256:255続き1:2006/06/20(火) 12:00:41 ID:S9XH2eYm0
金山さんは去年家を建てた。同じころ、森崎さんは家を建て替えた。 
森崎さんは親御さんから何百万か援助してもらえることになったが 
贈与税のことが心配で、同じく家を建てていた金山さんに相談した。 
税金関連の本を買ってある程度勉強していた金山さんは 
親からの贈与を受けても税金が免除される「特例」のことを森崎さんに教えてあげる。 
ところが、その「特例」は「新築」に限って適用されるもので、「改築」の場合はその限りではなかった。 
あなたの所為で余計な税金を払わされた、どうしてもっとちゃんと調べてくれなかったのか、 
贈与税が取られるとわかっていればもっとほかにやりようもあった、 
税金に取られてしまった三十万はあなたの所為で失ったのだ、 
と、金山さんは森崎さんに散々なじられる。 
毎日職場でなじられ続け、気の弱い金山さんはすっかり参って、旦那さんにも相談するが 
旦那さんは「余計なおせっかい焼いたお前が悪い」とまるで取り合ってくれない。 
金山さんは日に日に精神的に追い詰められていき、ついに森崎さん殺害に踏み切ってしまったのだった… 



257:255続き2:2006/06/20(火) 12:01:15 ID:S9XH2eYm0
「覆面作家」と良介に諭された金山さんは警察に自首して、 
その後覆面作家と良介はなんとなく良い雰囲気になって、話そのものはほのぼのと終わるんだけど
別に悪いことしてないのに、親切心が仇になってどんどん追い詰められた金山さんが可哀想で、 
読み終わったあとずっともやもやして胃が重くなった。 
金山さんが自首した後、覆面作家が良介に言うせりふ。 
「旦那さんが金山さんの立場になれる人だったら、こんな事件は起きなかっただろうな」 
「森崎さんも、金山さんも、両方無事だっただろう。 
 でも旦那はそんなこと、一瞬も考えないだろうな。ただ驚き、怒鳴るだけだ。 
 自分の人生を、奥さんがめちゃくちゃにしたと思うだろうな」 

殺害の動機そのものは、ミステリとしてはほんとに些細なことで 
たしかに犯人に精神的にガス抜きできる場さえあれば回避できたろうなって思う。 
そう思うと確かに、被害者とは別の意味で更に犯人を精神的に追い詰めた旦那さんが一番悪い気がする。 
でも、その旦那は自分の罪を悔やむどころか、自分に罪があることに気付くことさえ、永遠にない…

自分にとっては、この手のはなしがいちばん後味悪いです。現実にもこういう無神経な人ってたくさんいそうだし。 



260:本当にあった怖い名無し:2006/06/20(火) 12:59:48 ID:R7BP/HG90
>>257
親切心が仇になってどんどん歯車が狂っていく、 
みたいな話はホント後味悪いよね。 
そのシリーズの漫画版が家にあったと思うから、今度読んでみるよ。 



264:「善女のパン」1:2006/06/20(火) 13:26:49 ID:ALhLZxz+0
上にちょっとあったOヘンリーから「善女のパン」 

ミス・マーサは40歳独身。小さなパン屋を営んでいた。 
彼女は店にたまにくる、中年の男に興味を惹かれていた。 
男は、ドイツなまりで喋り、服もぼろぼろだったが、とても礼儀正しかった。 
男は店で、いつもきまって安くて古いパンだけを買っていた。 

マーサはある日、男の服に絵具の汚れがあるのを発見する。 
安くて古いパンだけを買い、絵具を使っている。 
このことから、マーサは男のことを、絵が売れなくて貧しいけど努力している画家だと思う。 

男が本当に画家か確認するため、マーサは店にヴェニスの風景画を展示し、 
店に来た男と、絵について話をする。 
男は絵について慧眼を持っており、マーサは確信を深める。 

以来、マーサと男は気軽に話する仲となり、マーサはさらに男に惹かれていった。 
しかし男はそれでも、マーサお手製のケーキなどには手を出さず、 
安くて古いパンしか買わなかった。 

マーサはあまりにも貧しい男に手を差し伸べたくて、 
何か美味しいものを買い物の際に添えてあげようと思ったが、 
そのことが男に恥をかかせるのではないかと思い、実行には移せなかった。 



265:「善女のパン」2:2006/06/20(火) 13:27:52 ID:ALhLZxz+0
マーサは店に出る時、ういういしく青いブラウスを着て、おめかしするようになった。 
おしゃれなアクセサリーも着けるようになった。 

ある日男が来店し、談笑したあと、いつものように古いパンを注文した。 
その時、外を消防車がけたたましい音を鳴らしながら走っていき、 
男が店の外へ出て何事か見に行った。 

マーサはこの時とっさに、兼ねてからの考えを実行することを閃いた。 
男の注文した古いパンに切れ目を入れ、中にたっぷりバターを塗ってあげたのだ。 
そして少し見たくらいでは気づかないようにまた切れ目を戻し、 
男が店に戻った時には、もうパンを紙袋に入れて包装していた。 

男が店を去ったあと、マーサはいつになくどきどきしていた。 
大胆なことをしただろうか、あの人怒らないだろうか。 
いえ、これくらいのことならいいわよね、厚かましくないわよね。 
彼は絵を描きながら、古いパンと水で朝食の支度をするのだろう。 
そしてパンにナイフを入れるだろう。そして――。 
私の気持ちに気づいてくれるだろうか――。 

マーサは若い娘のように赤い顔になって、想像を膨らませていた。 



267:「善女のパン」3:2006/06/20(火) 13:28:34 ID:ALhLZxz+0
その時、急に表のベルが鳴り、店のほうが騒がしくなった。 
マーサは急いで店に出ると、そこにはあの男と、もう一人知らない若い男が一緒にいた。 
男の顔は真っ赤で、髪はかき乱れ、全身をぶるぶると震わせていた。 
そしてマーサに向かって、ドイツ語で憎悪をぶちまけた。 
「バカヤロウ!!!!!!」 
「お前のせいで俺の人生めちゃくちゃだ!!!!」 
「このおせっかいの老いぼれババアめ!!!!!」 
男はありとあらゆる言葉でマーサを罵倒した。 
談笑していたときの優しい目の面影もなく、ただ激しい憎しみだけが 
マーサを見ていた。 

しばらくして連れの男が、 
「もういいだろう」 
と宥めすかし、なんとか男を店外へ連れて行った。 
そのあと店に戻り、愕然としているマーサに向かって説明した。 
曰く、あの男は建築製図家で、ここしばらく大きな仕事である 
市役所の設計図を書いていた。 
この仕事で成功すれば男にとっても大きな飛躍だ。 
設計図の下絵は鉛筆で書き、それを仕上げると 
古いパンくずで下絵の線を消す。それが一番よく消えてよいのだ。 
だが、あのバターのせいで、設計図は、 
もう何の役にも立たなくなってしまった――。 

マーサは力なく奥の部屋に行き、青いブラウスを脱ぎ、 
それまで来ていた古くさい茶色の服に着替え、 
おしゃれなアクセサリーをくずかごに捨てた。<了> 


Oヘンリーといえば、「賢者の贈り物」や「最後の一葉」などの 
心温まる話が有名ですが、こういう話もたくさん残した作家です。 
これも、親切心が仇になる、というパターンですね。 
後味悪いんだけど、忘れられません。 



269:本当にあった怖い名無し:2006/06/20(火) 14:09:12 ID:ut7jTSFM0
ヘンリって後味悪い話ばかり書いてるよな。 
賢者の贈り物や最後の一葉が「美談」として取り上げられているから 
勘違いされているだけで。 
他のヘンリ作品を読んでいたら、あれだって 
美談として書いたんではなく、いつもの皮肉だろうと読めてしまう。 



272:1/2:2006/06/20(火) 15:30:12 ID:peKWrxDk0
特捜最前線かも知れんけど、子供ん時みたドラマ。 


主人公は独り暮らしで家族もない老人。 
その老人が死病にかかった。治る見込みもなく、その死期もそう遠くない。 

そんなある日、近くの親切にしてくれる夫人が怪我をしているのに気付く。 
どうやら殴られた痕らしい。 
それとなく様子を窺っているとその夫人には息子が2人いて、 
長男は優しそうな会社員、次男はDQNな高校生。 
その息子が家庭内暴力を振るっていると近所でも評判だった。 
老人はそれとなく忠告をするも、夫人は怯えきっていてどうする事も出来ないらしい。 

ある夜、散歩していて、その夫人宅を通りかかった老人は偶然その暴れている騒音を耳にする。 
余りにも凄まじい騒音に老人はある決心をする。 
自分の人生はもう終わりだ、親切にしてくれた夫人への最後の恩返しに 
あの暴力息子を殺してやろうと。 



273:2/2:2006/06/20(火) 15:30:58 ID:peKWrxDk0
続き。 

老人は踏切事故に見せかけて次男を殺す事に成功する。 

その葬式を「これで夫人も安心して暮らせる」と見つめる老人。 
と、その葬式に参列した近所の主婦二人が小声で立ち話をしているのが聞こえる。 

「あの息子さんが亡くなって、あのお宅どうなっちゃうんでしょうねぇ」 
「そうね、いつもあの息子さんがお母さんを長男の暴力から庇ってあげてたのに…」 

老人は憔悴しきった夫人と、その隣に寄り添う見るからに立派で優しそうな長男を 
放心した様に見つめ続ける…。 


今みるとありがちな話なんだけど、自分がまだ子供なだけに 
「優しそう=善い人、見るからにDQN=悪い人」だったんで 
今でも後味悪い。 



289:1/2:2006/06/20(火) 21:36:58 ID:DdyiXWlU0
手塚治の短編漫画 

主人公(♀)は愛する婚約者と旅行中、船が沈んで、婚約者もろとも海へ投げ出されてしまう。 
必死に婚約者の手を掴もうとするが、婚約者は主人公の目の前で波にのまれ悲鳴を上げながら海の中へと消えていった。 
幸いにして主人公は、その後無事に救出されたものの、波にのまれていく婚約者の姿が忘れられず、ふさぎこみ始める。 
そしてついに、どこにいても何をしていても、婚約者の最期の姿(下半身が波にのまれ、彼女に向かって絶叫している)の幻影が見えるようになる。 
主人公の周りの人達は、「気のせいだ」と彼女をなぐさめるが、主人公は「彼は一人だけ助かった私を恨んでいるんだ」とますます落ち込んでしまう。 
そして、幻影に追い詰められてノイローゼ状態になった主人公は、人里離れた別荘に一人引っ越す。 
そこでも幻影は消えなかったが、もともと最愛の人だったこともあって、次第に主人公はこの幻影に親しみを感じるようになる。 
そして、幻影に向かって話しかけたり、ピアノを聞かせたりして、毎日を過ごすようになる。 



290:2/2:2006/06/20(火) 21:37:53 ID:DdyiXWlU0
それから数十年の月日が立った。 
ある日、別荘に主人公と同じ年ぐらいの女性が訪ねてくる。 
「じつは、お尋ねしたいことがありまして……」そう言った女性の後ろから現れたのは、歳をとった婚約者の姿だった。 
数十年前、婚約者は女性の故郷の海に流れ着き、その後、彼を介抱した女性と結婚したという。 
その際、婚約者は事故のショックで流れ着く以前の記憶を一切失っていた。 
「ここを偶然通りかかった時、主人がこの別荘に見覚えがあるような気がする、と言いまして。」 
主人のことで何か知っていたら教えてほしいと言う女性に、主人公は首を振る。 
「いえ、残念ですが。私もこの別荘に夫と二人で暮らしていますが、私も夫もその人のことを知りません」 
「そうですか」と別荘を立ち去る二人。 
去っていく女性と元婚約者の姿を窓越しに見ながら、「さようなら(婚約者名)さん……」とつぶやく主人公。 
彼女の後ろには、相変わらず、若いままで叫び続けている婚約者の幻影がいる。 



294:本当にあった怖い名無し:2006/06/20(火) 22:06:58 ID:WsSk6JR00
>>290
正統派の後味悪さだね。 
婚約者も主人公も介抱した女性も、誰一人悪くない。 
悪くないけど無駄になった女性の一生を思うと・・・ 



295:本当にあった怖い名無し:2006/06/20(火) 22:21:48 ID:b92qqKKg0
>>290 
後味悪いけど 
この話は好きだな 



315:本当にあった怖い名無し:2006/06/21(水) 10:06:05 ID:Z3MQo0dSO
久々にビーマニシリーズより 
「カゴノトリ 弐式」 

江戸時代、顔に大火傷を負った少女がいた 
顔は、鼻だけ出して包帯ぐるぐる巻きの状態だった 

そのため、カゴメカゴメの遊びの時には、しゃがんで顔を覆う必要がなく、ただ立ち尽くす光景が異様に感じられた 
ある日、遊んでる最中に包帯が取れてしまう。 
すると、そこには美しい顔が現われた 
傷はもう治っているよ。と教える友達 
そしてまたカゴメカゴメを続けたところ、以前のように立ち尽くす少女 

少女は無表情で言う 

私、目が見えなくなったの 
包帯は失明をしたことと、顔面の筋肉が固まり、表情が作れないことを隠すために巻いていたのだ 

少女が無表情で立ち、その周りを子供達が歌い回る 
カーゴメ、カーゴーメ 

文章はそうでもないかもだが、絵がメチャメチャ恐かった… 



355:約40年前の作品です:2006/06/21(水) 21:17:19 ID:X/Z8ZqEI0
円谷プロの作品で封印された話 
怪奇大作戦という作品より「「狂鬼人間」という話(DVDにも収録されず) 
この作品はヒーローは登場せず、SRIという捜査機関が登場する。 
この組織は、かつて警視庁の元鑑識課課長が、より自由な科学捜査の 
可能性を追求する為に設立した民間の機関。ただし警視庁捜査一課課長と 
知り合いなので、公的あるいは私的に捜査に協力する。 

ある夜、ネグリジェを着たユキコという女が、深夜の駐車場で元恋人の男を 
刺殺する。手についた血を見て、けたたましく笑うユキコ。 
精神鑑定の結果、ユキコは重度の精神障害者と認定され、刑法39条により 
無罪とされる。彼女は精神科の病院に入院するが、二ヶ月で全快して退院する 
その後、町の金融業者が半裸の狂った男に日本刀でで斬殺される事件、 
料亭の客が狂った男に猟銃で射殺される事件が連続して発生する。 
犠牲者の数は7人にも上るが、それぞれの事件の犯人も心神喪失者と見なされ、 
無罪になったが、その後一様に症状が全快していた。 



356:本当にあった怖い名無し:2006/06/21(水) 21:20:41 ID:X/Z8ZqEI0
この異常事態に裏があると踏んだSRIの職員である牧は、最初の事件の加害者、ユキコを尾行。 
洋装店「る・それいゆ」に入っていった彼女をガラス越しに観察すると、店主の美川に札束を見せて 
何事か頼んでいたが断られた様子。 
その後、ユキコはまたも殺人事件を起こして逮捕される(被害者は彼女から恋人を奪った女)が、 
精神鑑定の結果、今度は精神障害ではないと認定される。 
問いただした牧に対してユキコはついに口を開く。「あの人は、狂わせ屋です」 
数ヶ月前、失恋による傷心の為に投身自殺を図ったユキコは、入院していた。 
そこに赤の他人の美川が面会に来た。 
「死のうなんて馬鹿よ、どうして相手を殺そうとしなかったの?」 
「私がいい方法を教えてあげましょうか?兵器で相手が殺せて、しかも無罪・・・」 
その申し出を受けたユキコは、美川の店に行き、一回限りという条件で、変な機械で自分を狂わせて 
もらったのだという。 
SRIは美川を罠にかけるため、牧と同じく職員のさおりを恋人同士に仕立て、同僚がさおりをひき殺した 
という芝居を打った。ニセの墓参りに行った牧。すると美川が牧に接近してきた。 



357:本当にあった怖い名無し:2006/06/21(水) 21:24:19 ID:X/Z8ZqEI0
自分はあなたの味方でお手伝いしたい事があるという。 
「殺人よ。あなたは、あなたの恋人をひき殺したあいつを殺してやりたい。でも勇気が無い。 
その理由ははっきりしているわ。あなたはね、自分の一生を棒に振ってまで復讐する気になれないのよ」 
自分の過去を語りだす美川、自分にはかつて夫がいた。脳波の研究で学会でも注目され、 
自分はその助手。子供もでき、幸せな毎日だったが、ある日精神障害者に夫と子供を殺されてしまった。 
精神鑑定の結果、犯人は無罪。それから自分は、精神障害者の犯罪が無罪になるような世の中に復讐してやろうと決心し、夫が研究中だった脳波変調期を改造して・・ 
牧は、誘いに乗ったと見せかけ所長にOKと、殺害の(フリ)の実行場所を連絡する。 
しかし、銃から弾を抜いていたところを美川が双眼鏡でみていた。 
牧は装置にかけられるが、美川に改めて弾を込められた拳銃を渡し、仲間に仕向ける。 
(牧はギリギリのところで警官に取り押さえられる) 
SRIに追い詰められた美川は、装置を最大出力で作動。 
急激に脳波を変えられた美川は一生、正気には戻らなくなった。 

尚、刑法39条「心神喪失及び心身耗弱」 
一項 心神喪失者の行為は、罰しない 
今でも麻原が揉めてますけどねー 



395:本当にあった怖い名無し:2006/06/22(木) 18:01:33 ID:E6hnUWft0
ついこの間気づいた、両親AB型、自分O型。 
マジでどうしよう。 
兄弟居るから、どこかの施設から養子に・・ってわけでもなさそうなんだけど。 
両親AB型でもO型できるなら、自分の勘違いで笑える話なんだけど。 



408:本当にあった怖い名無し:2006/06/22(木) 20:56:01 ID:HYF2zyCs0
>>395 
そういう人いるから気にスンナ。 
遺伝子のちょいとした組み替えで血液型なんざ変わるもんだ。 
俺の友人もO×ABのO型だったから悩んだらしいけど、親父さんが「お前は 
俺の子だ」つってDNA鑑定受けさせた。 
したら、見事に血縁関係証明、組み替え有りつって結果が出たんで親父さん 
大得意だったそうだ。 

ちと組み合わせが違うが、こんな例もあるもんだ。 



412:本当にあった怖い名無し:2006/06/22(木) 22:04:44 ID:5CYypuKC0
>>395 
自分も●十年も前にそんな話の少女漫画読んだことあるよ。 
主人公の少女は高校生。カッコ良くて優秀なアニキがいて仲も良く、ちょっと自慢。 
ところが平和な一家に、父親の隠し子だと言って、ワイルドタイプの少年が居座る。 
父親も実は身に覚えがあってスグには否定できず、仕方なく同居させる事に。 
しかも彼が言うには、アニキは父親の実の子ではない、取り間違えられたのだと。 
だから自分こそこの家の跡取り。早く出ていけ!と強気。改めて考えてみると、確かに 
アニキの血液型は不自然(これがAB-Oだったと思った)。少年なら血液型は問題ない。 
(当時はDNA鑑定なんて全然一般的ではなかった)悩む主人公。両親も困り果てる。 
少年は学校では主人公の先輩となるが、不良っぽくて問題ばかり起こす。 
だがそうこうする内、少年にも頼れる所や優しい所があるのが解り、ちょっと見直す主人公。 
一方アニキは家にはいるものの、やはりかなり落ち込んでいる様子。心配する主人公にアニキは、
ずっと悩んでた事をうち明けたいという……主人公を愛しているという。 
今まで兄妹だから抑えていたが、他人であるなら結婚したいという。自分は独立して働くと。 
あせりつつ、それはそれで嬉しい主人公。二人の仲は進展…… 
そこへ、ABの親からも、たまにはOの子が産まれると、専門家のアドバイス。 
それで少年は、自分の母は確かに昔、この家の父親の恋人だったが、自分は 
別の男の息子だとうち明ける。母親は苦労して死んでしまった。 
幸せに暮らしているこの一家が憎らしくて、かき回してやろうとしたのだと。 
だが居座るうち、少年もまた主人公を愛し、やさしい家族が好きになった。 
だからもう出ていくと。少年は全てをわびて、さわやかに出ていく。 
家は元に戻った。だが以前の通りではなかった。 
父と関係のあった女の存在を知ってしまった母。妹に告白してしまった「実の」兄。 
いつかまた元のように、皆が仲良く暮らせる家になりますように…願ってやまない主人公だった。 

後味は悪いが、血液型なんかに惑わされるな!という話。 



396:本当にあった怖い名無し:2006/06/22(木) 18:07:12 ID:sEAqODxbO
ブラックジャックが言ってたけど血液型は絶対じゃないってよ。 



420:本当にあった怖い名無し:2006/06/23(金) 01:20:44 ID:U9Iql1Gn0
アニメ「日本むかし話」の「蛙の恩返し」 
おじいさんが蛙を呑み込もうとしていた蛇に、助けてやってくれとたのむ。 
蛇、おじいさんの娘の一人を嫁によこすならと蛙を助ける。 
後日、蛇が男の姿になって娘を迎えに来る。 
嫁に行くことになった末娘に、蛙が入れ知恵をする。 
蛇に連れられて人里離れた場所に入っていく娘。 
池にひょうたんと針を投げ入れて、 
私を嫁にしたくば、ひょうたんを水に沈め針を水に浮かせてごらんという。 
必死でひょうたんに抱きついて沈めようとする蛇を見ておほほほ・・・と笑う娘。 
ブチ切れる蛇。逃げ出して社にこもる娘だが、蛇は社に巻き付いて絞め付ける。 
もうだめかとおもったとき、ふと静かになる。 
娘が外に出てみると、無数の蛙が蛇にとりついていてその腹を食い破っていた。 
娘はその後良縁に恵まれめでたしめでたし。 

蛇かわいそうだよ蛇。 
蛙は食えない、笑いものにされる、約束は破られる、腹食い破られてしぬ。 
後味わるい。 



425:本当にあった怖い名無し:2006/06/23(金) 02:16:21 ID:GChIUOS4O
蛇の話で思い出した。 
十年以上前に絵本で見た童話。 


ライオンが人間の娘に恋をした。 

父親に娘をくれと訴えるが、父親は『その牙と爪は娘を傷つけるからだめだ。』とだけ伝える。 

ライオンは牙と爪を必死になって痛みに耐えながら抜いた。 
そして、喜び勇んで娘をもらいに行くライオン。 

牙と爪を失ったライオンを見た娘の父親。 
『武器を失ったライオンなど怖いものか。』 
とライオンを殴り殺してしまう。 


…まあ、娘をライオンにはやれない気持ちはわかるが…。(娘も嫌だろうし) 
牙と爪を持ったライオンに結婚を断れば殺されるかもしれんのもわかる。 
でもなんか辛かった。 

それを読んでいた妹も微妙な顔をしていた。 



428:本当にあった怖い名無し:2006/06/23(金) 03:18:51 ID:9AYWIy4P0
>>425 
日野日出志のマンガで同じのがあったな。 

主人公は山に住む心優しい鬼。 
彼は、山に遊びに来た領主の娘に恋をした。 
彼女は美しいが、盲目だった。 
娘も鬼の心の優しさに惹かれ、結婚の約束を交わす仲になった。しかし娘は目を治すために一時的に京へ行くことに。 

その間に結婚の許しを得ようと考えた鬼は領主の屋敷に出向いた。 
領主は、結婚の条件として角、牙、爪をとるように頼み、鬼もそれを快諾した。 
激痛を伴いながらもなんとかやり遂げた鬼。しかし、体は弱りきっていた。 
領主の屋敷に再訪し、条件を満たした証拠を見せる鬼。 
すると領主は、「どうも娘の目は治らなかったようだ。最後の条件として、娘と同じ盲目になってくれ」と短剣を渡す。 
鬼は悲しんだが、これで娘と結婚できるなら、と両目を潰した。 
その瞬間鬼の体に激痛が走った。 
四方から槍で突かれ息絶える鬼。 
そこへ京から目の治った娘が帰ってきた。 
驚く娘に「所詮、人間と鬼は一緒になれんのだ・・・」と領主。 
「鬼は、あんたたちの方よーーー!!」と叫ぶ娘の声で終わり。 



468:本当にあった怖い名無し:2006/06/23(金) 23:24:06 ID:sMyHq5eN0
怪談レストランシリーズのどれかに入っていた「リプレイ」という小説 

少年がゲームをクリアすると、クリア特典としてアイテムを選ぶ画面が出た。 
適当に「リプレイ」というのを選ぶ。後日、その事を友人に話したら 
あのゲームにクリア特典はないしリプレイなんてのも知らないと言われた。 

やがて少年は、やり直したい事柄があった時に 
「リプレイ」と叫べば時間が巻き戻る事に気がついた。 
失敗をした時などに有効活用するようになった。 

友人たちと廃屋を訪れた少年。 
外にかけられた錆びた梯子を好奇心で上っていく。 
壊れそうで危ないと言われるが、もし危険な目にあっても 
リプレイと叫べば大丈夫だと思い、意気揚揚と上って行く。 
かなり高くまで上ったところで、友人たちが言う通りに梯子が壊れた。 
落ちて行く少年は、余裕たっぷりにリプレイと叫ぶ。 
その瞬間、時間が巻き戻った。梯子が壊れた瞬間へと。 
少年はまた落下していく。おかしいなと思いながらまたリプレイと叫ぶ。 
しかし何度リプレイと叫んでも、梯子が壊れた直後にまでしか戻らない。 
余裕は消え、少年は何度も何度も必死にリプレイと叫ぶ。 
何千何万回と叫びながら、このままずっと落ち続けるままなのかと少年は思った。 



470:本当にあった怖い名無し:2006/06/23(金) 23:38:03 ID:wV3goVAHO
>>468
乙。 
落ちる直前を何度も繰り返すなんて、想像すると怖いな… 



472:本当にあった怖い名無し:2006/06/23(金) 23:42:16 ID:9AYWIy4P0
>>468 
なんだか昨日から似た話ばっかり書いてますが 
アウターゾーンて漫画にも似たような話ありました。 

時間を巻き戻せる時計を拾った男。 
その時計を使って悪さしたい放題。 
ある日突然飛び出してきた車に轢かれる。 
時計を使って轢かれる前に巻き戻そうとするが 
時計は車とぶつかった時に壊れていた。 
自動的に轢かれる寸前まで巻き戻る時計。 
男はまた轢かれた。時計はまた自動で巻き戻る。 
男はそこで永遠に轢かれる苦しみを味わい続けるのだった。 



474:本当にあった怖い名無し:2006/06/24(土) 00:05:57 ID:z37tg7eG0
>>472 
しかしその話は時計を手に入れる前に 
男は小さな男の子を誘拐して殺していて、 
時計を手に入れた後男の子を誘拐したこと自体を失くしてから 
その状態に陥ってるからどちらかというと後味いい 



475:本当にあった怖い名無し:2006/06/24(土) 00:06:38 ID:z37tg7eG0
更に補足 
時計は拾ったのではなくミザリィの店に強盗して恵んでもらったもの 



524:本当にあった怖い名無し:2006/06/24(土) 13:17:20 ID:gU5cFXyo0
「キャラクター・コレクション」っていうテーブルトークRPGに出てくる職業をショートショートを交えて解説するっていう本があって、 
その本から「錬金術師」のショートショートを。 


 主人公の吟遊詩人がある町で、錬金術師に出会う。 
錬金術師は実験により、生物を特殊な液体に入れると金属が出来ることを発見し、更に高度な生物ほど価値のある金属が出来ることを知る。 
「犬からは銀が出来た。人間に最も近い猿からは金が出来るに違いない」と確信する錬金術師。 
主人公はその液体の正体を問うが錬金術師は口をつぐむ。 

 その後主人公は錬金術師の弟子から液体の正体が酸であることを知る。 
弟子によると、あらかじめ実験前に金属を削って酸に溶かしておき、さも生物から金属が生成できるかのように見せかけていたという。 
錬金術師も単純なもので、弟子の小細工に気付かず、素直に金属が出来たと喜んでいた。 

弟子「こないだの犬を使った実験では銀を溶かしておいたんだ。」 
主人公「じゃあ次は金を溶かすのか?」 
弟子「金は溶けないから、また銀を溶かしておくよ。」 

弟子は錬金術師の一人娘と恋仲であり、いずれは娘と結婚して師の後を継ぐつもりであった。 
「ちょっと金がかかるが、師匠の後を継げるなら安いものさ」とうそぶく弟子。あきれる主人公。 

 数ヵ月後、別の町に滞在していた主人公は錬金術師が殺人罪で処刑され、弟子は「俺のせいで!」と叫んで自殺したと言う話を聞いた。 
猿を使った実験でも金が生成できないことに業を煮やした錬金術師は、娘を実験に使ってしまったのだ……。 


読んだのが何年か前なのでところどころ記憶違いがあるかもしれないけど、こんな感じの話。 



588:本当にあった怖い名無し:2006/06/25(日) 14:20:10 ID:M1v3LD4h0
>>524 
キャラコレナツカシス。他にも後味が悪いのがあったな。俺が覚えてるのは「暗殺者」と「スパイ」。 
昔の話なんで細部が違ってたら誰か訂正してくれ。 

「暗殺者」 
ある国の王子が召使いの少年に暗殺された。召使いはある宗教団体で養成された暗殺者で、 
王子の父である王が、その宗教団体を弾圧した報復としてだった。 
主人公である吟遊詩人はその王に招かれ、捕らえられた少年に歌を歌って聴かせる様命ぜられる。 
なぜこの様な事をするのかと疑問を抱きながらも、詩人は歌を歌って聴かせる。 
歌い終わった後、詩人は少年の頬に一筋の涙が流れているのを目にする。 

城を去る前、詩人は家来になぜこの様な事をしているのか尋ねる。真相はこうだった。 
この宗教の教義は、現世で苦しければ苦しいほど、来世での幸せが約束されると言うもの。 
なので、拷問したりすぐに死刑にしても意味が無い。 
そこで王は、現世での様々な喜びを歌った歌を聴かせることを思いついた。 
たった一回しかない人生を、教義の為に浪費してしまったと気づかせるために。 

刑が執行される直前まで、少年は「死にたくない!」と泣き叫んでいたと言う。