもたらした二つの変革は、その実、二つにして一つのものです。
 溜め池が出来ることで日照りの恐怖は薄れ、雨乞いのための信仰は不要になりました。 
 そして松ノ木郷の人々の、信仰心の新しい受け皿が若宮神社です。
 この日本でもっとも多くの人に信仰されている、八幡神を祀った神社なのですから、
 その役に十二分にかなうものでした。
 この二つの変革は混ざり合い、効率的に古いものから新しいものへと、すべてが変わっていきました。
 その過程で忘れ去られ、消えていったものたちがあります。
 かつてこの山に存在し、人々の信仰を集めたオカミ神社の記録が、そして記憶が、
 人々の中に残っていないのは、運命だったのでしょうか」

りん…… 
りん…… 
りん…… 

師匠の言葉に反応するように、音が大きくなる。 
全員が息を飲んで注連縄を見つめている。
よく見ると四方を囲むその縄の四隅に、小さな鈴が取り付けられていた。 
その鈴が、鳴っている。 

「いえ。運命などという、生易しい言葉で語ってよいものではないのかも知れません。
 高橋永熾は、ただの善意で溜め池を造ったのではありません。統治者として必要性があったから造ったのです。 
 そして若宮神社による住民の信仰面の統一も含め、この地における新しい支配体制の確立に力を注ぎました。
 当然、古くからあるオカミ神社の存在は邪魔なだけです。 
 直接的な力をもって行なったのか、あるいは事故を装ったのか、
 真綿で首を絞めるように外堀から切り崩していったのか、それは分かりません。 
 しかし、そのオカミ神社が存続できない程度には、具体的に排除を行なったことは想像に難くありません。
 そして徹底的に、かつてそんな神社が存在したことを消し去ろうとしました。 
 高橋家は二代目でついえていますので、その目論見は完成してはいなかったかも知れません。
 しかし、現に以前ほどに雨乞いをする必要がなくなったという事実が、新旧の神社の交代を自然に推し進め、
 人々の記憶を薄れさせていったのです。
 あるいは、もしかするとわたしが想像するよりも、その交代はずっと穏やかに行なわれたのかも知れません。
 しかし歴史の闇の中に消えていく側にとって、
 己の消滅の原因が高橋家、そして若宮神社にあったことは間違いのないことです。 
 その恨みが、怨念が、山肌に染み込み、高き場所から流れる川となって、
 あるいは暗渠に流れる闇(くら)い水となって、いつかすべて流れ去っていったのでしょうか」


557 :未 本編5  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 23:31:37.00 ID:sWc1D+bL0
りん…… 
りん…… 
りん…… 
りん…… 

鈴が。注連縄が揺れている。 
空気が刺すように冷たい。吐く息が白くなっていくような気がする。
みんな顔を強張らせ、恐怖に満ちた目を周囲に泳がせている。 
「オカミ神社が若宮神社によって奪われたものは、氏子だけではありません。
 雨乞い儀式において重要な役割を果たしてきた、あるものも奪われました。 
 雨乞いの際に行われる儀式や行事には、様々な様態があります。
 例えば、仏像や御神体に水をかける行為。
 泉や池の水をすべて取り替えるという『水かえ』。
 藁束などを山頂で燃やす『雲あぶり』。 
 雨乞い面と呼ばれるような能の面を被ったり、特別な鏡を持ち出したり、大量の枡を一斉に洗う百枡洗いや、
 動物の死骸や糞尿などの不浄のものを、神の住む場所に投げ込んで、
 その怒りをもって雨を降らせるような儀式もありました。 
 その中で全国に幅広く分布するある風習が、この地でも行われていました。
 『月はいずれ鐘は沈める海の底』という芭蕉の句があります。
 これは、越前敦賀の鐘ヶ崎に沈む鐘の伝説を詠んだものです。 
 筑前鐘ヶ崎の鐘なども有名ですが、こうした沈鐘伝説の背景には、
 海の底に住む竜神が鐘を好むために、鐘を積んだ船が沈み、そして引き上げることができないという説話があります。
 このように、竜神が好む鐘を池や浅瀬に漬けることで喜ばせ、雨を降らせてもらうという儀式が、
 古来より日本中で行われてきました。
 この松ノ木郷ではその『鐘漬け』は、ある沼地で行われていたようです。 
 鐘があったのはもちろん、雨乞いを担うオカミ神社です。
 そして鐘漬けが行われてきた沼地は、鐘を漬けるための淵、
 つまり鐘ヶ淵(ショウガブチ)あるいは、湯桶読みをして鐘ヶ淵(カネガブチ)と呼ばれていました。 
 この鐘はそうやって日照りのたびに沼に漬けられたために、水に触れる下部に幾重にも重なる錆を生じました。
 和雄さん、あなたの実家の若宮神社にある鐘がそうです。あの鐘は元々オカミ神社にあったものなのです。 
 銘を削られ、奪われた雨乞いの神事の象徴はその役割を負えました。
 溜め池が完成し、鐘が漬けられることもなくなった後、カネガブチもその名前を変えました。
 近い読みをする、亀ヶ淵(カメガブチ)と。
 これは恐らく、高橋永熾による改名ではないかと思われます。
 今浜を長浜と変えた羽柴秀吉の例にもあるように、戦国武将は良くこうした地名改変を行っています。 
 亀の字をどう読もうとも、ショウとは読まないのです。違っていたのは、字の方なのですよ」

528 :未 本編4   ◆oJUBn2VTGE :2012/01/20(金) 23:52:25.86 ID:SywjC5oc0
それから僕らは二人で温泉旅館『田中屋』を皮切りに、その近くにあった他の温泉をいくつかハシゴした。 
どの温泉も入浴のみの客でもOKだった。
入浴料を払って汗を流し、新しい服に着替えてから、旅館の人をつかまえてそれとなく『とかの』の噂を訊き込んだ。
最初はあたりさわりのないことを言っていた古参ぽい従業員も、しつこく話しかけているとまんざらでもないらしく、
だんだんとくだけてきて、声をひそめながら『とかの』に関するゴシップを垂れ流しはじめた。 
やはり旅館同士の仲は相当に悪いようだ。
その中に例の幽霊騒ぎに関するものもあった。 
「呪われてるって話ですよ」

二軒目の『松ノ木温泉旅館』では、女将らしい人がそう耳打ちしてくれた。
なんでも、『とかの』の初代オーナーがあの土地を買うときに、そこに古くからあった祠を壊してしまったらしい。
その祟りだと言うのだ。
しかし、どうして神主が?
そう思って訊き返すと、「そりゃあ……」と言いかけた後、
考えてもみなかったのか「まあ、ここから出て行けってことですわね」と、適当に一人で仕舞いをつけてしまった。
眉唾物の話ではあったが、確かに旅館を建てる前のことはあまり確認していなかったことに気づいた。
そこになにか曰くがあるのだろうか。 
師匠はそんな話を面白そうに聞いている。 

温泉に浸かり過ぎて身体がふやけ始めたころ、三軒めの旅館を出てから師匠が言った。 
「よし。もう戻ろう」 
「いいんですか。この先にあと一軒あるみたいですけど」 
「わたしはもういいよ。まだ入りたいなら、先帰っとく」 
「いや、僕も帰りますよ」 
どの温泉旅館も『とかの』を良く思っていないのは間違いないようだ。
幽霊騒ぎについても、噂に尾ひれをつけようとしているのが垣間見えた。 
しかし残念ながら、その幽霊の謎について核心に迫るような証言は得られなかった。 
師匠はそれを残念がる様子もなく、ほんのり赤くなった顔で口笛を吹きながら気さくに泊り客に挨拶などしている。
僕らが旅館の前に止めてあった自転車に乗ろうとすると、ぽつりと頬に水滴が落ちた。 
いつの間にか空は曇っている。
「降りそうだな。急ごう」
師匠が空を見上げながら、手のひらを胸の前で掬うように広げてそう言う。 


529 :未 本編4   ◆oJUBn2VTGE :2012/01/20(金) 23:53:51.77 ID:SywjC5oc0
それから二人して来た道を全力で飛ばしたが、
だんだんと雨の粒が大きくなり、『とかの』に帰り着いたときにはちょっとした小雨になっていた。 
「あー、もう」 
自転車を駐車場に戻し、師匠が濡れた髪の毛をかき上げながら悪態をつく。
せっかく温泉に入って温まって来たところだというのに、もう冬の氷雨の洗礼を受けてしまった。
袖口から水滴の滴る二人で並んで歩いていると、それでもなんだか楽しい。 
「いま何時?四時過ぎか。まだ少し時間があるな」 
師匠はそう言いながら玄関ロビーに向かう。 
「時間って、なんのです?」 
「決まってるだろ。暮れ六つだよ」 
お楽しみの対決の時間だ。 
師匠はそう言ってほくそ笑む。 
暮れ六つか。僕は今朝の明け六つのときの恐ろしい出来事が自然と脳裏に蘇り、足がすくむ思いがした。 

ロビーのフロントには広子さんが立っていて、なにか帳面に書き付けているところだった。 
「あ、お帰りぃ。雨降ってた?」 
「このざまを見てのとおり」と、師匠は笑いながら両手を広げて濡れた服を見せる。 
「女将は?」
「大浴場の方だと思う。左官屋さんが来てるから」 
「そうか。お、ありがとう」 
広子さんが出してくれたタオルを受けとる。その広子さんは大袈裟な身振りで師匠に耳打ちする真似をした。 
「ねえ。うちのお父さん、かなりカリカリしてるよ。あんたたちが他の温泉に浸かりに行ったって聞いたから。
 噴火寸前って感じ」 
“聞いた”って、それを告げ口できたの一人しかいないじゃないですか。 
「こわ。必要な情報収集活動なんだけどな」と師匠。 
冗談じゃない! 
僕は首を竦めてキョロキョロとあたりを見回す。周囲には勘介さんの影は見えない。 
「そうそう。その情報収集であった収穫なんだけど、
 この旅館が建つ前に、この土地に祠(ほこら)があったんだって?」
広子さんはそれを聞いてきょとんとしていたが、やがて「あー」と思い出したような顔で頷く。 
「あのお堂のことでしょ。ぼろいやつ。
 駐車場の裏手にあるけど、あれが確か、旅館建てるときに場所を移したってやつだったと思う」 


530 :未 本編4   ◆oJUBn2VTGE :2012/01/20(金) 23:55:56.74 ID:SywjC5oc0
駐車場の裏手のお堂なら、昨日見回りをした時に見た気がする。中に石が祀られていたはずだ。 
「もう一回見てくる」
師匠がそう言うので僕もついていく。 

借りた傘をさし、小雨が降り続く旅館の外へ出て駐車場の方へ向かう。
その敷地の隅に、朽ち果てたような木造の小さなお堂がひっそりと佇んでいた。 
覗き込むと、小さな紙垂(しで)のついた格子戸の向こうに石が安置されているのが見える。 
どうするのかと思っていると、師匠がいきなりその格子戸に手を伸ばして手前に開いた。そして無造作に石を掴み出す。
紙垂のついた格子戸は、明らかに神域と外界とを分かつ境界だ。
その意味を知りながら平然とそれを破るあたりがこの人らしい。 
いつかこの人が死んで人々に害を成す悪霊にでもなったら、止める手段があるんだろうかと、
僕はそんなことをぼんやりと思った。 
「字が書いてあるな」 
覗き込むと、石の表面に小さな文字が数行にわたって彫られている。
苔むしていることと、古い字体のせいでほとんど読めなかったが、
かろうじて『とかの』という平仮名が含まれているのは分かった。 
ふんふん、と頷いてから師匠は石を元に戻した。読めたのだろうか。 
「なんて書いてあったんです」 
「神様に代わってこの地を守るってさ。御神体としては大して珍しいものじゃないよ」
あんまり時間がなくなってきたな。師匠はそう呟くと玄関の方へ引き返した。

それから、フロントのあたりで拭き掃除をしていた広子さんに「電話貸してね」と声をかける。 
そして、たった二日しかいないのに、
すでに勝手知ったる他人の家とばかりに、フロントの奥の事務所に入り込んでいく。 
胸ポケットから手帳を取り出して、それを見ながらダイアルをする。 
「あ、教授?わたしだけど、昨日頼んだの、分かった?え?」 
声が遠かったのか、電話機の音量を上げながら師匠は続ける。 
「うん。うん。ああ、神社明細帳とか大小神社取調べとか、そのあたりのはもういいよ。別で分かったから。 
 で、古いのではどう?うん。うん。…………あったの?まじで?延喜式にあった?えっ地誌?うん。……うん。
 延喜式の八十五座って畿内だけだっけ。そうか。やっぱり式台社じゃないか。 
 でもさっすが、そんなめんどくさそうなとこに潜ってってなんとかなるなんて」


532 :未 本編4   ◆oJUBn2VTGE :2012/01/20(金) 23:58:55.16 ID:SywjC5oc0
声が大きくなってきたところで、近づきすぎた僕の視線に気づき、
師匠は「しっしっ」と虫を払うように手を振ると、電話機を隠すように背中を向けた。 
仕方なく少し遠ざかる。
師匠が小声になったので、何を喋っているのか聞き取れなくなってしまった。
しかし多分、相手の教授というのは、うちの大学の長野教授のことだろうというのは推測できた。 
神道や神社に関しては一家言持つ、その道の大家の一人だ。
指導教官でもないのに、師匠はその長野教授と普段から親密なやりとりをしていて、
良く言えば教えを乞い、悪く言えば便利使いしているのだった。 
どうやって取り入ったのかは知らないが、ほとんどタメ口を利いている。こっちがハラハラするくらいだった。 
話している内容が気になるので耳をそばだてていると、いくつかの単語が細切れに聞こえてくる。 
『女将』
『神社』 
…… 
あとはほとんど聞き取れなかった。 

「どうもありがと。お礼はいずれ、精神的に返すから」 
師匠は頭を軽く下げて受話器を置いた。そして、「あー」と言いながら両手を挙げて伸びをした。 
「順調だなあ」
なにが順調なのか分からない僕は、どうしても気になることを尋ねる。 
「女将がどうかしたんですか」 
やたらと女将のことを話していたように聞こえたのだが、その理由が分からなかった。 
「どうしたもなにも……」 
犯人だよ。そう囁いて、師匠は何ごともなかったかのように手を叩くと、
「さあ、準備準備」と僕を急き立てようとした。 
訳が分からず「ちょっと待ってくださいよ」と抵抗しようとしたとき、さっき切ったばかりの電話が鳴り始めた。
間髪入れずに師匠が受話器を取り上げる。 
「わたしだけど、なにか言い忘れ?……って、あちゃあ。ごめんなさぁい。間違えました。
 そうです。旅館とかのですぅ」 
旅館にかかってきた電話らしい。師匠は慌てて取り繕っている。 
『こっちこそごめんなさい。家の方にかけたんですけど、だれも出なくて。あの、楓ちゃんいますか』 


533 :未 本編4   ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 00:02:23.29 ID:sWc1D+bL0
若い女性の声が受話器から漏れている。 
「ああ、楓さんですね。ちょっと待ってください」 
喋りながら師匠がさっき上げ過ぎた電話機の音量を調節すると、相手の声は聞こえなくなった。 
「広子さぁん。楓ちゃん、まだ帰ってないよね」
フロントの方に向かって大声でそう確認してから、また受話器に向きあう。 
「遊びに出かけていて、今いないんですよ。ごめんなさいね。うん。うん。……あ、じゃあ伝言しておくから」 
師匠は卓上メモに走り書きをする。 
「え?わたし?新しい仲居ですよぅ。ゆかりって言います。よろしくお願いします」 
適当なことを言っている。 
「あ、最後に名前伺っておいていいですか」 
師匠がそう言って、頷きながらボールペンを走らせていると、ふいにピタリとそのペン先が止まった。 
「わかりました。それでは失礼します」 
なにごともなかったかのように挨拶をして電話を切った師匠だったが、
その顔を見た瞬間、僕はなにかぞくりとするものを感じた。
俯いたまま口角を上げているその薄ら笑いのような表情に、
ちりちりと周囲の空気が青く燃えるような錯覚をおぼえたのだ。 
「あ~あ。でき過ぎだ。全部埋まっちゃったよ」 
パズルの、最後のピースまで。そう呟いて師匠はゆっくりと顔を上げた。 

霧雨のような細い雨粒が、旅館の屋根を音もなく叩いている。 
外はもう暗い。まだ晩の六時になっていなかったが、雨雲が空を覆い、夕焼けの残滓ももうどこにもなかった。 
日が落ちてからますます冷え込みが激しい。ここ一週間では一番の寒さだろう。
僕は震えながら両腕を抱えると、散策していた中庭から建物の中に戻った。 
旅館の中も、昨日よりもほんのりと肌寒さを感じた。客がいないので、暖房の設定温度を落としているらしい。
客に相当する僕と師匠はいるのだが、
勘介さんあたりが『あいつらは客じゃねえんだ』と、無理やり温度を下げたのかも知れない。 


534 :未 本編4   ◆oJUBn2VTGE :2012/01/21(土) 00:04:41.60 ID:sWc1D+bL0
一階のフロアの奥に向かうと、宴会場にも使われる大広間の前に全員が集まっていた。
女将の千代子さん、番頭の勘介さんと仲居の広子さんの親子。
女将の娘の楓。そしてさっき楓をバイクで送ってきたばかりの若宮神社の次男坊、和雄。 
この五人に僕と師匠を加えた合計七人が、今この旅館にいるすべての人間だった。 
「なにが始まるんです」
和雄が僕に問い掛けてくる。デートはそれなりに上手くいったらしい。機嫌が良さそうだ。
楓の方も、和雄の策略を知って知らずか、まずまず楽しかったようだ。表情が柔らかい。 
「謎解きだと本人は言ってましたが」
そう答えて、他の人と同じように閉じられたままの襖を見つめる。中では師匠が『準備』とやらをしているらしい。
僕も最初だけ手伝ったので、中がどうなっているのか大体は分かっているのだが、
なにをしようとしているのかまでは分からなかった。 
「大丈夫でしょうか」 
女将は戸惑った表情を浮かべて落ち着かない様子だった。 
勘介さんはムッスリと押し黙って腕組みをしている。
広子さんと楓は顔を寄せ合って何ごとか話をしていた。 
また腕時計を見た。六時までもう少しだ。
暮れ六つを過ぎると、そこからは僕らのよく知るこの世の理が少し変わってしまう。
なにが起こるか分からない、人の世の境界の外なのだ。特に、時の鐘が聞こえるこの土地では。 
僕は事務所での師匠とのやりとりのことを思い浮かべた。
師匠は確かに女将が犯人だと言った。あれはどういうことなのだろうか。 
幽霊は本物だ。遭遇した僕には分かる。人間のイタズラなんかじゃない。
なのに、女将がこの幽霊騒動の犯人だというのか。 
考えてもよく分からない。
あるいは、なにか幽霊の出るようになった原因があり、その鍵を女将が握っているということか。 
そっと隣にいる女将の横顔を盗み見る。 
娘の楓とよく似ている。綺麗な人だ。
夫と死に別れているそうだが、独り身になってから言い寄る男の一人や二人はいただろう。
その誘いを断り、女手一つで旅館を切り盛りしながら子どもを育ててきたのだ。 
その華奢に見える身体に、どれほどの覚悟が詰まっていることか。 
覚悟か。 
ふいに、左官屋を呼んだという話を思い出した。
僕と師匠が温泉めぐりから帰って来たとき、女将は左官屋と大浴場の方で打ち合わせをしていた。
浴場の壁を直したいらしい。 

468 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/14(土) 23:53:17.59 ID:PnBJCiQI0
僕も真似をしたが、綺麗に直角に曲げるのは上手くいかなかった。コツが要りそうだ。 
「この瑞垣(みずがき)の奥が神殿ですね」 
拝殿の向こうには垣根で囲われた空間があり、その中に一回り小さな本殿の姿が見えた。 
「この神社は、戦国武将であった高橋永熾が、勧請してきたものだと聞きましたが、
 それ以前からあった神社は、こちらへ合祀されたのでしょうか」 
「あまり古いものは分かりません。明治以降なら合祀の記録が残っておりますので、社務所の方でお見せしましょう」
「では、のちほどお願いします」 
師匠は境内を歩き始める。 
「末社はあちらですか」 
師匠の指さす先には、横に長い社殿のミニチュアのような建物があった。 
「手前が摂社で、仁徳天皇、日本武尊、武内宿禰などをお祀しております。末社はその奥です」 
末社は一つの小さな建物で、軒の下に塗装が剥げかけた朱塗りの扉がいくつか並んでいる。 
「祖霊社はありますか」 
師匠の問い掛けに、当代の宮司の顔が少し緊張を帯びた。
祖霊社というのは、歴代の神職や氏子の霊を祀った社(やしろ)のことらしい。 
「この端がそうです」 
鍵の掛かった扉の上部にかけられている額を確認しながら、師匠はその正面に立った。 
歴代の神職の霊がこの中に…… 
その意味を考えて、少し背筋に冷たいものが走る。今朝の体験が脳裏に蘇った。 
師匠は目を閉じて、そっと扉に右手を触れる。
章一さんと僕が見守る前でしばらくその格好をしていたかと思うと、ふいに肩の力を抜いてこちらを振り返った。 
「違うな」
そう言い切った師匠に、章一さんは驚いた顔を見せる。 
彼もこんな若い自称霊能者など胡散臭い目で見ていたはずだ。
ただ『とかの』に対する負い目から、女将が雇った師匠にそれなりの応対をしてくれていたに過ぎない。 
しかしその自称霊能者が、祖霊の仕業ではないと言ったのだ。
『そういうこと』にしておけば話がシンプルになり、やりやすいはずなのに。 
「あれが時の鐘ですか」
師匠の視線の先に鐘楼堂がある。境内の隅の方だ。 
近づくと大きな鐘がお堂の屋根の下に釣り下がっている。 


469 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/14(土) 23:55:03.11 ID:PnBJCiQI0
「鐘はあなたが?」
師匠は撞く真似をした。 
宮司は頷く。 
「時の鐘があるのは神社では珍しいようですが、神仏習合のころの名残でしょうな」 
「かなり昔からあるのですね」 
「当神社が開かれたころから、と伝わっております」 
「鐘自体は新しいものですね」 
「ええ、これは昭和になってから鋳造されたものです。古いものはあちらに」 
境内の一番奥まった場所に、朽ち果てたような別の鐘楼堂があった。打つための撞木(しゅもく)もついていない。
そちらの鐘はいかにも古そうな姿をしていた。錆が全面に浮いていて、元の色もはっきりとしない。 
師匠はその古い鐘の下に歩み寄ると、ぐるぐると回りながら観察し始めた。 
「銘はありますか」
鐘の反対側から顔だけを出してそう訊ねる。 
「いいえ。あった跡はありますが、欠けてしまっているようです。
 高橋永熾が持ち込んだ最初の鐘だと伝えられておりますので、こうして今でも保存していますが、
 もしかすると何代目かのものなのかも知れません」 
ふうむ、と呟きながら、師匠は鐘の下部を指でなぞった。そして指についた錆をしげしげと眺める。 
よく見ると、師匠がなぞっていたあたりはとくに錆が多い。
下から数十センチにかけて、ぐるりと別の模様がついているような感じだった。 
「なるほど」と呟いた後、師匠は章一さんに問い掛けた。
「この錆がどのようにしてついたものか、伝わっていますか」 
「錆、ですか」 
章一さんは戸惑ったように「いいえ」と言った。 
「なるほど、なるほど」と師匠は繰り返し、錆を指から払って手を叩いた。
「では、その合祀の記録を見せていただけますか」 
それから連れ立って拝殿のそばにあった社務所に戻った。 

畳敷きの部屋に通され、しばらく待っていると、章一さんが丸めた厚紙を持って現れた。 
「これは写しですが」と言って広げた大きな紙には、神社の祭神や由緒などが細かい字でびっしりと書き込まれていた。
写しと言ってもコピーのことではない。書き写したものということだ。 
「合祀の記録は……と、ここからですね」
師匠が紙を指でなぞる。


471 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/14(土) 23:59:00.58 ID:PnBJCiQI0
「なるほど、明治以降のものだけですね。 合祀したのは七つか。
 社格は無しか村社……ほとんどが祭神不詳ですね。単に『カミ』と呼ばれていた、村落社会の氏神というわけだ。
 記載項目に境内坪数や社殿の間数、それに管轄官庁までの距離まで書いてあるということは、
 恐らく明治十二年の『神社明細帳』づくりための、取調べの際に作成された記録でしょう」 
師匠は僕に、明治の『神社整理』に関する簡単な説明をしてくれた。 
どうやら明治の初期に、それまで乱立していた全国各地の様々な神社を国策として調べ上げ、
仏像を御神体にしているような神社を改めさせたり、
由緒も祭神もはっきりしないような小さな神社を、近隣の神社に合祀させたりして統廃合を進めることで、
地域の神社の機能を再生させようとしたのだという。 
この若宮神社もご他聞に漏れず、そうした近隣の『カミ』たちを合祀してきた歴史があった。
合祀されたカミは、主に先ほど見てきた末社に祀られているそうだ。 
「合祀された七社は、どれも拝殿もないような小さな神社ですね。住み込みの神主などいなかったでしょう。
 祭りなどの際には、恐らくこちらの若宮神社から、神主が出向いていたのではないですか」 
師匠の推測に章一さんは頷いた。
「そう聞いております」 
結局この松ノ木郷では、神様に関わる行事はすべてこの若宮神社が関わっていたということのようだ。 
「この若宮神社は遷宮もありませんね」
「はい。ずっとこちらに」
「とかのの周辺に分社などもないと聞いていますが」 
「その通りです。ございません」 
章一さんはそう言った後、慎重に付け加えた。
「少なくとも私どもは把握しておりません」
師匠はしばらく社務所の天井を眺めていた。
そしてゆっくりと首を戻し、「よく、分かりました」と言って腰を浮かせた。 
「ありがとうございました」
そう言って頭を下げたので、僕は驚いて袖をつつく。 
「もういいんですか」 
「もういいんだ。聞けることは聞いた」 
おいとまします。師匠がそう言うと、章一さんは「そうですか」と同じように頭を下げ、
「あまりお力になれませんでした」と硬い表情で口にした。 


472 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/15(日) 00:00:55.96 ID:PnBJCiQI0
社務所の玄関で靴を履いていると、章一さんが大きな布袋を抱えてやってくる。 
「これを」
師匠は「あ、忘れるところでした」と言ってそれを受け取り、中を覗き込んで一つ頷いた。
「どうもありがとうございます。後日返します」 
「それ、なんですか」 
僕も覗き込もうとすると、「お楽しみは後だ」と見せてくれなかった。ちらりと縄のようなものが見えただけだった。
「そう言えば、和雄さんは?」 
話を逸らすように師匠がそう問い掛けると、「少し前にどこかへ出かけましたな」との返事だった。 
また『とかの』に手伝いに行ったのかも知れない。まめなことだ。 
「この神社は、ご長男の修さんが継がれるんですか」 
「いやいや、まだまだ」
そう言って章一さんは手を振ったが、相好を崩している。自慢の息子のようだ。
跡継ぎ不足に悩む神社は多いのだろうが、皇學館まで行った息子がいると、まずは一安心というところだろう。 
もう一度お礼を言って、僕らはもときた参道の方へ向かう。 
鳥居のところまで見送りをしてくれた章一さんの姿が小さくなり、最後に軽く会釈をして、
自転車を置いてある場所まで歩いていった。 
その途中で師匠が呟く。 
「もう少しで全貌が見える」 
もう少しもなにも、僕には肝心の若宮神社でほとんど収穫がなかったようにしか思えなかった。 
師匠はニヤリと笑うと、「さあ次だ」と言った。 

自転車をこいで西川町の中心街まで出てきた僕らが、次に向かった先は図書館だった。 
「裏を取るぞ」
師匠はそう言って、郷土史のコーナーから本を抱えて閲覧室の一角に陣取った。
そして西川町の変遷や若宮神社の歴史などを片っ端から調べていった。

474 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/15(日) 00:03:40.53 ID:PnBJCiQI0
どちらもこれまでの情報の詳細や再確認といったものばかりで、
なにか今回の事件に関係していそうなものは見当たらない。 
飽きてきて上の空になり始めた僕を尻目に、師匠は楽しそうに頁を捲り続けている。 
「お、見ろ。亀ヶ淵のことが載ってる」 
あの道路沿いの貯水池のことか。 
紙が変色しかかった古い本に、白黒の写真とともに貯水池の歴史が記されていた。 
「あんまり詳しくないな」
ぶつぶつ言いながら師匠は顔を近づけて読んでいる。 
戦国武将の高橋永熾がこの大規模な土木工事を行った背景と、その効果がどのようなものであったかが、
簡単に説明されていた。
かつてこの枝川沿いには、亀ヶ淵という名前の沼地があったそうだ。
そこを新たに掘り抜いて溜め池として補強し、川から水を引いてくるという工事の工程が図解とともに示されている。
ふんふん、と鼻を鳴らして読んでいた師匠が「うん?」と唸った。 
「亀ヶ淵の横に、括弧してショウガブチとカタカナで書いてあるな」 
「そうですね」
別の項ではちゃんと『カメガブチ』と振り仮名が振られていたので、読み方としてはカメガブチが正しいはずだ。
というかそれ以外読みようがない。
ということは、ショウガブチというのは別名なのだろうか。 
「ショウガブチ……ショウガブチか。あのあたりではショウガでも採れるのかな」と師匠は首を捻る。 
そう言えば昨日の夕食で、山菜の天麩羅の中に薄く切ったショウガを揚げたものがあった。名産なのかも知れない。
その味を思い出すと、口の中に幸せな感触の記憶があふれてくる。今日も旨いものにありつけるのだろうか。 
僕が舌なめずりをしていると、師匠は立ち上がって、近くで本を広げていた六十歳過ぎくらいの男性に声をかけた。
地元の人のようだった。農協のロゴの入った帽子を被っている。 
「このあたりはショウガをやっていますか」 
「いんや。ショウガなら隣町だなぁ」 
「昔はやっていたんでしょうか。ここに、亀ヶ淵のことをショウガブチと書いています」 
「うん?」 
男性は老眼鏡の位置を直しながら本を覗き込んだが、首を捻っている。 


475 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/15(日) 00:06:13.01 ID:a2MmWsar0
「あの溜め池は、ショウガブチなんて呼び方、しねえけどなあ」 
そう言いながら、近くにいた知り合いの老人に本を見せると、やはり同じような答えが返ってきた。 
どうやら、ショウガブチという呼び名は一般的ではないようだ。もしくは、もう廃れた古い名前なのかも知れない。
「ありがとうございました」 
師匠はお礼を言って本を抱えると、僕に目配せをした。他の本も片付けろ、と言っているらしい。 
「もういいんですか」
「うん」
スタスタと歩き出した師匠を追いかける。 
「ショウガブチでなにか分かったんですか」 
「たぶんな」 
また自分一人理解したという顔ですましている。いい加減じれったい。 
「教えてくださいよ」と食い下がると、やれやれとばかりに溜め息をつきながら師匠は指を立てた。 
「亀という字の読み方はいくつ知ってる?」 
亀ヶ淵の『亀』の字か。 
訓読みだと『カメ』。音読みだと『キ』。いくつというか、これくらいしか思いつかない。 
師匠は大きな辞典を本棚から取り出して、ペラペラと捲り始める。
そして亀という漢字について書いてある頁を開いて見せた。 
「他に亀の手と書いて亀手(きんしゅ)とか、亀裂(きんれつ)、
 あと中国の西域諸国の中の亀茲(キュウシ)って国も、亀の字をあてているな。
 それから、『屈む』の屈(くつ)という字の代わりに亀の字をあてた、『亀む(かがむ)』なんて言葉もあるな」
知らなかったが色々あるものだ。 
「人名だとバリエーションが多いな。
 そういや、わたしの親戚にも、亀に司と書いて亀司(ひさし)って名前のオッサンがいたな」 
しかぁし……。師匠はもう一度指を立てて左右に振る。 
「亀をショウと読む例はどこにも出ていない」 
「はあ」
だからなんだというのだろう。 


476 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/15(日) 00:08:36.15 ID:PnBJCiQI0
「まだ分からないのか」 
「はあ」 
師匠は溜め息をつきながら首を振った。もの凄くバカにされているらしい。 
「いいか。読み方が違っているんじゃないんだ。だったら、間違っているのは漢字の方だ」 
「漢字、ですか」 
偉そうに言われても、だからどうしたという気がしてくる。 
「と、いうわけで、解決だ」
なにが解決なんだか。仮に貯水池の名前の謎が解けたところでなんの意味もない。 
そう思っていると、師匠は満面の笑みで続けた。
「神主の幽霊の謎は、解けたよ」 
「はあぁ?」 
唖然とした僕の肩をぽんぽんと叩いて師匠は、「さあ、もう少し詰めをするぞ」と言った。 
僕はわけの分からないまま、うながされてとにかく図書館を出た。 

「腹減った。飯食おう」 
師匠が俊敏な動きであたりを見回し、食事のできそうな店を見つけ出した。
その喫茶店の前に来ると、どこかで見覚えがあるようなバイクが一台だけ止まっていた。 
右のハンドルにヘルメットをぶら下げている。そのヘルメットを見て思い出した。
師匠も気づいた様子で、バイクを指さしながら「ししし」と口元に手をやって笑う。 
ドアを開けると、からん、と音がした。 
小さな喫茶店の中には数人の客がいたが、音に反応してこちらに目を向けた人の中に、見知った顔を見つける。 
和雄だった。バイク姿は昨日の夕方に見たばかりだ。
「狭い町だなぁ」
そう言いながら僕らがテーブル席に近づいていくと、和雄は驚いたような顔して、
そして次の瞬間、困ったような表情を浮かべた。
その向かいの席には見覚えのない女性が座っている。 
「参ったな」と言いながら頭を掻いた後、和雄は「妹です」と紹介した。 
妹ということは翠さんか。確か楓と同い年のはずだ。
髪の長いその女性が丁寧に頭を下げるので、こちらもそれにならう。
楓とはタイプが違うが、なかなか綺麗な子だった。 
「僕らはもう出ますけど、ゆっくりしていって下さい。ここは昼のAランチが安くて美味しいですよ」 
和雄は朗らかにそう言うと、会計を済ませた後で僕と師匠に近づいてきて耳打ちをした。 
「ここで僕らを見たこと、誰にも言わないでもらえますか」 
? 


477 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/15(日) 00:09:33.99 ID:a2MmWsar0
『頼みます』とばかり、拝むような仕草をする。 
「いいよ」
師匠は特に気にしない様子でそう言うと、大袈裟な身振りでウェイトレスを呼び、早口にAランチを注文した。
腹が減って気が急いているらしい。 
連れ立って店を出て行く二人を横目で見ながら、僕も同じものを頼む。
疑問を感じはしたが、Aランチがテーブルに並べられるとそんなものは吹き飛んだ。
あれこれ動き回って頭を使っているせいか、昨日からやたら腹が減る。 
師匠と二人で出された料理を黙々と片付けていった。 

「満足じゃ」 
師匠が箸を置く。
そのまま楊枝を探しているようなので、僕の目の前にあった容器を差し出しながら、
「神主の幽霊の謎が解けたって、どういうことなんですか」と訊く。 
師匠は楊枝を一本抜き取り、口元を隠しながらこんなことを言った。 
「謎が解けた、は言い過ぎかな。フーダニットはクリアになったが、ホワイダニットがいまいち見えてない」 
「だから、なんですかそれは」 
「まあ、とりあえず、今までの解決手段が、間違っていたことが分かっただけでも十分だろう」 
最後までそんな抽象的なことばかり言ってはぐらかされた。
納得できていないが、師匠が腰を浮かせたので仕方なく一緒に席を立つ。
レジで師匠が「領収書をくれ」と言うと、ウェイトレスは驚いた様子で店長を呼びに行った。 
普段は近所の馴染み客ばかり相手にしているから、領収書が欲しいなんて言われたことがないのだろう。
僕にしてもこんな興信所のバイトをしていなければ、
学生の身分で領収書をもらう機会などそうそうなかったに違いない。 
厨房の方から出てきた店長が、レジの下の棚をごそごそ漁っているとようやく未開封の領収書の用紙が出てきたので、
それに記入してもらった。
こんな食事代も調査費で落ちるのだろうか。 
「一度戻ろう」
喫茶店を出たあと、若宮神社でもらった袋をポンと叩いてから、師匠はそれを担いだ。 

それからまた自転車に乗って、僕らは『とかの』に戻った。
相変わらず風は冷たいが、その間師匠はペダルを踏みながら鼻歌などうたっていた。随分と余裕が漂っている。 
「余裕ですね」そう訊くと、「そうでもないよ」との返事。
しかし、表情はやはり余裕そうだった。
「ピースがあと一つ二つで埋まるって感じ」 
そんな意味深な言葉を吐いてニヤリとした。実に意地悪そうな顔だ。


478 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/15(日) 00:12:19.34 ID:a2MmWsar0
旅館に帰り着くと、広子さんが暇そうに玄関先に座り込んでいた。 
「あ、お帰り~」 
座ったまま手を振っている。今日一日客がいないとなると気楽なものだ。
年末のかき入れどきにこれでは、オーナーは気苦労が絶えないだろうが、
従業員としてはほとんど休みみたいなもので、ラッキーとでも思っているのかも知れない。 
時計を見ると、昼の二時を回っている。 
自転車を玄関前に止めて、師匠は布袋を広子さんに押し付けた。
「大広間に置いといて」
そう頼むと、広子さんは「いいよう」と、えっちらおっちらそれを手に提げて大広間の方へ向かう。 
僕らはそれを尻目に二階の部屋に上がった。
途中、「他の温泉に入りに行こう」と師匠が僕の方を振り返りながら言う。 
「他のって、田中屋ですか」 
「とりあえずお隣らしいから、そこかな」 
「観光気分ですか」
自分でそう言った後、勘介さんが近くにいないかと首をすくめる。
あの人は腹に一物を持ってそうだ。女将のやとった僕ら胡散臭い連中に対し、明らかに敵対心を抱いている。
あまり不真面目そうな言動をしていると、いつか怒鳴りつけられそうな気がする。 
「人聞きが悪いな。情報収集だよ。古参の温泉旅館は、新参者の『とかの』を心良く思ってないはずだからな。
 その裏を取りがてら、例の噂のことについて訊き込むとしよう」 

そうして着替えを持ち出し、玄関先に止めていた自転車に乗ろうとすると、
楓が敷地の門のところに立っているのに気づいた。 
「お出かけ?」
「あ、どうも」
昨日よりも大人びた感じの服装をしている。 
「デートぉ?」
師匠がシナを作っていやらしく訊くと、楓は「そんなんじゃないですよ」と手を広げて左右に振る。 
「和にぃが、翠ちゃんと昨日きょうだい喧嘩しちゃったらしくて、
 仲直りしたいから、翠ちゃんの好きなスタンドランプをプレゼントしたいんですって」 
そのスタンドランプをどう選んでいいか分からないので、買い物に付き合ってくれと言われたらしい。 


479 :未 本編3 ラスト  ◆oJUBn2VTGE :2012/01/15(日) 00:14:24.67 ID:a2MmWsar0
僕と師匠は顔を見合わせた。それでか。喫茶店での和雄の様子を思い出して、笑ってしまいそうになる。 
「あ、きた」
田舎道に控えめな排気音を響かせて、和雄のバイクが姿を現す。
なんという車種か知らないが、黒っぽいレーシーなやつで、
こうして走っているところを見ると、なかなか様になっていてカッコいい。 
旅館の敷地に入り、僕らの前でバイクは止まった。
ヘルメットを取った和雄は、すました顔で「昨日はどうも」と僕らにしゃあしゃあと挨拶をすると、
座席下の収納スペースからもう一つヘルメットを取り出して楓に渡した。 
「じゃあ、行ってきます」
ヘルメットを被りながら僕らに手を振って、楓はバイクの後ろに乗り込んだ。
和雄はなにか確認するようにゆっくりと僕と師匠に頭を下げ、それからアクセルを踏んで颯爽と走り去っていった。
それを見送った後で、師匠がぼんやりと言う。
「でかいバイクだなあ。ヘルメットが二個収納できるやつだぞ、あれ」 
そんなことより、さっきのやりとりに和雄の必死さが伝わってきて、なんだかこっちが恥ずかしくなってしまった。
どうやら喫茶店では、妹の翠との口裏合わせの作戦会議に出くわしてしまったらしい。 
妹をダシにしてデートの口実を作るとは、
なりふり構わないというより、その生真面目さが垣間見えた気がして微笑ましかった。 
「そんなあれこれ理由つけなくても、もっと強引で良いんじゃないかなあ」 
昨日の夜のことを思い出してそう呟いたが、師匠は興味を失った様子で、
「さあ、行こう。早く汗を流したい」と急かし始めた。 
確かにハイペースで自転車をこぎ続けていたので汗をかいたし、
しばらく身体を動かさないでいると、寒さで急に服に染み込んだ水分が冷たくなっていく。 
「いいですねえ」 
僕は本心からそう言った。

416 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 23:06:25.89 ID:HrRb/QUY0
恐々と下に降り、移動できる範囲で周囲を見て回る。
一階には事務室の奥に従業員の仮眠室があり、仲居が寝ているはずだが、
井口親子は本館のそばの離れに住んでいるはずだった。 
そして本館のすぐ裏には戸叶家の住宅が接していて、女将や楓はそこで寝ているはずだ。 
昔は家族は多かったはずだが、二人いたという女将の弟もそれぞれ独立して家を出てしまっていて、
四年前に楓の祖母を亡くしてからは、母子二人だけの暮らしになってしまったという。 
さぞ寂しいことだろう。
そんなことを思いながら事務所の中を覗いてみると、
電話機に接続されたFAXが、受信可能な状態であることを示す緑色のランプがチカチカと灯っていて、
その光だけが暗い部屋に瞬いていた。 
遠くから換気扇を回すモーター音が聞こえる。大浴場の方だろう。 
そっちも見に行かないと。 
そう思ったが思いのほか億劫で、
後にしようかと玄関ロビーのソファーに腰掛けると、そのまま立ち上がりたくなくなった。 
不思議なものだ。
ついこの四月に、普通の学生生活が始まったばかりだったのに、
いつの間にこんな遠くの温泉宿に泊まりに来て、
深夜に誰もいない玄関で、得体の知れないものを見張るようなことになってしまったのだろう。 
空調の機能を時間帯で落としているのだろうか。
肌寒さを感じながらしばし物思いに耽っていると、ふいに玄関の外からなにかの物音がした。 
どきりとして立ち上がり、恐る恐る玄関の自動ドアにかけられたカーテンの隙間から外を覗き込む。 
旅館の敷地の中の背の高い街灯が、丸い明かりを灯しているその下に、なに者かが動く影が見えた。 
自動ドアは電気スイッチが切れている。
しかし、僕らがそこからも外に出られるように、今晩だけはロックがされていないはずだった。 
二枚の厚手のガラスが合わさるその隙間に指先を入れ、力を込めるとドアは手動でわずかずつ開いていった。 
瞬間、冷気が顔に吹き付けてくる。通り過ぎようとした人影がびくりとしたように立ち止まる。 
「楓さん」
声を掛けられた相手は、スクーターを押して歩いていたところだった。 
「わ、びっくりした」
それはこっちのセリフだ。まだ帰ってなかったのか。もう時刻は二時半を回ってい 


417 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 23:08:40.21 ID:HrRb/QUY0
「今夜は寝ずの番なの?あの人は?」 
「交代で番をしてるんですよ。今は部屋で寝てます」 
そばに近づくと、アルコールの匂いがした。 
「飲酒運転」
そう言って指でバツを作ってやると、「堅いこと、言いっこなし」と楓は笑った。
それから声をひそめて、しばしのあいだ立ち話をする。今夜はかなり楽しく遊んだようだった。 
その中でふと、なんの気なしに僕は問い掛けた。 
「和雄さんのこと、どう思ってんの」 
女将は明らかに二人をくっつけようとしている。そして周囲もそれを追認しているようだ。もちろん和雄自身も。
しかし、若者にとって重大なイベント日に、女友だちとの遊びを優先した彼女の心理はどういうものなのだろうか。
楓は「う~ん」としばし唸った後、ぼそりと言った。 
「和にぃは、堅物すぎ」 
まあ、そこが今どきの男には珍しいんだけど。そう言いながら両手の手袋を片方ずつ脱いでいく。 
「もう少し強引じゃないとね。今日だって……」 
そう言いかけたところで、『おっと』という表情をした。 
「まあ、その上の修にぃよりはまだクダケてるけど」 
じゃあ、お休み。そう言って手を振りながら、楓はスクーターを押して旅館の裏手へと消えていった。 
表の道路と同じように舗装されているので、道が悪いわけではない。
ただ、客商売をしているので、深夜に帰宅する時は手前でエンジンを切ってくるのだろう。 
酔ってはいても、身についた習慣があるのだ。なかなかしっかりした子に思えた。 
そんでもって、脈有りだなあ、和雄さん。
僕はしばらくそこに佇んだ後、周囲になんの気配も感じないのを確認してから、旅館の中に戻って行った。 

空調は弱いが、建物の中はさすがに寒空の下とは雲泥の差だ。
生ぬるい空気の流れが周囲を包み、わずかな照明だけがロビーの椅子や置物を闇の中に浮かび上がらせている。 
なにかが違う。さっきまでと。
立ち止まった僕の心臓がわずかずつ早く脈打ち始める。 
なんだこの気配は。
息を殺してあたりに目を配る。なにも見えない。動くものも。静止している異物も。


418 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 23:11:20.50 ID:HrRb/QUY0
そっと大浴場の方へ足を向ける。
ポケットからペンライトを取り出してスイッチを捻る。
暖簾をくぐり、脱衣所、浴場、露天風呂と進む。すべて出入り口のロックは外されていた。 
師匠もみんなが寝静まってから、このあたりもすべて見回りをしただろうか。 
ブーン……という換気扇の音が自分の呼吸音と混ざる。
露天風呂の湯はまだ温かく、湯気が寒気の中に立ち上っている。黒々とした植え込みの影がそれを囲んでいる。 
なにも出ない。風呂場を出て、客室へ向かう廊下を足音を忍ばせて歩く。 
窓から中庭が見通せる。どの場所も、どの場所も、神主の姿形をしたこの世のものならぬものが現れたという場所だ。
さほど広くないこの鄙びた旅館で、余りにも多くの目撃談がある。
これではかえって探し辛い。どこに重点を置いて良いのか分からない。 
場所ではない。場所に憑いているのでは、ない。 
では一体なにに?

僕は息を殺しながらロビーに戻る。
フロアの中ほどに置かれたテーブル。その椅子に腰掛けて玄関のドアの方を向いて座る。 
時間がゆっくりと過ぎていく。 
なにかいる。
わだかまった気配が、それでも形を成さぬように煙か、あるいは水蒸気のような姿で旅館の中を蠢いているようだ。
その姿勢のまま僕は固まり、永遠とも思える時間が流れていった。 

朝は、まだか。
いつの間にかそればかり考えていた。繰り返し、繰り返し、そればかり。
外はまだ暗い。未だ夜に棲む住人たちの世界。 
異世(ことよ)に棲まうものたちの…… 
………… 
いる。
誰かが廊下の隅に立っている。背後に目をやらずとも、それが分かる。いつの間にいたのか。 
音も立てず、声も掛けず。じっとそれは立っている。 
どんな姿をしているのだろう。 
身体が動かない。夢の続きのようだ。目覚めたと思っていた、あの夢の中の。 
いや、自分は本当にその後に目覚めたのか。本当はずっと身体はあの和室の布団の中にいるのではないか。 
ではここでこうしている自分は誰だ。 
ああ、思考がぐちゃぐちゃだ。 


420 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 23:13:41.51 ID:HrRb/QUY0
誰だ。自分ではない。立っているのは。誰だ。 
トットット…… と早いリズムで胸が脈打つ。 
動いた。 
近づいてくる。 
ロビーの隅の暗がりから、それがゆっくりとこちらに近づいてくる。
音はない。畳の上のように、その踏み出す足は音を立てない。 
ただすーっと気配だけが玄関へと向かうのが分かる。 
その途中に僕がいる。玄関のドアに向かって座っている僕が。気配は止まらない。なにかが起こる。なにかが。 
その予感が自分の中で膨張する。そしてそれが弾けそうになった瞬間、僕の耳は確かにその音をとらえた。 
鐘の音。 
遠く、そしてたなびく様な微かな音の波が乾いた空気を震わせる。 
明け六つだ。境界を超えたのだ。
朝六時と決められた現在のこの土地の時の鐘は、
この冬場には『彼は誰(かはたれ)』の薄明よりも早く鳴らされるのだ。 
いや、外に出れば山の端の空は白みがかっているかも知れない。
しかし、玄関のカーテンを閉めたロビーにいては、その微妙な時の移ろいを感じることはできない。 
しかし、明け六つだ。確かに人と物の怪の世界を分ける、狭間の時間が終わったのだ。
僕は全身の力が抜けるような安堵を覚えた。 
鐘の音は続いた。二つ目。そしてその余韻が消え去った後に、三つ目が。
それを数えながら、僕は振り返ろうとする。 
さっきまであった背後の気配はとっくに消えてい…… 
その瞬間、心臓が止まりそうになった。 
消えていない。気配はすぐ真後ろまで来ていた。背筋の皮膚が総毛立つような恐怖に襲われる。 
なんで。 
頭の中にボールペンの先が目にも留まらないような高速で走る。ぎゅるぎゅるという擬音。 
す……捨て鐘だ……っ! 
なんで忘れていたんだ。僕は知っていた。知っていたのに。 
明け六つの六回の鐘が撞かれる前に、これから時を告げることの先触れとして鳴らされる鐘があった。 


421 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 23:18:06.02 ID:HrRb/QUY0
三回の捨て鐘。つまり明け六つは九回鐘が鳴らされるのだ。
その最初の三回は明け六つよりも前、つまり境界の上にある時刻。 
それが鳴り終わるまではヒトの支配する時間ではなく、未だたゆたう狭間の時間に属しているのだ。 
背中に氷のように冷たい気配が触れた。つま先から頭の天辺までなにかが走りぬけた。 
鐘の音。
四回目の。
その瞬間、背後から触れた気配はそのまま僕の身体を突き抜け、突き抜けながら消えて行った。
明け六つの始まりと同時に。
その気配は視覚的には全くとらえることはできなかった。
しかし確かに、なにか得体の知れないものが、消えながら玄関の外へ向かうのを感じていた。 
その気配に突き抜けられた部分の体温が、根こそぎ持っていかれたような気がした。
いや、体温だけではなく、生気というか気力というのか、
なにかそういうものもベリベリと剥ぎ取られたかのようだった。 

気配が完全に消え去り、九回目の鐘の音を聞き終わっても、僕はその場で動けなかった。
椅子に腰掛けたまま、悪寒が全身を駆け回るのをじっと感じている他なかった。 
「おい」
いきなり後ろから肩を掴まれる。師匠がいつの間にか息を切らせて後ろに立っていた。
「出たのか」と訊かれて必死で頷く。
師匠は舌打ちをすると、周囲を警戒するように見回す。 
あのなにものかの気配を感じて布団から飛び起き、そのまま部屋から走ってきたのだろうか。 
「神主か」
「たぶん」
はっきりは分からなかったが、最後に本物の明け六つの始まりと同時に消え去りながら、
その瞬間に神主の着るような装束を身に纏っているのが見えた気がした。
そのことを切れ切れに説明する。 
「そうか。後で状況を詳しく教えてくれ。とりあえず部屋で休め」 
ヒューヒューと胸の真ん中から体内の空気が抜けていくような錯覚があった。 
「大丈夫だ。すり抜けただけなんだろう?襲われた感じでもないしな」 
そう言いながら師匠は、ズボンのポケットから金属製の薄いケースを取り出した。
さらにその中から、半紙を畳んだようなものを摘み出す。 


422 :未 本編2 ラスト ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 23:20:31.49 ID:HrRb/QUY0
「これ飲んで寝ろ」 
蓋の形に折り込まれた部分を捲ると、中には粉薬のようなものが詰まっているのが見えた。 
「なんです、これ」
漢方薬のようなものだろうか。 
「言ったらプラセボにならないだろう」 
言っているし……偽薬と。 
ともかく僕は師匠からその薬を受け取り、コップに汲んできてくれた水で喉に流し込んだ。
苦かったが、気のせいか悪寒が溶けていくような感じがした。 
少し楽になって、なんとか立ち上がり、二階の階段に足をかけた。
そのとき玄関フロアの明かりが完全に灯り、
「おはようございます」という声とともに、女将がフロントの奥から顔を覗かせた。
僕は蚊の鳴くような返事をして、師匠が女将に何ごとか話かけるのを尻目に階段を上がり、
眠るために部屋に戻っていった。

463 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/14(土) 23:37:27.49 ID:PnBJCiQI0
目が覚めたのは朝の九時過ぎだった。 
まだ頭が重く、肌触りの良い布団から出るのは億劫だったが、なんとか気合を入れて起き上がった。
三時間ほど寝ていたらしい。 
広い部屋の真ん中に布団が一組だけ敷いてあるのを改めて眺めると、凄く贅沢な気分になる。 
大きな窓のカーテン越しに、朝の光が部屋の中に射し込んでいる。
浴衣の襟のあたりを掻きながら、そちらにぼうっと目をやる。 
それから自分の身体の様子を確かめたが、特に異常はないようだ。あの謎の薬が効いたのだろうか。 

部屋を出て師匠を探すと、一階の玄関ロビーでOL四人組と話をしていた。
見るとみんな荷物を持っている。もうチェックアウトするところらしい。 
「結局オバケ出なかったなあ」 
「なにつまらなそうに言ってんのよ。一番ビビッてたくせに」 
「ああもう。変な噂聞かなきゃ良かった!あんま寝られなかったわ」 
「でもさ、ちょっと見てみたくなかった?」
OLたちは朝から元気に声が出ている。師匠は笑ってそれを聴いているだけだ。 
「じゃあねえ。年下の彼氏くんも、バイバイ」 
そんなことを言いながら彼女たちは僕らに手を振って、外にとまっていた旅館のバンに乗り込んでいった。
旅館の中が急に静かになった。 

勘介さんが運転するバンがゆるゆると発進していくのを見送ってから、僕は広間に用意されていた朝飯を食べた。
焼き魚を中心としたシンプルなメニューだった。 
しかし温泉たまごが小皿についていて、それがやたらうまそうに見えて、
先に食べるか、最後にとっておくか悩んでしまった。 
もう一組の親子連れももうチェックアウトした後だったので、客は僕と師匠しかいなくなったことになる。
いや、もう客を装う必要もなくなったわけだ。 
先に朝食をとり終わっていた師匠に、僕が体験したことをこと細かく説明しながら、
最後の温泉卵を残ったご飯の上に乗せて、小瓶に入っただし醤油を垂らす。 
「四回目の鐘で消えたか」
「はい」
味付け海苔の袋を裂いて、さらにその上に千切りながらトッピングする。
それを勢いよくかき込んでいると、師匠が言う。 
「捨て鐘の意味も理解しているということは、やっぱりこの土地の霊だな。
 昨日今日やってきたような、浮遊霊の類じゃないのは間違いなさそうだ」 
さらりと言った言葉の中に、師匠の思想が一本の楔のように通っている。 


464 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/14(土) 23:39:07.67 ID:PnBJCiQI0
師匠は霊の在り方に普遍的なものをあまり認めない。
『死後の霊魂とはこういうものだ』という生前の記憶が、その存在の濃度、そして特性を規定するのだ、
という思想を持っている。 
例えば、足のない幽霊画が広く知られている日本では、足のない幽霊が現れるが、
そんな発想のない外国では、幽霊にしっかりと足があるものだ。 
境界を越えたことを告げる、明け六つの始まりのタイミングを正確に分かっているからこそ、そういう消え方をしたのだ、
と言っているのだ。 
「食ったら、行くぞ」 
「はい」 
お茶を胃袋に流し込み、口を拭いた。
これから若宮神社に行くのだ。テキの本丸かも知れない場所に。そう思うと少し緊張してくる。 

連れ立って広間を出ると、事務所にいた女将をつかまえる。 
「今夜カタをつけるつもりです」 
師匠は真剣な表情でそう切り出した。女将が訊き返すと、やはり同じ言葉を繰り返した。
「今夜です」 
それに対し、女将はやんわりとした言葉で説明を求めた。 
「今日は、泊り客がいないはずでしたね」
師匠は説明の代わりにそう訊ねた。 
「ええ」
この依頼のこともあって、大晦日までなるべく宿泊客をとらないようにしていたらしい。
OL四人組やもう一組の親子連れのように、かなり前から入っていた予約の客だけはどうしようもなかったが、
そんな客も今夜はいないということだった。 
昼から他の従業員も休みになり、『とかの』には女将と井口親子だけになるのだという。 
確かに今夜は、この旅館に憑りついた霊と対決するには絶好の場面と言えそうだが、
いったい師匠は、そのカタをつけるためのどんな見込みがあるというのだろうか。 
そう思いながら横顔を見ていると、師匠はズボンのポケットを探り始め、折り畳まれた半紙を取り出す。 
「ここに書いてあるものを用意してください。重要なことです。できますか」 
女将は渡された半紙を怪訝な顔で見つめる。 
「だいたいご用意できると思いますが……」
そう言いながら、書かれている後半部分に目を留めて困惑したような表情を浮かべる。 
「ああ、最後のは若宮神社にあるでしょう。自分が借りに行きます。
 それで、済みませんが今から電話をしてくれませんか、貸していただけるように」 
「分かりました」


465 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/14(土) 23:40:38.64 ID:PnBJCiQI0
女将は電話をかけに行き、ほどなくして戻ってくる。
「いつでもお貸しできるそうです」 
「ありがとうございます。ではさっそく今から若宮神社に行ってきます。
 正直どうなるか、まだ手探りな状態です。が、なんとかして見せますよ。これでもこの手のことは専門家ですから」
師匠はそううそぶいて、下手な安請け合いをした。 
「お気をつけて」 
女将は期待しているのいないのか分からないような良く統制された表情で、そう頭を下げた。 
しかし、何気なく発した自分の言葉になにか思い至ったかのようにハッとして口元を抑えた。
なにか不吉なものを感じたのだろうか。気をつけなくてはらないなにかが待っていると?
なんだかこっちまで怖くなってくる。

神社までは歩いて行くのかと思ったが、女将が自転車を貸してくれた。宿泊客用に何台か旅館に備えているらしい。
建物の裏手の駐車場から二台を選んで玄関まで回してくる。 
「昼ご飯は、いりませんから」 
師匠が女将にそう告げた。 
「神社で話を聞いた後、調べものがあるので、そのまま町の図書館へ行く予定です。飯もそのあたりで食べます」
自転車に跨りながら、師匠は「楓さんは?」と尋ねた。 
「まだ寝ています」
女将はそう言って苦笑しながら母親の顔を見せた。
「まったくあの子は」 
風が冷たい。外はずいぶんと冷え込んでいる。昨日よりも気温は低いかもしれない。
厚着をしてきたつもりだが、身体が縮こまりそうだ。 
「行ってきます」 
師匠の後に続いて出発する。
玄関からダンボール箱を抱えた広子さんが、こちらを見ながら指先だけで手を振っていた。
また顔のパーツを変に真ん中に寄せたような笑顔を浮かべている。 
つられてこちらも笑顔になる。

師匠は寄り道もせずに、昨日裏山の上から見た若宮神社のある方角へ真っ直ぐ進んでいった。 
師匠は車ではないときは、僕に自転車をこがせて自分はそのうしろに便乗し、
あっちに行けこっちに行けと指示を出すばかりで実に良い身分なのだが、
珍しく自分で自転車を運転するときはやたらとこぐのが早い。 
スポーツ万能と自分で言うほどのことはあり、身体能力やバランス感覚は目を見張るものがあった。 


466 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/14(土) 23:44:45.72 ID:PnBJCiQI0
借りた自転車の微妙な性能差もあり、その師匠について行くのが精一杯で、なんとか置いて行かれないように、
道端の雑草も枯れたような色合いをしている細い田舎道を、頑張ってペダルを踏み続ける。 

十五分ほど走っただろうか。遠くに見えていた山が眼前に迫り、道路にはいつの間にか傾斜がつき始めていた。
なだらかな山道に入り、その麓付近の集落をいくつか通り過ぎて、
一際立派な木々が鬱蒼と茂っている一角にたどりついた。 
「鎮守の森だな」 
スギやヒノキといった常緑高木が混合林を形成しているようだ。
その背の高い木々の枝葉の隙間から、木造の建物の屋根がちらちらと覗いている。 
道路が広くなっている所で自転車を止め、鎮守の森の中へ足を踏み入れるとすぐに赤い鳥居が見えてきた。 
「明神鳥居だ。副柱もない、一般的なものだな」 
シンプルな形をしているが、古びた佇まいは森とその奥の参道を守り続ける長久の時の流れを感じさせてくれる。
「あれ。でもこないだ行った神社で、これと同じ形のを見ましたけど、春日鳥居って言ってなかったですか」 
師匠は振り向くと、鳥居の上部を指差しながら言った。
「笠木を見ろ。両端が中央部に比べて反りあがっているだろう。
 反り増し、と言って、それがあるのが明神系、ないのが神明系の鳥居だ。春日鳥居は神明系。
 ていうか、こないのだのとのは全然形が違うだろ。台石もあるし」 
説教が始まりそうだったので、鳥居から目を逸らし、その両脇を固めるように配置されていた狛犬に近寄って、
「なかなか立派な狛犬ですね」と苔むしたその身体を触った。 
鳥居の右側にあるそれは、厳しい顔をして口を閉じ、懐にいる小さな狛犬の頭を撫でている姿をしている。 
しかし師匠はそこにもダメ出しをしてくる。 
「よく見ろ。それは獅子だ」 
「は?」 
「頭に宝珠を載せているだろう。そっちの、頭に角が生えてる方が狛犬だ」 
そう言われて反対側に配置されていた方の石像を見ると、確かに角が生えている。
口は唸りを上げるように開かれ、足元の丸い玉を踏みつけている姿だった。 
「元々は獅子と狛犬が一対になっているのが正式なものだが、時代が下るにつれて獅子と狛犬の区別がなくなって、
 今じゃ両方とも一般的に『狛犬』と呼ぶけどな。 
 本来は社殿に向かって右側が獅子で、左が狛犬。同じく右側が口を開いた阿形、左が口を閉じた吽形。
 ここのは阿吽は逆配置だな。しかしこの右側は、明らかに獅子の特徴を備えている」


467 :未 本編3 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/14(土) 23:49:00.19 ID:PnBJCiQI0
言われてまじまじと見比べたが、普通の狛犬となにが違うのか分からなかった。 
「まあどうでもいいよ。狛犬なんて神社によって千差万別だ。
 職人の個性であって、祀っている神様ともほとんど関係がない」 
先に行くぞ。師匠はさっさと鳥居を潜って行ってしまう。僕も慌てて後を追う。 
参道は長く、その道の端には、比較的小ぶりなクスノキが枝葉を精一杯伸ばして立ち並んでいる。
その下を通るとチチチ……という鳥の鳴き声が頭上から聞こえてくる。 
途中で手水舎(ちょうずや)があったので、並んで口をすすいだ。 

参道の奥に拝殿が見えてきた。遠くから見た印象よりもかなり大きい。
玉砂利を踏みながら境内を進むと、拝殿のそばで箒を持って枯葉を掃いている男性の姿があった。 
白衣の上に黒い着物を重ね着して、下は薄青い袴という格好をしている。見るからに寒そうだ。
しかし男性は平然とした身のこなしでこちらに向き直り、「お待ちしておりました」と微笑みかけてきた。 
この若宮神社の宮司である石坂章一さんだった。
和雄の父親であり、彫りの深い顔が良く似ている。
もう五十歳は過ぎていると思われるが、背筋はピンと張っていて背もかなり高い。 
師匠のことはすでに女将から聞いているようだ。
挨拶を交わし、さっそく本題に入る。
「とかのに現れるという神主姿の霊ですが、お心あたりはないんですね」 
「はい」 
章一さんは溜め息をつきながら、「戸惑っております」と言った。 
「和雄さんにも訊きましたが、こちらの装束が盗まれるようなことはありませんでしたね」 
「ええ」
「まあ、わたしもこれが、誰かのイタズラなんていう線は考えていませんが、
 噂に便乗した誰かが、良からぬことを考えるということは、ありえない話ではありませんから」 
「拝礼をさせていただいていいですか?」と師匠は言って、拝殿に近づいていく。 
「御祭神は八幡神、応神天皇ですね?作法は二拝二拍手一拝でよろしいですか」 
「応神天皇と仲哀天皇、そして神功皇后です。作法はそれで結構ですよ」 
師匠は賽銭を投げると、丁寧な動きで拝殿の奥に向かって二回頭を下げ、二回拍手を打ち、また一回頭を下げた。
腰が九十度折れている。

411 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:51:31.04 ID:HrRb/QUY0
「おい、これちょっと待った」 
「二回目ですよ」 
「いいから」 
溜め息をついて、銀が元の位置に戻るのを見逃す。
勝負に熱くなってきて前のめりになった師匠は、膝を立てて身体を前後に揺すり始める。
僕はとうに勝負の見えている将棋よりも、その浴衣の裾が気になって仕方がなかった。 
そんなことをしていると、ドアをノックする音が聞こえた。
返事をすると、広子さんがお盆にケーキを乗せてやってきた。 
「残ったから、あげる」 
そして、「あたしもう寝るから頑張ってねえ」と言いながら去っていった。 
クリスマスケーキが二切れ。
師匠は脳天から真っ二つにされたサンタクロースの半分が乗っかっている方を取った。
硬そうな砂糖菓子なので、切る過程でかなり胴体が生地にめり込んでいる。 
それから師匠が紅茶を淹れて乾杯をした。 
メリークリスマス。 
今ごろ街を華やかに彩っているであろう赤と白の二色とは縁遠い、地味な和室の中だったけれど、少しだけ気分が出た。
素直に広子さんに感謝する。 

ケーキを食べ終わると師匠は言った。 
「さきに寝ろ」 
朝まで交代で番をするから、と。 
時計を見ると夜の九時だった。
師匠の案では、九時から日付の変わった深夜二時までの五時間が師匠の番。
そして、二時から朝六時までの四時間が僕の番ということだった。 
「僕は別に徹夜でもいいですよ」 
そう言ってみたのだが、「一晩で済むとは限らない。いいから先に寝ろ」との仰せ。 
「わかりました。でもどうして僕の番が六時までなんです」と訊くと、
「ここは時の鐘が鳴るって言ってたろ」と返された。 
そう言えば訊き込みをしていた時に、女将か誰かがそんなことを言っていた気がする。
貯水池を見に行っている時にも、その鐘の音が鳴っていた。 
今のような時計のなかった時代には、庶民が時刻を知るために時の鐘と呼ばれる仕組みがあった。
寺や神社の鐘つき堂などで、毎日決まった時間に鐘がつかれるのだ。 
明け六つであれば六回、昼九つであれば九回という具合に。それを聴いて、人々は仕事や生活の区切りとしていた。


412 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:54:45.21 ID:HrRb/QUY0
例えば昼に八回鐘が撞かれる昼八つであれば、現在の午後二時ごろを指すのだが、
その鐘を聴くと一度仕事に休憩を入れ、その間に疲労回復のための甘い物などを取る習慣があった。 
これが今の『おやつ』という言葉の語源だそうだ。 
この松ノ木郷ではくだんの若宮神社に時の鐘があり、
今でも一日のうち、明け六つ、昼九つ、暮れ六つの計三度、時を告げているのだそうだ。
それぞれ朝六時、昼の十二時、そして夕方の六時に。
その鐘の音はこの『とかの』へも聞こえてくる。 
「こういう、境界を表したものは、古い霊魂には強く影響するはずだ」 
師匠は言う。 
夕暮れは『誰そ彼(たそかれ)』とも言い、
向こうにいるのが誰なのか分からない、という薄暗さを、そして不安な感じを表している。 
そして日が落ちきってしまえば、そこからはもう人の世界ではなく、
魑魅魍魎や悪鬼の類が闊歩する、夜の世界へとがらりと変わってしまうのだ。 
同じように夜明けのころも『彼は誰(かはたれ)』と言い、
向こうに立っているのがいったい誰なのか判然としない、という不安さを表している。 
それはやはり、夜に住まう人ならぬものたちの支配する時間と、昼に生きる人間たちの支配する時間との、
境界に位置する時間帯なのだ。 
「鶏の鳴き声を耳にして退散する、鬼の話を聞いたことがあるだろう」 
それは鶏の声そのものに怯えたのではなく、夜と昼の境界を越えてしまったことを知って鬼は逃げ出すのだ。 
温かい湯を止まり木の中に流し、無理やり目を覚まさせて鳴き声を上げさせ、
まだまだ夜は明けないにも関わらず、鬼を退散させてしまう話もあった。 
その鶏の声の役割を果たすのが、この土地では明け六つの鐘というわけだ。 
「鐘の鳴った朝六時以降はまず出ないな。今日集めた目撃談でも、暮れ六つより前に『出た』という話はなかった」
出るのは暮れ六つから、明け六つの間の時間。 
つまり、土地の習慣に呼応した古風な霊である可能性が高い。 
そう言って、師匠は盤上の詰んでしまった自分の王将を爪で弾いた。 
「とにかく、もう寝ろ。二時になったら起こしに行くから」 
そう言って追い出された僕は自分の部屋に戻り、歯磨きをしてから敷かれていた布団に潜り込んだ。 


413 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:58:05.50 ID:HrRb/QUY0
明かりの消えた部屋の玄関のドアから、小さなノックとともに師匠が顔を覗かせて、
「今夜は出ないかもな」とぼそりと言った。 
「え?」と訊き返そうとすると、「じゃあ見回りに行ってくる」と言って、そっとドアを閉じた。 

どれほど眠っただろうか。 
長時間電車に揺られ、旅館の中を歩き回ったり、山に登ったりという、
今日一日の疲れがどっと出た僕は、布団に入って目を閉じたとたんに眠りに落ちてしまった。 
静かだった。 
夢を見ていた気がするが、いつの間にか遠い土地の旅館の一室に横たわっている自分がいる。 
身体が重い。疲れがまだ取れていない。
静かだ。そして暗い。
暖房が効いている。部屋の中は滑らかな暖かさに包まれている。しかし外は冷え込んでいるだろう。 
冷たい空気が建物を握り込むようなミシミシという音が、どこからともなく聞こえてくる気がする。 
何時だろうか。
交代の時間はまだか。また眠気が忍び寄ってくる。 
静かだ。 
天井が高い。見慣れない天井だ。ここはどこだ。 
誰かいる。 
部屋の隅に。 
誰かが立っているのが分かる。 
静かだ。
息を吸う音。そして吐く音すら聞こえない。 
誰だろう。 
仰向けのまま身体が動かない。 
重い。石を乗せられたようだ。 
部屋の中には自分しかいない。それも分かる。 
なのに誰かが立っている。 
首を動かそうとする。部屋の隅を見るために。 
重い。油が切れた機械のようだ。首の関節の間に、小さな無数のゴミが詰まっている。 
どうして黙っているのだろう。 
ごとり。 


414 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 23:02:07.12 ID:HrRb/QUY0
首が落ちた。 
ような音が。 
みしりと、隅から一歩踏み出す音も。 
ごとり。 
また首が落ちた。 
みしり。 
また一歩。 
ごとり。 
みしり。 
ごとり。 
…… 
近づいてくる。そのたびに首が落ちる。 
落ちた首が畳の上を這うように転がる。いくつもいくつも。 
そんな音だけ。 
布団の端を誰かが踏んだ。 
ぼとり。 
掛け布団の上に何かが落ちた。 
首が動かない。動け。動け。 
逆へ。 
逆へ、動け。 
見たくない。背けたい。 
見たくな 

「おい」 
身体を乱暴に揺すられた。 
「あ」
眩しい。人工の光が目に飛び込んでくる。 
師匠の顔がある。 
「交代だ」
そんな言葉が聞こえる。 
目が覚めた。 
旅館の部屋だ。眠っていたのか。 
「寝ぼけてるな。お茶でも飲め」 
布団から身体を起こして、師匠が入れてくれた湯気の立っている熱いお茶を口に含む。 


415 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 23:04:14.43 ID:HrRb/QUY0
はあ。 
頭が覚醒していく。
さっきのは夢か?夢だとするならば、目覚めた夢。
経験上、そんな夢は疲れている時によく見る。そして悪夢であることが多い。 
「誰か部屋にいませんでしたか」 
「いや」 
師匠は眠そうに欠伸をすると、深い息を吐いて「もう寝る」と言った。
部屋の時計を見ると、夜中の二時を少し回っていた。 
「寒み」と言って、師匠が僕の布団に入ってくる。 
「ちょ、ちょっと」 
慌てていると、「なにがちょっとだ。早く出てけよ」と、布団から蹴り出される。 
「自分の部屋で寝てくださいよ」 
「うるさいな。さっきまで玄関と外をうろうろしてたから、寒いんだよ。布団暖め係、ご苦労」 
しっしっ、と手で追い払われる。 
僕は仕方なく立ち上がり、大きく伸びをする。
「なにか出ましたか」布団に包まった師匠にそう問い掛けると、「いんや」との答え。 
僕は溜め息をついた。
師匠が番をしている間に、なにか起きるような気がしていたのに。
この人の中の普通ではないなにかに、引き寄せられるように、だ。 
浴衣を脱いで服に着替えていると、布団の中から声が掛かる。 
「でも、なにかいるぞ。ここには」 
え。なにか感じるんですか。
そんな言葉を口にしようとしたが、ふぅ、という布団の中からの疲れきった吐息に会話を拒絶される。 
身支度をしてドアを開けようとしたとき、「気をつけてなぁ」という眠そうな声がもぞもぞと聞こえた。 
廊下に出ると、少し気温が下がった。部屋の中よりも空調が効いてないのだろう。
天井の大きな蛍光灯は消えているが、その横の小さな黄色い電球にほんのりと明かりが灯っている。 
裸足のまま履いたスリッパが足の甲に張り付くたびに、ひんやりとした感触がある。 
二階は全部で六部屋ある。今夜は僕と師匠の二部屋しか使われていないはずだ。
念のために残りの四部屋の前に立ってドアをノックし、それぞれノブを回そうとしてみたが、
どちらにも鍵が掛かっていた。 
廊下を進んで一階へと降りる階段に足をかける。
折り返しの踊り場で首だけを伸ばして階下を覗き見ると、その先の薄暗い廊下には人の気配はまったくなかった。

406 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:36:44.05 ID:HrRb/QUY0
「ええ。私が小さいころですから、もう三十年以上前になるでしょうか。
 このあたりに記録的な大雨が降ったことがございまして……」 


降り止まないどころか、ますます勢いを強くする雨に、
子どもながらなにか大変なことが起きているということは分かったのだそうだ。 
その日、折からの大雨のために『とかの』に客はいなかったのだそうだが、
旅館中をみんながバタバタと落ち着かずに動き回り、
夕方ごろには、父親とまだ健在だった祖父とが血相を変えて「裏山を見てくる」と雨具を被って出て行った。 
近くの他の家からも大人が何人か雨の中に出てきて、山の方へ向かったようだった。 
恐る恐る玄関から外を見ていると、滝のように轟々という音を立てて降ってくる雨の中から、
「川には近づくなよ」という誰かの声が混ざって聞こえた。 

しばらくすると、ふいに地響きのような音が雨空に唸りを上げた。
それは耳を塞いでも聞こえてきた。恐ろしい音だった。 
住み込みの男性従業員が「崩れたんじゃないか」と叫んで、雨の中に飛び出していった。 
父と祖父のことが心配で、気がつくと自分も外に出ていた。
バケツをひっくり返したような大粒の雨が、絶え間なく上空から落ちてくる。
その雨の中を合羽も着ずに走った。視界は悪く、片手で額を覆っても目を開けることが困難だった。 
山の方から大人たちの大声が聞こえてきた。「崩れた」「危ない」という言葉が聞こえた。 
その中に父と祖父の声もあって、ホッと胸を撫で下ろした。 
安心すると、『見つかったら叱られる』ということに気がつき、『早く戻らないと』と引き返そうとした。 
その時、ふいに桜の木のことが頭に浮かんだ。枝川の土手にある桜だ。
土手の壁面から斜めに生えていて、増水した時には根元が水に浸かるんじゃないかといつも心配していた。 
思わず川の方へ足を向けた。

降りしきる雨の中、目を凝らしても桜の木は見えなかった。
このあたりのはずなのに。流されてしまったのだろうか。 
土手に近づいて川の方へ目をやると、
今までに見たこともないような濁流が、うねりを伴って川上から川下へと流れていた。 
恐ろしくて足が動かなかった。雨音と川の奔流の音で耳が痛い。 
全身を鉛のような雨粒に叩かれながら、猛り狂う川の流れから目を離せないでいると、
狭い視界の端に不思議なものが映った。 


407 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:39:53.29 ID:HrRb/QUY0
物凄い速度で流れていく泥水の中に、真っ黒い動物の身体が見えたのだ。
その胴体は途方もなく長く、波打っていて、濁流に乗り目の前を通り過ぎようとしていた。 
蛇だ。 
それも、胴だけで一抱えもある、とてつもない大蛇。
その身体が怒り狂うようにうねりながら、大雨と濁流の中を流れて行く。 
息を飲んでその行方を見守る。
遥か彼方へその姿が消え去っても、しばらくその場を動くことができなかった。 

「なにしてる、こんなとこで」 
怒鳴り声とともに祖父に手を掴まれた。
なかば引き摺られながら『とかの』に向かっている間、「おじいちゃん、蛇が、蛇が」と喚いた。 
祖父はギョッとした顔をしたが、「変なことを言うんじゃない」と叱りつけた。 

『とかの』に戻ると、祖父がここは危ないので小学校へ避難すると宣言し、全員で雨の中を逃げた。 
その間中、自分の頭の中には、のたうつ大蛇が川を流されていく姿が何度も繰り返されていた…… 


語り終えた女将は、
我に返ったように慌てて「おかしなことを申しました。子どものころに見た幻でございます」と付け加えた。 
師匠は興味津々という顔で、「その後はどうなりました」と尋ねた。 
「ええ。幸い、山が崩れたのは川側の方だけでして、結局旅館の方は大丈夫でした。
 その後、役場が委託した調査会社の方が調べたところによると、
 今後また万が一土砂崩れがあっても、やはりこの『とかの』の方へは崩れてこないということでしたので、
 ご安心ください」 
ちゃんと忘れずにフォローもしている。なかなか抜け目ない人だ。悪い噂などどこから広がるか分からないのだから。
「その、大雨の日の土砂崩れの前にも、やっぱり裏山には神社の跡などはなかったんですね」 
「ええ。なかったはずです」 
「わかりました。ありがとうございます」 
師匠はあっさりとそう言うと、女将の祖父のことや先代である父親のことをあれこれと訊いた。 
祖父はもちろんだが、父親も母親ももう亡くなっていた。
そして入り婿であった女将の夫、つまり楓の父親も、十年ほど前に病気でこの世を去ったのだそうだ。 


408 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:42:28.81 ID:HrRb/QUY0
師匠はこの戸叶家の事情をおおよそ訊き終えて満足したのか、
最後に「では、今夜はわたしとこの助手とで、夜中じゅう交代で番をします」と言った。 
他の客が寝静まってから、これまでに神主の霊の目撃が多かった場所を中心に見張るというのだ。 
「もしそれまでに出たら、とにかくすぐにわたしに知らせてください」 
女将は「従業員もすべて承知しておりますので、よろしくお願いします」と言って頭を下げた。 
お茶をいれなおしてから女将が部屋を出て行った後で、師匠はニヤリと笑って言った。 
「こいつは、カナヘビちゃんだぜ」 
カナヘビ? 
なぜここでカナヘビが出てくるのか。
その意味を訊いても、はぐらかすように「風呂風呂、風呂に入ろう」と手を叩くだけだった。 

「ねえ、あれ彼氏?」 
「違うよ」 
「うそぉ」 
「まじで」 
…… 
そんな黄色い声が頭の向こうから聞こえて来る。 
露天風呂だった。 
和雄の言うとおり、広々としていてなかなか良い湯だ。
そんな所を一人で占拠するのは、なんとも言えない良い気分だった。 
岩に頭をもたせ掛けて空を見上げていると、ざぁー、と身体を流す音が遠くから微かに聞こえる。
頭の先には竹を組み合わせた壁があり、その向こうには女性用の露天風呂があるはずだった。 
湯気が夜空に上っていき、澄んだ空気の果てにある星をゆらゆらと隠していく。 
寒空の下、顔は冷たいのに身体だけは温かい。
いつもはシャワーばかりでお湯につかるという習慣がない僕だったが、こういうのもたまには良いものだ。 
「ねえ、ほんとに彼氏じゃないの」
「ほんとだよ」


409 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:44:48.00 ID:HrRb/QUY0
消極的な見栄を張った僕とは大違いだ。 
ズルズルと背中を滑らせ、そのまま頭の先まで湯の中に沈み込んだ。頭の芯まで熱が入り込んでくる。 
「彼氏じゃないのに、旅行してんの?」「なんかそっちの方がやらしい感じ」などという声が水を通して聞こえてくる。
師匠はさっそくOL四人組と仲良くなったようだ。師匠は今二十四歳のはずだから、同い年くらいか。
そうだよな。普通なら働いている年齢なのだ。それどころか子どもがいてもおかしくない。 
湯の中に沈みながら、一人でそんなことを考えている。 
師匠からはあまり大人の女という感じを受けない。子どもがそのまま大きくなったようだ。 
なんだっけ。生物学上でこういうのを。ウーパールーパーとかサンショウウオがそうだよな……
思い出した。ネオテニーだ。幼形成熟、だったっけ。 
まあ師匠の場合、あくまでその性格上の話だが。 
頭の中でサンショウウオの姿がぐねぐねと変形し、図鑑で見たカナヘビの姿に変わった。 
『こいつは、カナヘビちゃんだぜ』
湯から顔を出して、師匠の言葉を反芻する。 
女将が見たという大蛇はなんだったのだろう。
あの枝川にはそういう『主』の言い伝えは特になかったそうだ。では一体? 
大雨。土砂崩れ。大蛇。
あの裏山で師匠が見つけた石に刻まれていた、不思議な雨冠の漢字となにか関係があるのだろうか。 
そしてそれは、この神主の霊が出るという事件と関係があるのだろうか。 
真剣に考えを巡らせていると、また女湯の方から嬌声が上がった。 
「もうヤったの?」 
「やってないよ」 
「うそぉ」 
「まじで」
動揺した僕は湯の底についていた手を思わず滑らせてしまった。バシャンという音が立つ。 
「ねえ、隣で聞いてるんじゃない」
竹で編まれた壁の向こうからの声。続いてキャーキャーという笑い声。 
もう出よう。


410 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:48:29.33 ID:HrRb/QUY0
僕はいたたまれなくなって露天風呂から上がる。
ドアを開けて大浴場の方へ戻ると、頭の禿げた父親と小学生くらいの息子が身体を洗っていた。
もう一組の泊り客の家族だ。 
「こんばんわ」と挨拶をして脱衣所へ向かった。 
出なかったな。 
和雄が神主の霊を見たという露天風呂だったが、それらしい姿も気配もなにもなかった。 
浴衣に着替えから廊下に出て、『湯』と書かれた暖簾の前に置いてあった藤製の長椅子に腰掛けて、
なにをするでもなく、ただ湯あたり寸前にまで火照っていた身体を冷ましていた。 

しばらくぼうっとしていると、
師匠を含めた女性陣が、もう一つの『湯』と書かれた赤い暖簾の下からわらわらと出てきた。 
「あ、やっぱりいた」 
なにがやっぱりなのだ。 
OLたちはあっちに卓球台があったから、「みんなでやりませんか」と誘ってくる。 
あ、いいな。卓球は久しぶりだ。温泉に来るとどうしてこんなに卓球をやりたくなるのだろう。 
その騒々しい一角に、タオル類を満載した台車を押している勘介さんが通りがかった。 
じっとりと睨むような目つきで僕らのそばを通り過ぎる。
『観光気分か……!』 
そう詰られたような気がした。 
「ああ。ええと、わたしたちは遠慮しとくよ。な」 
師匠に話を振られて「はい」と返事をする。 
「じゃあさっきお願いしたとおり、オバケっぽいのを見たら教えてね」 
師匠はOLたちに手を振りながら僕を引っ張っていく。 
それから僕らは、また旅館中を視察して回った。
中庭や裏の駐車場を含めて見て回ったのだが、昼間と同じで特に異変は見当たらなかった。 

仕方なく一度師匠の部屋に戻り、
なぜか備え付けてあった将棋盤を見つけたので二人でパチリパチリと指しながら、今日あったことを確認する。 
「なんなんでしょうねえ、神主の幽霊って」 
「さあなあ。見てみないことにはな」 
「あの、裏山の石に書かれていたっていう漢字と、なにか関係があるんですか」 
「さあなあ」
師匠は気のないような素振りで情報を秘匿していた。
明らかになにか掴んでいるような感じなのだが、いつものようにもったいぶっている。 

401 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:17:16.64 ID:HrRb/QUY0
『とかの』に帰り着いたとき、腕時計を見ると午後四時半を回っていた。 
旅館の玄関から中へ向かって楓が「ただいま」と声を張り上げる。少しして女将がフロントの奥から姿を表した。 
「どうでしたか」 
「いやあ、期待はずれですね」 
師匠は明るくそう言って、山の上からの景色についてしばらく女将と語り合っていた。
僕は地滑りの跡で見つけた石についてどうして黙っているのだろうと疑問に思った。 
その師匠の横顔がスッとこちらに向き直る。 
「おい、次を見に行くぞ」 
「え」 
まだどこか行くんですか。 
師匠は女将にこのあたりの道を尋ねている。 
つい、つい、と袖を引かれた。楓が耳元に顔を寄せてくる。 
「なに」 
「あの人ほんものなの?」 
「なにが」 
「霊能力者」 
まあ確かにここまでは、まったくそれらしい所を見せていない。 
「テレビに出てくるのとは違うけど、霊を見ることに関しては凄いよ」 
霊感が強いだけの人なら他にもいるだろうが、
師匠の本当に凄い所は、その見たこと、体験したことに対する料理の仕方なのだ。 
それはある意味、探偵的と言えるかも知れない。
つまり、興信所の調査員であるこの今のスタイルで正解なのかも知れなかった。 
「ふうん。まあいいや。で、付き合ってんの?」 
いきなりすぎて吹きそうになった。 
「助手だよ」 
「それもう聞いた」 
「まあいいじゃないか」 
ああ。やってしまった。明確に否定しないという、見栄。 
軽い罪悪感に襲われていると、二人でひそひそやっているのが気になったのか、和雄が「なになに」と近づいてくる。
「よし、行くぞ」 
師匠に服を掴まれる。軽く引きずられながら「どこへ?」と訊くと、「この旅館の周辺の調査」。


402 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:22:21.36 ID:HrRb/QUY0
ようするに散歩ですか。 
という軽口が出そうになったが、クライアントの前なのでさすがに自重した。 
「また案内したいですけど、ごめんなさい。これから用事があって」 
楓が頭を下げる。高校時代の友だちとクリスマスイブパーティをするらしい。 
それを聞いて、僕はようやく今日が十二月二十四日であることを思い出した。 
思わず和雄の方を盗み見するが、「いいあなあ」などと余裕ぶっている。しかし内心はどうだか分からない。 
「じゃあ、僕もそろそろ帰ります」 
旅館の外に出ると、和雄もそう言って敷地の隅にとめてあったバイクに跨った。
排気音とともに手を振りながら去っていく姿を見送る。 
「あ~あ、かわいそうに、あいつ」
人ごとのようにそう言う師匠だったが、
十二月二十四日という今日は、僕らにも平等に訪れていることを分かっているのだろうか。 
「日が暮れる前に行くぞ」 
そう言って歩き出した。すでに日の光は西の山の端へ隠れつつあった。 

それから小一時間かかって周囲を散策しながら、枝川沿いに旅館へ来たときの道を逆に辿っていった。
寂しい道で、あまり地元の人ともすれ違わなかった。 
やがて道路沿いに背の高い金網で覆われた一帯が見えてくる。来たときに見た貯水池だ。
周囲はすでに薄暗く、膨大な水量を蓄えた水面は輝きもせず、死んだようにひっそりとしていた。 
金網のそばに看板があった。 
『亀ヶ淵(かめがぶち)』という名前のこの貯水池は、
応仁の乱の後に戦国武将が各地で覇権を競い始めたころ、この地に侵攻してきた高橋永熾(ながおき)が、
自身の勢力の新しい拠点として今の西川町一帯を封じた時に作ったものだそうだ。 
枝川の水量が安定せず石高が伸びなかったこの地に、持参した地金を惜しげもなく投じて土木工事を行ない、
巨大な水瓶を提供したのだ。 
師匠はその看板の説明文を読み終えて、ぼそりと言った。 
「問題の若宮神社は、この武将が開いたのかも知れないな」 
「どうしてですか」 


403 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:25:22.50 ID:HrRb/QUY0
「若宮って名前のつく神社は、例えば大分の宇佐神宮を本宮とした場合、
 その御祭神である八幡神こと応神天皇の子、つまり御子神であるところの仁徳天皇を祀った神社のことだ。 
 あるいは、単に本宮から新たに迎えた御祭神という意味で、若宮と呼ぶ場合もある。
 その場合は、八幡神である応神天皇の分霊を祀っている神社ということになる。 
 いずれにしても、基本的には本宮ありきの神社なわけだ。
 そして本宮から新たな若宮を勧請してくるのは、国司やその地の豪族などの実力者と相場が決まっている。 
 戦国時代にあっては、その役割の中心を担ったのが……」 
戦国武将というわけか。 
高橋永熾が元々の勢力圏で信仰していた神社から、新たな支配地であるここへ、
その御子神か分霊を勧請してきたということならば、確かにありそうだ。 
「もう少し調べてみたいな」 
いずれにしても、その若宮神社に行って宮司と話をしてみる必要があるだろう。
時計を見ると、まだ六時だった。さっきその時間を告げる鐘の音が鳴ったばかりだ。訪ねて行けない時間でもない。
その息子である和雄と面識があるので、話も通しやすいだろう。 
しかし、師匠は少し考えた末、「また、明日にしよう」と言った。 
とりあえず、その旅館に出るという霊とやらを見てみるのが先だということか。 
「戻って、飯食おうぜ」 
踵を返した師匠に、頷いてから後に続いた。 
そう。それが気になってしょうがなかったのだ。
旅館の夕食ということで、料理を期待しても良いのだろうか。
それとも僕らは仕事で来ているのだから、
『え?そちらの夕食は用意していませんが』とあっさり言われたらどうしよう。 
近くに弁当とかパンを買える店があったかなあ、と思い悩みながら歩いた。 

ようやく『とかの』に帰り着くと、玄関のあたりが妙に騒がしかった。
見ると、二十代半ばくらいの女性が四人たむろしていた。 
ああ、そういえば、今日は僕らの他に二組客がいるって聞いてたな。 
「こんばんわ」 
師匠は愛想よく挨拶をして旅館の中に入る。 
「あ、こんばんわ」
出迎えた番頭の勘介さんに荷物を渡しながら、女性たちもこちらに笑顔を向けた。
みんな暖かそうな服装をしている。仲良しOL四人組というところか。 


404 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:28:24.18 ID:HrRb/QUY0
それもクリスマスイブに温泉旅館に泊まるってことは、恋人のいない仲間同士ということだろう。 
玄関を通り抜け、廊下の手前で師匠にそのことを囁くと、おもむろに腕時計を見て、その針を示しながら口を開いた。
「日没の後だから、『クリスマスイブ』の用法としては正しい」 
まだこだわっているのか。 
「あ、ちょうど良かった」 
仲居姿の広子さんが僕らの前に現れて、手招きしながらフロントの奥へ入っていく。 
「電話かかってきてるみたい」 
事務所の電話をとっていた女将がこちらに気づいて、電話口に軽くお辞儀をしてから師匠とかわる。 
受話器から声が漏れている。大きな声だ。 
「お食事、お部屋にお持ちしますので、それまでおくつろぎください」
と僕に言って、女将は忙しそうに事務所から出て行った。 
師匠はうざったそうにあしらうような口調で話し終え、受話器を置いてから溜め息をついた。 
「例の婆さん。この宿の馴染み客で、わたしを女将に紹介した人だよ」 
ああ、頼みもしないのに方ぼうへ師匠のことを宣伝しているという人か。 
「万事任せておけば大丈夫だから、失礼のないようにしなさい、って女将に釘刺してくれたんだと。
 ……他に余計なこと言ってないだろうな、あのばあさん」 
そう言って苦笑する。 
「自分も正月泊まりに行くから、幽霊退治よろしくな、ってさ」 
それから部屋に戻ろうとすると、師匠が「ついでに電話するところがあるから、先に戻ってろ」と言う。 
調査事務所の所長の小川さんに、今日のことを報告でもするのだろうかと思い、
あてがわれた二階の部屋に一人で戻った。 

足を投げ出してテレビをぼんやり見ながら、先に汗を流そうかと考えていると、
広子さんがやって来て、隣の部屋を指さしながら言う。 
「先、ご飯食べたいって言うから、あっちの部屋で、一緒でいい?」 
師匠も部屋に戻ったのか。もちろん従うほかはない。 
広子さんもその僕らの間の力関係というか、雰囲気をすでに理解している様子で、
一応確認というポーズを取っているだけのようだった。 
その後、師匠の部屋にお邪魔し、テーブルに向かい合っていると、
「失礼します」と女将が広子さんを伴って入ってきた。 


405 :未 本編2 ◆oJUBn2VTGE :2012/01/07(土) 22:32:37.03 ID:HrRb/QUY0
そして目の前に色鮮やかなお膳が並べられる。 
紹介してくれたお婆さんの口添えが効いたのか分からないが、期待以上の食事にありつけた。 
山菜の天麩羅など山の物が多かったが、普段美味しいものを食べつけない僕ら貧乏学生にはどれも過ぎた料理ばかりで、
二人とも何度もご飯をおかわりして、給仕してくれた広子さんを呆れさせた。 
師匠は最後に茶碗に残ったご飯にお茶を注ぎ、白菜の漬物を乗せてからかき込んだ。
そしてようやく人心地がついた、という表情で箸を置く。 
さすがに晩酌はなかった。師匠はそれが少し物足りなそうだった。しかしこれからが仕事の本番なのだ。 
そこへ頃合を見計らった女将が部屋に戻って来た。
「いかがでしたか」
そう訊かれて、二人とも素直に料理を褒めた。
温泉地としてはあまり有名ではないこの土地で、旅館を三代に渡って続けられているのも、
こうした付加価値があるからかも知れない。 
「少し、いいですか」 
師匠は改まった口調で女将に問い掛けた。 
「はい」 
女将は広子さんにお膳を片付けさせながら、着物の裾を綺麗に整えながらテーブルの脇に正座をした。 
そんな風にされるとこちらも落ち着かず、僕は思わず座布団の上に正座で座りなおす。
師匠は気にしない様子で、あぐらをかいたまま女将に話しかけた。 
「若宮神社は、この先の貯水池を作った高橋永熾が勧請した神社ですか」 
「ええ。そう聞いております」 
高橋家はその後、息子の代で別の戦国武将に攻め滅ぼされたのだそうだ。
それ以来、この地は徳川幕府が開かれるまで、何度も支配する武将が変わっていった。 
すらすらと喋る女将からのその言葉の端々から、かなりの教養のほどが窺える。 
感心しながら聞いていると、師匠は少し考えるそぶりを見せた後、話題を変えた。 
「この裏山ですが、もしかして、大規模な土砂崩れが起きたことがあるんじゃないですか」 
女将はハッとした表情を見せる。 
ついさっき山から戻って来て『期待はずれでした』なんて言っていたくせに、結局訊くのか。 
それに、『この部屋で仕事の話をすると主客が逆転してしまう』なんて言っていたのに、もうめんどくさくなったのか。
半ば呆れながら師匠と女将の会話に耳を傾ける。